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HEAVY TRIGGGER  作者: salfare
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インターバルとなるショートエピソードです。

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 笠茅鉄平(かさがやてっぺい)は唖然としていた。

 霧ヶ丘高校の新入生対抗のデュエルは既に六回戦になっていた。笠茅の相手はイギリスから来たというアラン・エニス。その気弱そうな顔を見たときから斧使いの笠茅は自分の勝利を信じて疑わなかった。


しかし、現に今彼はもう指一本動かせない状態に居た。


アランの使用する主兵装はRT-78というハンドガン一つ。装填数が多く反動が少ない代わりに、威力が劇的に低いことからイギリス警察への支給が取りやめられた欠陥品だ。しかし、アランはそれで笠茅を圧倒した。理由は簡単だ。彼の武器は主兵装である銃ではない。彼の本当の武器は副兵装。グレネード、スモークグレネード、拡散式レーザーグレネードなどの投擲爆破兵器。C4、クレイモア、レーザー機雷などの設置爆弾。そしてワイヤーやブレードレーザーのような待ち伏せ型の兵器。あらゆるタイプの爆弾(ボム)(トラップ)を持ち、それを華麗に組み合わせる。それこそがアランの力なのだ。事実、スピードとパワーの両面においてかなりの自信を持っていた笠茅はわずか180秒のうちにその動きを完璧に封じられてしまった。足を少しでもずらせば機雷に吹き飛ばされ、腕を少しでも持ち上げればレーザーに切断される。首の後ろにはレーザー機雷の冷たい感覚が感じられるにもかかわらず、頬には今も少しだけワイヤーが食い込み、一筋の赤い液体涙のように伝っていた。

「・・・あの、」

一滴の汗さえ命を断ちかねない茨の檻の緊張の外から、アランのおっとりとした声が聞こえた。

「ぼく、安全に気絶させる武器は持ち合わせていないから、悪いんだけどギブアップしてくれないかな?」

嘲るでも無く、ただ純粋に、困ったように頼んでくるアランに、ついに笠茅の精神はその限界に達した。


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