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謎のおっさんオンライン  作者: 焼月 豕
第二部 おっさん荒野を駆ける
24/140

閑話・弟子と名声について

短めの解説回です。

おっさんと忍者がダラダラしながらシステム関連について話すだけの、特に動きの無い回なので閑話扱いになりました。

「ところで、ふと思い浮かんだんだが」


 ぽつりと呟く謎のおっさん。

 彼は釣り竿を持ち、湖畔に座って釣りをしていた。


「弟子が出来たのは良いが、俺に何かメリットはあるのか?」


 それに返事をするのは、彼の隣で魚を焼く少女。

 犬耳・尻尾に忍者装束のロリ巨乳。アナスタシアである。


「何人も弟子入りさせてから言う事じゃないと思うデスヨー。

 来る者拒まずも良いけど、相変わらずマスターは適当デース」


 おっさんは既に何人かの弟子を抱えていた。

 内訳はユウに鍛冶と魔法工学、ナナに格闘とアクロバット、アーニャに料理、目の前のアナスタシアに短剣、それから何故かレッドに銃。


「うっせうっせ。それより何かあるなら教えやがれ。魚やらねえぞ」

「横暴デース……まあいいですけどネ……」


 塩と香草で味付けし、串焼きにした魚が良い感じに焼ける。それにレモン汁を垂らし、かぶりつきながらアナスタシアが解説を始めた。


「一番わかりやすい所だと、名声値の上昇ネー」

「名声値……なんだそれは」

「Oh……とてもランカーとは思えない発言デース」


 咀嚼した魚肉を飲み込み、コホンと咳払いした後、アナスタシアは先に名声値について解説することにした。


「名声値というのは、クエストを達成したり、ボスモンスターの討伐、ダンジョンのクリアや未踏破エリアの開拓、ハイクオリティなアイテムの生産などの偉業を達成する事で貯まるポイントの事ネー」

「ほう。そんな物があったのか」

「Alignmentってウィンドウに書いてありますヨー」

「アライメント……整列、あるいは比較か?」

「RPGやTRPGでは性質や性格、価値観を表す用語として使われてマース」


 おっさんはアナスタシアに言われた通り、【アライメント】と書かれたウィンドウを呼び出し、表示させた。その内容は以下の通りである。


――――――――――――――――――――――――――――――

 属性 真なる中立


 名声値 17400(1位)

 悪名値 2480(78位)


 【解説】

 善悪に囚われず、己の価値観にのみ従う無頼漢。

 その能力と成し遂げた偉業による高い名声を持つ。

 反面、奇妙で突飛な行動による悪名もそれなりに高い。


 【NPCからの評価・評判】

 凄腕だが変人、傍迷惑な天才、とりあえず関わらなければ無害

――――――――――――――――――――――――――――――


「属性や名声、悪名がNPC達のプレイヤーに対する印象・反応の基準になる訳デスネー。それと、名声値やそのランキングが高いと、定期的に特殊な報酬が貰えたり、色々と特典があるみたいデスヨー。

 逆に悪名値は、PKとかの犯罪行為とか、人前で変な行動を取ると上がりやすいみたいデス。悪名が高くなると犯罪者扱いになるから注意が必要デスけど、逆に悪人NPCから好かれたり、犯罪者専用のクエストが受けられたり、犯罪者専用のエリアに入れたりもするらしいデース」


「なるほどな」


 おっさんは頷きながらウィンドウを閉じた。

 知らぬ間に1位になっていたが、おっさんにとって他人の評価などどうでも良い事だった。特に気にする事もなく、おっさんは再び釣りへと没頭する。


「で、弟子を育てるとその名声値が上がると」

「正確には、弟子が教わったスキルを使って偉業……戦闘スキルならボスの討伐、生産スキルなら神器とかオリジナル武器の製作……を成し遂げた時に、それを教えた師匠にも一定の名声値が入る感じになりますネー」

「成る程ね……高い名声を得たけりゃ、優秀な弟子を育てるのも一つの手って訳かい」

「デスネー……とは言っても手間がかかるので、単に名声稼ぎたいだけなら自分の冒険や生産に集中したほうが効率いいとは思いますけどネー」


 アナスタシアの言葉に、おっさんはほう……と呟いた。


「って事は、何か他にも弟子を作る事の利点はある訳かい」

「単純に人脈が広がるのもありますケド……他にもあるっぽいデース。

 実装したばかりだから、まだまだ調査が必要ですけどネー」


 そうかい、と生返事を返して、おっさんは竿を引く。大物の気配だ。

 ロブスターが釣れた。湖だというのに何故だ。解せぬ。

 だがおっさんは気にせずにロブスターをガーリックバター焼きにした。


「けどマスター、結局メリットなんか無くても頼まれたら受け入れますよネ?名声値の事も今まで気にしてなかったみたいですし、聞いた意味あったノ?」


 香ばしく焼けていく海老を見てよだれを垂らしながら、アナスタシアがふと浮かんだ疑問を口に出した。それに対して、おっさんはあっさりと答える。


「いいや……別に無ぇな。只の暇潰しだ」

「だと思いましたヨー」

「拗ねんなよ。情報料がわりにその海老、半分食っていいからよ」


 おっさんがアナスタシアの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 くすぐったそうにしながら、よく引き締まった海老の食感と甘みを堪能するアナスタシアだった。




「てめえ誰が全部食っていいって言った!」

「Ouch!」


 その後、つい勢いに任せて一匹丸ごと平らげ、湖に放り投げられた。

アナ公は便利ですね。割と色々知ってるので解説役向きですわ。口調がちょっと難しいですが。


弟子を取る事による師匠側のメリットが気になるといった感想が幾つかありましたので、その回答も兼ねてシステム紹介回。

これが全部ではないですが、師匠側のメリットとしては弟子の活躍により名声を得られたり、単純に人脈が広がる事、有望な新人を自分の所属する勢力・ギルドに引き込める事などがありますね。


アライメントに関しては完全にメ○テン風な感じで、善悪と秩序/混沌にそれぞれ分けられております。おっさんはどっちも中立。


海老については、やっべー海老食いてえわーという私の願望により何故か湖でロブスターが釣れてしまいました。

細かい原理は知らぬ!きっとあれだよ、淡水ロブスターとかいう新種(何

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