妖精の告白
妖精ロンの出会いが裏切りに思える展開となる。が、次第になみとロンの間の溝は、無くなっていく。
なみは、過去の記憶から恋が芽生えていく。
眩い光。それは、昨日の光と同じ光だった。
光の中からあの妖精が現れた。
「やぁ、なみ!」
妖精ロンは、何もなかったかの様に声をかけてきた。
なみは、ロンに攻めいる様に問い詰める。
なみ「ロン!あなたと契約した私は、恋する事が出来ないの?私…人を好きになれないの?」
「私は、どうなるの?どうしたらいいの?」
と、言うとなみは、ロンに手紙を見せた。
ロン「なみ!落ち着いて!」
「これから話す事をよく聞いて」
ロン「おいらの世界は、ちゃんと『恋愛する為の女学院』は、この世界とは違うもうひとつの世界に存在していた」
ロン「感情のエネルギーが次第に増加して負の因子が拡大し、その世界事態崩壊しようとしている」
ロン「感情の大きな正の因子があれば、崩壊しない」
なみは、泣きながら言う。
なみ「私、あなたと契約したのが間違いだった」
なみ「あなたの言っている意味がよくわからない」
ロン「今は、意味が判らなくていいから、助け欲しい」
なみ「助けて欲しいのは、私よ!」
ロン「みんな助かる方法がひとつだけ方法がある。危険かもしれないが、これしかない。それは…」
ロン「なみ!おいらの恋人になってくれ!」
なみ「えっ!そんな事出来ない」
なみ「あなたの事を私は何も知らない。無理よ!」
ロン「……おいらは、なみの心の中から生まれた存在で実体がない。消える事は簡単にできる。おいらが無くなれば、なみ自体無くなるかもしれない」
ロン「なみ!おいらは、『なみの中の心』そのものなんだよ」
なみ「私の心。私の中から生まれた?」
ロン「つまり、おいらとなみは、一番のパートナーなんだよ」
なみ「わかったわ。そうするしかないんだよね。」
なみ「でも、あなたは、妖精、私、ロンの事本当に好きになれるかしら」
大きな眩い光が現れた。今までとは違う温かな優しい光。
なみ「何?これ?」
なみは、宙に浮いた。
そして、なみは、しっかり両手で優しく受け止められていた。
温かい優しい、懐かしい感触がした。
…幼い頃のなみの思い出…
何だろう。夢の中にいる様な、懐かしい感じがする。
あれは、私がまだ、幼少だった頃、母親に連れられ、公園で散歩中の出来事だった。
公園で私は、ジャンルジムで遊んでいた。あの幼なじみのえりかと一緒に遊んでいた。
妹のゆうは、まだ幼く母親の胸の中で抱かれていた。
ゆうが急に体調を崩したので、私とえりかを公園に残し、病院へ連れて行く事になった。
私の母がいなくなった頃の出来事だった。
えりかがジャンルジムの下にいた。
私は、高い所から母の姿を見たかったのでジャンルジムの天辺に登ろうとしていた。
えりか「なみちゃん!危ないよ!」
と声がした。
と、その時、私は、
なみ「大丈夫だから…」
「きゃっ!!」
足を踏み外し、ジャンルジムから落ちた。
えりかは、目を塞ぐ。
眩い光が現れた。私は、抱かれている感触があった。
それは、温かな優しい光だった。
なみは、そっと地面に降りた。
なみ「えりかちゃん。私は、大丈夫だよ」
えりか「わぁー!」と驚いた形相で私を見る。
えりかが泣き出した。
私もえりかと一緒に抱き合い泣いた。
なみ「あの時の感じと同じ感じがする」
この光は、この時と同じ感触。
嬉しい。嬉しくてたまらない。
なみは、そう思った。
なみ「あの幼少の時、助けてくれたのは、あなた…ロンだったのね。」
私は、本当に嬉しかった。
光が消えるとそこには、妖精でない、私よりも背の高いロンの姿があった。
なみ「ロン?あなたロンなの?」
ロンは、頷いた。
なみはロンに抱きついた。
なみ「ありがとう。ロン!」
しばらく時間が過ぎた。
ロンの服装は、妖精の時と同じただ羽のない派手な服装だった。
なみ「あっ!ちょっと、その服装目立ち過ぎ!!」
なみは、ロンの手を取り学校の更衣室の人が来ない場所にロンの身を隠した。
なみ「ロン。ちょっと待ってて!服探して来るから。」
ロン「なみ!ありがとう。」
パートナーとなったなみとロン。
この先どんな苦難が待ち受けているのか。
次回をお楽しみに




