近所のスーパーは夜の9時で閉まる。
需要不明。勢いのままに書いた。後悔はもちろんしてる。
土曜日の朝7時過ぎ。
俺はベッドの中で目が覚める。
2度寝するかどうか、最初の審判の時だ。
今日が平日であったなら、俺は渋々2度寝を諦めるだろう。
生活費のために仕事に行かねばならないからだ。
しかし今日は休日、仕事は無い。
条件は揃った!2度寝だ!
俺の決意は固い。
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午前9時過ぎ、俺はベッドの中で目を覚ます。
3度寝をするかどうか。再び審判の時だ。
俺は目を閉じて審判に必要な情報を整理する。
今、冷蔵庫の中には納豆2パック以外の食料は無い。
近所のスーパーまで食料を調達する必要がある。
営業時間は午前9時から午後9時の間、先ほど開店時間を過ぎた。
野菜コーナーは既に半額シールが出回った時間だ。あのコーナーだけは開店前から動いている。
そろそろ店員が菓子とパン類も賞味期限を確かめ始めた頃だろう。
10時過ぎには半額シールが貼られ終わっているはずだ。
行くか?
いや、だめだ。
この間の健康診断で糖分が少し引っかかった。休日ぐらいは菓子もパンも控えよう。
そして野菜は半額シールの加護を受ける品目が最も安定しない。
あれを主目標として出陣するのは極めてリスキーだ。割に合わない。
午前中のセール品は何があった?
今日は確かコーヒー牛乳とほうれん草が安かったはずだ。買うか?
いや、だめだ。
あのコーヒー牛乳は糖分が多くてクソ甘いやつだ。やめておこう。
ほうれん草は茹でるのが面倒だ。後で茹でようと思って腐らせるのがオチだ。
他には?ないな?
よし、寝よう!
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午前11時、本日3度目の審判の時だ。
体は寝ていたときのまま、意識だけを覚醒させる。
外は暑い、今買い物に出れば汗だくになるだろう。
この時間帯に割引シールが貼られる商品は無い。
今行く必要性は無い!
よし、寝よう!
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午後3時、再び審判の時だ。
俺は腰を捻って骨を鳴らす。
この音の鳴り方は体調が良い時の音だ。我が戦力の温存はうまくいっている。
そして、そろそろヨーグルトコーナーに半額シールが降臨する時間だ。
行くか?
いや待て。
どれだけの半額シールが降臨するかは未知数、大きな賭けになる。
半額のヨーグルトは大変魅力的なアイテムだが、それを目当てに出陣して獲物ゼロでした、では
目も当てられん。
ライバルは多く強力だ。ヨーグルトコーナーは惣菜コーナーに次ぐ過酷な戦場なのだから。
今から行動を開始しても出遅れるのは確実。圧倒的に不利。
勝算の薄い戦いに挑むのは得策では無い。
よし、寝よう!
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午後7時、さあ審判の時だ。
俺は指の骨を鳴らす。いい感じだ。
この時間は精肉コーナーと鮮魚コーナーが動き出す。
既に夕食時を過ぎていることもあってライバルは多くない、が。
どちらも米が無ければ輝かないアイテムだ。
ご飯の無い焼肉、ご飯の無い刺身。
少なくとも俺には考えられない。ご飯と一緒が俺の正統派だ。
そして炊飯器の中は現在空っぽだ、コンセントすら差さっていない。
幸いにして米はあるとはいえ、今から炊くのはやはりスピード感に欠ける。
肉と魚の値段も問題だ。
以前よりも物価が上がってしまって、肉も魚も高級品になってしまった。
もはや半額シールの御威光すら霞みつつある。
これではコストに見合ったリターンは期待できない!
よし、寝よう!
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午後7時半。最後の審判の時は来た。
最大にして最も過酷な戦場、惣菜コーナーが午後8時から動き出す。
布団から出て戦場にたどり着くまでに約15分。
あと15分後に出発だ!
さあ!寝よう!
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午後9時15分
うわああああああああああ!
寝過ごしたあああああああ!
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午後9時半
米を研いで、炊飯器のスイッチを入れた。
炊きあがるまで30分前後。正確な時間は把握していない。
おかずは最後の納豆達だ。
よし、明日は朝一でスーパーに行こう。
早起きできるように早く寝なければ。
よし、寝よう。