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1話 狭間に落ちて

また、ちょっと書きますんで宜しくお願いします。

(だれか〜助けて〜ヘルプミ〜!)


僕は助けを求める声を出し続けていた。

いったい何度目叫んだかわからない。

いったい何時からかも。

そう、僕が通学途中、足元の変な黒い穴が出来てそこに吸い込まれてからずっとだ。

それ以降、瞬きしても何も見えず、耳を済ましても何も聞こえず、手足を動かしても何かに触れる感覚がまるでない。

だいたい声が出てることさえもわからない。

それでも僕は声を出し続けている。

なぜなら怖いからだ。

助けを求めることをやめたとき、

声を出すことをやめたとき、

僕があきらめたとき、

僕の存在が消えてしまう、

そんな気がするから。


(⁉︎)


今、何の前触れもなく、目の前が明るくなった!そしてそこには、僕の目の前には、とても美しい女性がいた。足元まで伸びた長い黒髪に吸い込まれるような綺麗な黒い瞳のその人は、女性というには少し若過ぎかもしれない、一番合う言葉は美少女だろう。


(キミは……僕の世界のニンゲンだね。)

(……あなたは?)

(私はピュノ。韋駄天の一族の者だよ。なぜこんなところにいるのかな?キミの情報を読ませてもらうね。)

(!!!!)


ピュノと名乗った美少女の眼が輝いたと思った瞬間、僕の意識がふっ飛んだ。ただそれはほんの一瞬だったようだ。


(了解、キミははざまあゆむクン15歳だね。運悪くバグホールからここ、次元の狭間に落ちっちゃったんだ。可哀想に〜。)

(あの穴、バグホールっていうんですか?)

(そうだよ。)

(えっと、えっと、ここはどんなところなんでしょう?僕はどうなってしまったんでしょう?)

(ここは次元と次元、世界と世界の狭間、通称ハザマの世界。神々でさえここに長くいれば存在力を奪われて消滅しかねない危険な場所だよ。運悪くキミはそこに入ってしまったのだよ。)


僕は背中がぞぞっとする悪寒に襲われた。やはり……


(君の直感は正しかったんだよ、生きることを諦めてたらキミ、消えてたね。)


セーフ!自分のファインプレーに拍手だよ!


(あの!お願いが!)

(キミを助けるってこと?んー、ボク仕事中なんだよねー。)


どうやら、ここで僕と出会ったことは偶然のようだ。助けにきてくれたわけじゃないわけだ!こんなところにもういたくないし、何とか説得しないと!


(あー焦らなくてもイイよ。流石に見捨てる気は無いから、これでも神様だしね〜。でもボク仕事でこれから天界に行かなくちゃならないしなぁ。なにか方法は……あっ!)

(あ?)

(えっとね歩クン、もし元の世界に戻っても魂担当の神とかが色々と言ってきてたぶん元の状態には戻れないと思うんだ、たぶんだけど。)

(元の状態って?)

(ここは普通の場所じゃあないんだ。ここにいたことで何らかの影響がキミに働いている可能性があるかもしれない。その危険性を考慮してキミはリセットされる、かも。たぶんだけど。)


リセットってなんかやな予感しかしない……


(リセットってどういうことでしょう?)

(魂の状態まで戻されるって感じかな?少なくとも元の歩クンとしては生きられないと思うよ。)

(……やっぱり)

(管理者側からすると安全のために、ね。まあ、ごめんね。)


詰んだ……元の世界に戻っても、僕は僕として生きられない。そんな!じゃあ今まで何のために必死になって頑張って諦めなかったのかわかんないじゃないか!


とか考えてたところへまた声をかけられた。


(そこでなんだけど、キミにその気があればこの先の天界の中に”人間の世界”があるんだ。そこで住むのはどうかな?)

(僕が?歩として?)

(うん、少なくとも記憶は残るよ。そこは”ノーア”という世界さ。)


それから僕は女神ピュノからその世界のことを聞き、そこで生きることを了承した。



神々の遊戯世界”ノーア”で生きることを。


感謝・感謝です。

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