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殺人同行観察譚  作者: オニヒトデ
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※このお話には可愛い女の子2人が現れます。

1人の少女は私の前に乗りかかる、慌て武器…まるでオモチャに見える大きく、鋭利なナイフを構える。

しかし、その少女は私の動きを先読みしていたかのように鋸でそのナイフを弾き出し、暗く閉鎖的な路地裏に金属の音を反響させる。

まだ日が上り明るい時間、犯行には向かない時間帯にその少女はワタシに向かってきた。

その日に照らされ影が顔にかかる時、現代社会では邪険にされてしまいそうな程 気色の悪い猟奇的な笑みを浮かべていた。

首を押さえつけられ、完全に抵抗しても無駄だと思わせられる力量差に圧倒される。

「死んでしまう」その恐怖は薄かった。

あぁこのご時世から漸く開放されると、脳みそは都合の良い看板を掲げ始めた。


すると少女は叫びも泣きも、笑いもしないワタシの無気力な態度が嫌だったのだろう、首を絞めるのをやめた。

何が少女にその様な行動を起こすのか、戮したいのならさっさと戮せばいい、金品も食品も人質すらワタシには居ないけど。


「ねぇ君…つまんなさすぎません?」

変に回りくどく、落ち着いたトーン 心拍数の速さも脳汁も一切早まっていないのかと思ってしまう平常心。

まるで「友人に勧められたゲームだったけど いざ蓋を開ければ面白味の面すら無かった事を指摘したきた女の子」そのものだろうか。

それが嫌に恐ろしく 吐き気を催す。

「あぁ、そう怖がらないでください、別に殺したいわけじゃなかったんですよ、ただちょっと君が気にかかって…試しに ね?」

愛想の良いその微笑みが更に癪に触った。

眩しかった、太陽も少女の笑いも、青春の2文字が似合う。

しかし現状はゴミとガムと閉鎖的な陰りがある路地裏、その表裏が心拍数を高鳴らせる。

こわい。

その一言を言って少女は更に笑う、今度は青春からガラリと変わった非日常…流行りの「因果応報を表した漫画」に出てくるあの笑い、猟奇的な笑いに。

「君はなんて可愛いんでしょう!殺されるより話しかけられたほうが怖いの?ねぇ?ならセツトはもっと話しかけますよ」

セツトという名前らしい、セツトはワタシが怖がる姿を見てあからさまにその高揚を見せる。

それがつまらなかった。

「それは怖くない 気持ち悪い」

そう言った3秒後、ワタシは変な薬を飲まされた。

再び踠くが、少女はあの青春を表した笑みのままワタシの首と口を押さえつけて…。

気づいたら、呼吸が苦しくなって 生きづらく思わせる眠りに入る。


「表裏恐怖」


目が覚めた時、ワタシは普段あったはずの日常がそこにあった。

母が毎日外に天日干しにして、良い匂いのするふかふかで温もりがある枕と毛布 弾むと音を軋ませるベッド。

眠る時にカーテンを掛けて、暗すぎると困るから少し電灯を明るくして、物の色と形が分かる…ちょうど良い暗さ。

暗所恐怖症でもちょっと鳥肌が立つだけだった。

目が慣れてくると次第に…その日常は霧の様に消えていく。

「え…?」

花瓶に飾られた赤い造花を乗せた円形のテーブルが、ただポツンと中央にあった。

そして牢の鉄格子があった。

日常が大っぴらに、外部に、非日常という檻に閉じ込められている。

ワタシは現状が理解出来ず起き上がって立ち上がった。

しかし。

「うぁっ!?な、なにこれ!?」

手には枷、よく見れば首には冷たい金属製の「首輪」、背後からは耳障りな金属音鳴る繋がれたチェーン。

明らかにワタシは「檻の中の子」

あの日々を思い出し、ゾッとする。

父に無理に拘束され、酷く惨いレイプをされた事を…。

我を忘れて叫んだ、理解したくない現状を、訴える。


「誰か!居ないの!」

「早く助けて!マドカはここに居るの!」

「助けて!やだっ!ふざけるな!マドカに何をする気なの!ねぇ!?」

散々酷い罵声を鳴らすが反応は無、怒りも声も空虚に呑まれていく。

次第に冷静になっていく、そうすればまた(今後どうなってしまうか)という恐怖が沸沸と湧き上がる。

嫌だ。

この適度な暗闇も見る見る内に恐怖になる、先程まで平気だったはずの日常が崩れ始める。

幸せな目覚めとは一変、そこは奇妙なワンルームとなる。

そう…セツトは、怖がる子が好き。


その不細工な女の子を眺めていた。

みすぼらしいワンピース、変に伸びた髪、手入れの行き届いていない汚れた身体…。

【ファンタイム】を失った瞳。

その子がヤケに気になった。

完璧、それを言い表したワタシは彼女に完璧な助けを与えたかった。

半端に反抗的なその潤いの無い瞳、フラフラと淀んだ歩きを正してあげたかった。

だから、誘拐した。

けど問題は無い、【アンチ】からの支援を受けていたワタシに不可能は無い。

空き家を自分の手で内装を改善して、チェーンと首輪、手枷、そして檻を設置して。

小型の監視カメラも花瓶の花に隠して…。

彼女は三日間の眠りから覚めた。

最初は幸せな気持ちだったのだろう、モゾモゾと毛布の中で動いたと思った次の時、異常に気づきベッドから飛び上がった。

心地よい金属の引っ張り合う音が響くと同時、彼女も叫び散らした。

正直言われ慣れていない暴言が多く、どうしてこんなに年端も行かぬ女の子がそんなワードを知っているのか…、と疑問に思ったが気にせず観察を続けた。

すると泣き疲れ、お腹を鳴らし始めた。

こういう所は幼さが明るみになるんだなぁ…だなんて考えて、彼女のための朝食を用意してあったので、温めて持っていくことにした。


…お腹がすいた。

そう思って数分、トイレもしたくなって辺りを冷静になって見回すと…あった。

トイレは洋式、カーテンがついており、これで用を足している時 身を隠せる。

トイレットペーパーもちゃんとある…。

正直、慣れられる気がしない。

足して終わった直後、扉の開く音が響く。

恐怖と焦燥感に襲われ急いで身を直し、カーテンを勢いよく開けるとそこには。

「…お前は誰なの?」

カチッと鳴った途端、眩しい灯りに照らされたら あの日ワタシを眠らせた、緑の髪の女が居た。

自身の身長と差は明るみに、幼さも無くなってくる頃合の年齢を思わせる身体。

手持つのはトレイ、トレイには料理が乗っている。

少しの間を置いて、少女は優しげな微笑みで此方を伺ってくる。


「やぁ、ご機嫌如何?」

どうでしょうか?今後着々と更新していく予定ですのでお楽しみにしていてください。

最後まで見てくださりありがとうございます!。

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