表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(人気小説家)うさぎと(素人)かめ  作者: 花澤文化
エピローグ うさぎとかめの結末
8/8

エピローグ めでたしめでたし

 次の日の登校日。

 俺は通学路を歩きながら移動している。

 考えているのはもちろん昨日のことだった。兎塚に渾身の出来の作品を見てもらったところまではいい。結果を聞こうと思う前に兎塚は部室から走り去ってしまったのだ。

 面白い・・・とは言ってくれたし、ひどい出来ではなかったと思うのだが・・・。

 ドンっという衝撃が不意に俺を襲う。

 そこにいたのは兎塚だった。


「と、兎塚・・・」

「おはよ」


 そう言いながら俺の隣に並ぶ。

 部活以外では滅多に会わないし、会ったとしてもお互いなんだか意識してしまうため話したことはなかったのだが、珍しいことに今日は兎塚から声をかけてきた。

 そのためにタックルしてくるのはどうかと思うが・・・。

 不機嫌そうなところはいつも通りだが、なんだか眠たそうである。


「なんだ?寝不足か?」

「別に・・・関係な・・・・くもないのよね・・・」


 と、途中で小声になる。

 不機嫌そうでもあるし、死ぬほど眠そうではあるのだが、どこか満足げなその表情を見ていると、なんだかこっちまで何かを成し遂げた感じがしてくる。

 やはりなんらかの作業を夜遅くまでしていたのだろう。書籍化作家は大変だ。


「あの・・・さ・・・」

「ん?」

「今日も部活来るでしょ?」

「ああ、たぶん。変な用事がなかったら行くよ」


 たまに先生などに頼まれて授業の片づけだとか、実験室の掃除だとかを頼まれることの多いうちのクラス。それでも部活に出れないほど遅くなることはないだろう。


「ん。じゃあ・・・待ってるから。またね、亀戸」


 そう言って昨日と同じように走り去ってしまう。

 俺は昨日と同じように呆けることとなってしまった。もしかしたら他の人間では分からないかもしれない変化。今まで「あんた」とか「ねえ」だとかって呼ばれていた俺の名前をきちんとあいつは呼んだのだ。「待ってるから」というのもあいつらしくないが。


「・・・・・・」


 口元がにやけていないか確認する。

 兎塚のセリフ、あれが間違いなく昨日の答えなのだろう。俺は思わず嬉しさで飛び跳ねてしまう衝動を抑えつけ、授業が始まってもいないのに、はやく部活の時間にならないものか。そう思ってしまうのだった。

 一応のめでたし、めでたし。

これで一応の終わりになりますが、続きを書く可能性があります。もし何かしらでたまたま見かけた場合は「また始めたんだー」的な気持ちで見ていただけると嬉しいです。


短い話でしたが、読んでいただきありがとうございました。

また別の作品でお会いできれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ