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第五話 再会したら死にかけた話

【5】


 呻き声は断続的に、不定期な間隔でドアの向こうから響いてきていた。しかも、


「ウ……っぐ……ぅ……ウあ……あぐぅ……」


 ドア越しに聞こえるということは、かなりの大声だと分かる。更に本気で、演技なしで叫ぶ声は、耳にしただけでそれを理解させる迫力があるものだ。病気か? 或いは怪我か? ……いずれにしろ部屋の中の住人が苦しんでいるのは間違いない。リュカは意を決するとチャイムボタンを押す、が……。

「? ちっくしょ……なんだよこれ! 壊れてるのか!?」

 ボタンはスカスカとへこむだけで、何の音も発しない。

『た、たたた大変だ!』

 あの連中と暮らしてるということは、件のマキナなる人物も筋金入りの変態に違いない。だがいくら相手が変態とはいえ、病人を――怪我人かもだが――見捨てるほどにリュカは非情でも、冷血漢でもなかった。少し失礼かも、とは思ったが、ドアを強めに叩く。

「あ、あの……大丈夫ですか!? もしもし? もしもし!?」

 しかしリュカの大声にも、ドンドンというノックにも、室内からの反応は何もなかった。これはいよいよもってマズいのではないだろうか? もしかしたら事は急を要するような事態になっているのかもしれない。

「うあっ……っが……あぁぁ……っぎ……ゥゥゥゥゥ!」

 呻き声がますます大きくなってきた。『もう、悩んでいる暇は無い』とリュカはドアノブに手をかける。最悪ブチ破ろうとさえ思ったが、意外にも鍵はかかっていなかった。尤も、今の自分には都合がいい。ドアを開け放ち勝手に室内へと侵入する。

「え、えと……ま、マキナさん? マキナさん!?」

 どこにいるのだろうか? より大音量になった呻き声を辿り、声の主の居所に向かう、

「うぐ……ああああ……あ!? あ……ォおァァァァアアアアアア!」

「ここか!? マキナさん!?」


 この時の光景を、リュカは多分一生忘れることはないだろう。この島に来て最強に最高で最悪な光景。地獄と煉獄とジャハンナムとヘルヘイムとタルタロスと黄泉津平坂と……そして限りなく天国に近い光景。




「イグぅぅぅぅウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」




「……はい?」


 何か、生暖かくヌルヌルとした液体が、リュカの顔面に直撃する。


「あ……あぁぁ……あ……っかは……あっ……」


 声を辿って着いたのは寝室と思しき場所。彼女はそのベッドの上にいた。

『全裸』で。


 あのドM幼女、ミゥの絆創膏スタイル……。彼女でさえ肝心な箇所は、ギリギリ隠していた――かなりキワドイ感じではあったが。しかしこっちは隠してすらいなかった。寧ろおっぴろげていた。丸見えだった。リュカに向けてM字型に足を曲げて寝転んで……。


 ビクンビクンと何度か背中を折れそうなほど海老反りしながら、その女性は全身の力を弛緩させる……。そしてその手から、ゴロンと音を立てて床に転がり落ちるそれは……。


『……ねぇ、もう帰ってもいいかなぁ? いいよね? 帰りたい、日本に帰りたい……』


 それはケバケバしい程のピンク色をしていて、ヘビのようなミミズのような……そんなウネウネとした動きをしたものだった。定期的にヴヴヴ……と音――携帯のマナーモードでよく聞く音だ――を立てて何度も床を跳ねている。その形状はモザイクをいれたくなるような、いつもリュカ自身がトイレで用を足す時によく見るような形をしていて……。


『……解ってる。それがなんて名称で、どういった用途で使用するものなのかも僕は全部解ってる。でもね、でもさ、今だけはいいじゃない。何も知らない子供のフリをしたっていいじゃないか。ね? ってか言いたくねぇんだよああもうくそったれ! もうこれ以上この街に一秒たりとも居たく……』

「ッハァハァ……誰……かしら?」

 ベッドの上から気だるそうな声が聞こえて、リュカの思考は綺麗にピタリと停止した。途端に掻いたことのない嫌な汗が、全身からじっとりと滲み出てくる。

『ヤバイ……ヤバイ! ヤバイヤバイヤバイヤバイ! 何か言わなきゃ何か……』

「貴方、泥棒? ハァ……ハァ……だとしても……盗むものは何もないわよ?」

 艶かしく熱っぽい息遣い。次いで彼女がまず発したのは悲鳴ではなく、驚くべきことにきちんとした言葉であった。しかも日本語である。

「それとも……ハァ……強姦魔の類かしら?……ふぅ……」

 玉のような汗をびっしょりと浮かべた彼女は、呼吸を整えると、元から誰もいないかの如き動きでゆっくりと起き上がる。


 その瞬間、リュカの脳裏に風に舞い上がる帽子の画がフラッシュバックした。

 腰まで伸びた漆黒の髪、透き通った瞳に柔らかそうな唇、気品を感じさせるその姿……。


 それは昼間出会ったお嬢様風超絶美少女、その人だった。


 見間違うはずはない。こんな美少女が二人も三人もホイホイいるなら、世界はそこら中美少女だらけだろう。

「だとしたら私には正当防衛や緊急避難の条件が適用されるはずよね。……いくらこの島でも『双方合意の擬似プレイ以外のレイプは犯罪である』知らないとは言わせないわよ?」

『第一印象は大事である』という言葉を致命傷クラスで痛感する。リュカもまさかこんな早く再会出来るとは思っていなかったが、初めて抱いたあの少しベタな印象は、原子単位で粉々に吹っ飛んだ。そんな正に呆然自失なリュカの横を通り抜け、少女は屈み腰の体勢になりながら全裸でチャコールカラーの棚を漁り始めた。

「ママから渡されておいてよかったわ。まさか使う日が来るとは思わなかったけど……」

 取り出したものを見て、凍っていたリュカの時間がようやく動き始める。

「……はい? あ、あのー、ですね? その手にしていらっしゃるやけに物騒かつ剣呑でデンジャラス方向時々デス臭漂う物体は何でせうか?」


「えーっと、弾倉(マガジン)は入ってるから、遊底(スライド)を……意外に重いのね……引いてっ! ……と。安全装置(セイフティ)を……これかしら? 外す……で構えて……」


「あ、ああのあのあのあのあのあのぼ、ぼぼぼ」


「撃つ」

「僕は……って、はい?」


 音は存外に地味なものだった。爆竹や花火に金属音を混ぜた……擬音で表現するのなら「パキュッ」とか「パンッ」といった感じの……。リュカの髪が数本空中を舞い、何かがツーっと耳の上から垂れてくる。鼻にツンとくる火薬の匂い。金属音をたててコロコロと転がる薬莢。

 そう、少女が向けていたのは、刑事ドラマや戦争映画でしか見たことのない、いわゆる拳銃――S&W M59 デベルカスタム――と呼ばれるものだった。玩具等では断じてない。その証拠にリュカの頭の丁度真横には、コンクリの壁を安々と突き抜けて真っ黒な穴が開いていた。

「駄目じゃない。動くと余計痛いわよ?」

 まるで耳掃除でもしているかのような軽さで言い放つ。しかも全く表情を変えずに、だ。途端、腰から下が力を無くし、見えざる手に引き寄せられるように、リュカは床にペタンと座り込んだ。いやこまされた。直後!

 パキュンッ……先程まで頭のあった位置にもう一つ穴が開く。

『マズイマズイマズイ! この娘、確実に頭を狙ってるよ! 確実に僕を殺る気だよッ!』

「中々当たらないものなのね。練習しなきゃ……」

「ま、待て待て待って! 待ってくださいお願い……」

 パンッ……とリュカの声を遮り、今度は両足の間に穴があく。

「ま、待てって言っただろォ! 他人の話は最後まで聞けってば! いや聞いてくださいお願いです!」

「あら、何故私が陰気でサエなくモテない青春時代を送り、母親以外とは接するどころか話すらしたことなくて、三十歳を過ぎても性的体験を一度も経験していないような童貞で卑劣で人間の屑的レイプ魔の腐ったような寝言を聞かなくちゃいけないのかしら?」

「言いすぎだ! ってか僕はレイプ魔じゃない!」

 その理屈では全国の非リア充な魔法使いさんたちは皆、犯罪者になってしまう。それにどう見ても少女とリュカは同年代であった。

「何? レイプから始まる愛もある――とか脳の湧いたクソビッチ共が読む少女漫画や、鼻息荒い二次ヲタ豚細工みたいな連中と同じこと言いたいのかしら?」

「違う違う。あ、アンタ、マキナさんだろ……ってうぉわっ!」

 更に銃声。ようやく身体が反応した。四発目は、丁度リュカが先程まで座り込んでいた場所――正確に説明するなら腹部ど真ん中辺りを穿っていた。それがリュカを更に青褪めさせる。

 銃というものは存外に当たらないものである。更に相手が人間であればそれは動き回るわけで、頭部という小さな箇所に命中させるのは、余程訓練した者でなければ不可能だ。故に素人が撃つ場合、重要な臓器の集まる正中線上……しかも面積の広い腹部を狙うのがセオリーである。リュカが恐怖を覚えたのはそこだった。合理的に、しかも確実に殺そうという少女の意思が本能的に分かったからだ。だが、そんなことはお構いなしとばかりに少女は再び銃を構える。

「貴方を殺す理由がもう一つ増えたわね。個人情報保護の観点から今すぐ死んで」

「アンケート用紙並みかよ僕の命! って違う違う! 今日からここで世話になることになったんです。ビッグ・ママさんに夕飯だから呼んで来いって頼まれたんですよぅ!」

 息継ぎなしで一気に捲し立てる。よく噛まなかったもんだと自分を褒めてやりたかった。一方少女――マキナは銃口を外さないまま、その透き通った瞳に何も浮かべずに、

「……ふぅん……随分口の巧い強姦魔ね。詐欺師の才能もあるのかしら?」

「嘘じゃない嘘じゃない! エスって赤髪野郎に拾われたんですよ! あなたが一人目に拾われたマキナさんなんでしょ? 二人目がミゥってドMの女の子。で三人目が僕……」


 沈黙、そして睨み合い。……といってもマキナは、先程ベッドから起き上がった時からずっと人形のような無表情なのだが。最初に会った時のあの天使の微笑は、ひょっとして見間違いだったのではないかとさえ思えてくる。

「……二人目よ」

「へ? 何……?」

「私が二人目。ミゥが一番最初に拾われたの」

 セイフティをかける音に、今まで溜め込んでいた吐息がどっと流れ出た。と、リュカの全身から先ほど同様、あの嫌な汗が吹き出す。

「そう、もうそんな時間だったの……ちょっと熱中しすぎちゃったかしら。それにしても貴方……えっとお名前あるのかしら?」

「あるに決まってんだろ! 人間以下かよ僕は! ……リュカ。真締 龍河……です」

「そこの人。レディの部屋に勝手に、しかも土足で上がりこむのは失礼じゃないかしら?」

「名乗ったよね? 僕、名乗りましたよね? あ……その、悪いとは思ったんですけど、呻き声がするし……チャイムも壊れてたし……」

 するとマキナは、そう……と大して興味なさ気に呟いて、ヒタヒタと足音を立てながらリュカに近づいてくる。繰り返しになるが『全裸』で。

「まぁいいわ。他人に見られながらってのも中々赴き深かったし……それよりそこ退いてくださる? 身体中ベトベトだからシャワーを浴びたいの」

「あ、あのぅ……せ、せめて前くらい隠してくれませんか?」


 苗字のとおりクソ真面目な性格のリュカである。一糸まとわない少女が動きまわるのをマジマジと見るような趣味はない。ない……が、マキナの肉体は無視するのにはあまりに魅力的すぎた。

 同年代の少女よりも遥かに大きく、柔らかそうなバスト。マキナ自身は痩せ身だったがそこにだけ脂肪が集まったからではないかとさえ邪推したくなる。その証拠を示すように抱きしめたら折れそうな細い腰。ツンと上を向いた形の良いヒップ。スラリと伸びた長い脚、ハリのある肌。誰もが目を奪われる、奇跡的なまでの美しさだった。リュカが視界の端にチラチラと見てしまうのも致し方ないだろう。……だが、

「どうして隠さなきゃいけないの?」

「へ? ……あの? 今なんて……」

「別に見せて恥ずかしいような身体はしていないもの。あぁ、それとも何? 貴方もエスみたいにロリコン趣味なの? それともママみたいなホモセクシュアルなのかしら?」

 だがそれも全ては「5W1Hによるのだなぁ」ということをリュカは初めて理解した。マキナは雰囲気や空気虐殺者とでも言うべき少女のようであった。しかもスターリン級の。

「い、いや……そうじゃなくってですね……あぁ、もういいや……」

「そう、じゃあ早く退いてくれないかしら? 体質でね、濡れ易いもんだから終わったら一々シャワー浴びないといけないのよ」

「あーーーあーーーーあーーー聞こえなーーーい聞―こーえーなーーーいーーー」

 耳を塞ぎながらリュカは思った


『帰りたい、今すぐ平和な日本に帰りたい……』と。


 ………………

 …………

 ……


 それから十五分後。

 シャワーを浴び終えたマキナはドライヤーを片手に戻ってきた。もう何度目になるのか分からないが全裸で、どこも隠さず、堂々と胸を張って、である。一方リュカはといえば、へたり込んだその場から動けずにいた。決してマキナの裸をまた見たかったわけではない。

『……いや、少しもないのかって聞かれたらアレだけど……って! そうじゃなくって! こ、腰が抜けるってこんな感じなのかぁ……』

 初めて体験するその感覚に戸惑っている間、マキナは薄ピンクのショーツをゆっくりとたくし上げ、色を揃えたブラのホックを止めると、濡れていた髪を乾かし始めた。

「あら、まだいたの?」

 ドライヤーの音が鳴り止むと同時に、彼女はやっとリュカの存在を認識したらしかった。まさか馬鹿正直に理由を話せるわけもなく、リュカは沈黙で答えるしかない。

 そうこうしている内に彼女は白いシフォンブラウスの上にクリーム色のカーディガンを羽織り、ワインレッドのマーメイドラインのスカートを履き終わろうとしていた。胸元のリボンを直すその姿だけなら先ほど出会った時同様、清楚なお嬢様のように見えるのだが。

「あ、あの……ですね……。僕は……ですね。チンピラに絡まれて……」

 遂に沈黙に耐え切れなくなったリュカは、誰に言われたわけでもないのに、ここに至る経緯を話し始めていた。マキナはそれに「ふーん」とか「へぇ……」とか聞いているのかいないのか分からない、気の抜けた返事で返していたが、

「よし……っと。ってことは……えーっとそこの人、アナタもここに住むのかしら」

 前髪の上を兎の耳のように見える小さなリボンで飾ると、着替えを完了したらしい彼女はリュカに問いかける。

「リュカです。さっき名乗ったばっかじゃないですか。え? ああ、えとそーゆーことになりますね……」

「だったらこんな場合、自己紹介しておくべきなのよね? 私はマキナ、早乙女 真紀那(さおとめ まきな)。歳は十七。一年前、山だらけの場所からここに流されたの、よろしく」

『一つ年上だったのか……』とか『同じ日本人なんだ……』といった感想が頭に過るが、それ以上に印象的なことがあった。最初の発砲騒ぎから、今に至るまで彼女は「リュカを見ていない」のだ。それは視線が交わらないという意味ではない。事実、今も彼女の顔はこちらを向いてはいた。だがそれだけだ。そのガラス玉のように透き通った、大きな瞳にリュカの姿はない。


『あぁ……嫌われちゃったかなぁ……』


 無理も無いだろう。マキナが例え、他人より羞恥心の薄い人間だったとしても、先程の件はそうなるに十分すぎた。人に嫌われて良い気分になるような者がいたならば、それは相当の捻くれ者であり、リュカはそこまで歪んだ人間ではない。ましてや、それが可愛い女の子が相手なら尚更ヘコむというものである。

「よう、呼んできたか」

 そんな絶望的――腰が抜けたのを忘れる程に――な気持ちを抱きながら、二人で先程のダイニングルームへと戻る。するとソファに座ったまま赤髪の男が首だけこちらに向けて尋ねてきた。その顔を見た途端、リュカには珍しく八つ当たり気味な怒りが湧いてくる。

『そうだよ……大体元を正せばこいつが悪いんだ。この赤毛野郎がそういう大事なことを伝えておかないから……』

 一度そう思ってしまうと怒りはドンドン増していく。

「あ、アンタねぇ……」とリュカが続く非難の言葉を口にしようとした時だった。エスは鼻をひくひくと動かし、

「クンクン……。! ひゃっひゃっひゃ。よう|Mr・Jack Pot《大当たり野郎》!」

「? 何です?」

「いやぁ、まさかこうも予想通りだと笑いもこみ上げるってもんだぁな。どうだぁボウズ? 『いいもん』見れただろ? ひゃっひゃっひゃ」

 その言葉に即座にピーンと来る。この男は、まさか……。

「アンタ解ってて行かせやがったなぁぁぁぁぁぁぁ!」

「おかげで美味しい目に遭えただろうが。ひゃっひゃっひゃっひゃ。なぁに優しい優しいエス様からの入居祝いさ。今晩のオカズが出来たろう? ……あ、それとももう……」

「やってねぇ!」

 目の前でワッカにした触手を上下に動かすエスに、思いっきり怒鳴りつける。すると、

「貴方が抜こうが抜くまいが構わないけれど、少し声量が大きいわね。耳が痛いわ」

 まさか当の本人が前に出るとは思っていなかったので、思わず口を閉じるリュカ。……というか今、女の子が口にしてはいけない言葉が聞こえたのだが……。

「それはそうとしてエス。そういうことならきちんと伝えてくれないと困るわね。危うく私の部屋にイカ臭い死体が一体、転がるところだったわ」

「してねぇっつってんでしょうが! っつかやっぱりマジで殺す気だったんですか!」

「あらん、じゃあやっぱりさっきの銃声は……」

「銃って意外に難しいのね。次の時に備えて撃ち方を教えてくれるかしらママ?」

「しませんよ! 二度と!」


『疲れる……こいつらと話していると無性に疲れる……。年中無休フルパワーじゃないと会話にすら付いていけない……』


「さぁさ、全員揃ったし、ご飯にしましょ! 自己紹介は食べながらでも出来るし、ね?」

 ビッグ・ママが山盛りのパスタを、両手に抱えるほどの大きな皿に載せて持ってきた。場にミートソースの良い匂いが立ち込めると、途端にリュカの消化器官は雄叫びを上げる。この島に着いてからというもの、リュカは飴玉一つ喉に通していなかったのだ。

「あぁ、そうそう。ここに住むならルールは一つだけ。『ご飯は皆で食べる』それだけよん」


 そう言ってビッグ・ママは豪快に笑った。


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