9-8 大学生、ハーレム?再び
「だぁかぁらぁ、にゃんであれくしあにゃのぉぉおおおおお」
酒場で夕食を食べて、軽く飲んで、酒を買って部屋に戻ってきた。
エクセルが完全にぶっ壊れてるが、おかげで以前の魔王討伐のときのように・・・いや前も結構向こうが夜這いに来るだけで、昼間はむすっとしてたな。
いや、しかしこの飲みやすい酒も塔のモンスターのドロップっていうのは信じがたい。
この世界では水以外は全てモンスターからのドロップでしか得られないらしい。
肉も野菜も武器も布も木材も、全てドロップ品らしい。
どんな世界だと思うが、そういう世界らしいのでとにかくドロップ品はなんでも売れる。
おかげでモンスターをさくさく狩れる俺達はお金に困ることは無さそうだが、問題はそのお金が酒代に消えたことだろうか。
というかどんだけ買ってるんだよ。
「うにゃああああああああ」
エクセルがなんか俺とアレクシアの仲が良いことに対して、だいぶめんどくさい絡み方をしている。アレクシアに。
俺としては助けに行きたいんだが・・・
「ユーイチはんは相変わらずええねぇ」
そう言ってコハクががっちり掴んで頬ずりしてくる。
嫌ではない。嫌ではないが、アレクシアの遊んでないで助けろよみたいな目が痛い。
けどコハクって見かけによらずバカ力で動けない。
いや、まぁ戦闘とか見てると暴力系だってのは知ってるけど。
て、むぎぎぎ、イタイイタイイタイ!
「なーんか失礼なこと考えてはらへん?」
両手でがっちり顔を押さえられて真正面にコハクの顔が来る。
整ってて綺麗な顔なんだが、妖しげな笑みを浮かべていて今はコワイ。
「ソンナコトナイデスヨ?」
「ほうか。ほなかまへんねやけどね」
そういうとコハクはそのままむちゅうと唇を重ねてきた。
「んぐ!?」
「「んにゃああああああああ」」
完全な不意打ちだったので変な声が出た。
というか、他の2人もがっつりこっちの様子を窺ってたのか。
「私の勇者あぁぁぁあああ」
「私も我慢してたのに!」
エクセルはほっとくとして、アレクシアが意外なこと言ってる気もするが、もっといちゃいちゃしたかったのかな?
「コハク何してんの!」
アレクシアがコハクから俺を奪い取るようにして唇を重ねてきた。
こちらはねっとりと濃厚な接吻だった。
というか、2人っきりならともかく、人前でこういうことするタイプじゃないよね。
目を見ると完全に据わってトロンとしている。
酔ってますわ。
「あらあら、お熱いねぇ」
「んにゃああああ、私の勇者ぁぁあぁああ」
茶化すようなコハクと悲鳴をあげるエクセル。
というか俺はお前の所有物じゃねぇよ。
と、突然エクセルに無理矢理アレクシアから引き剥がされ、押し倒されて馬乗りでむちゅうと唇を塞がれた。
つーか、酒くせぇ!
俺も飲んでるのに酒臭いと感じるとか、どんだけ飲んでんだよ!
「酒くせぇ!こいつやべぇ!どんだけ飲んでんだよ!」
アレクシアの方を見ると、可愛く首を傾げてさっきまで2人がいた方に目をやっている。
そちらに視線を向けると、大量の空き瓶が目に入った。
え?まじであんだけ飲んだの?
まじで?と目で訴えると、まじでといった感じでいい笑顔を返された。
これ絶対エクセルは記憶ないんだろうなぁ。
とりあえずどかそうとエクセルの体に触れる。
「いやん。勇者様積極的」
なんか柔らかな感触が手に伝わったら、エクセルがつくったような声をあげている。
今更そんなこと恥ずかしがる相手じゃねぇだろ!
というか、アレクシアとコハクの目が冷たい!わざとじゃないから!
って、なんかアレクシアとコハクもこっちに迫ってきてません?
え?助けてくれるんじゃないの?
その後のことは酒のせいもあってあやふやだが、とりあえずみんな酒のせいでぶっ飛んでたということで。
朝目が覚めたらベッドを2つくっつけてみんな一緒に服着ずに寝てた。
とりあえずしんどいし、みんな寝てるのでアレクシアを抱き寄せてもう一度寝た。




