衝突、そして、新たなる道のり
なみは、学校に着くとリオンが付いて来ていた。
リオンとなみのちょっとしたトラブルから学校を早退する事になる。
その帰り道に襲撃を受ける。
そしてなみが倒れてしまう。
学校に着いた なみ達は、息を切らせ、教室に駆け上がる。
何とか間に合った。
ここは、なみの教室。
ホームルーム開始の鐘が鳴ると教室にいた、生徒達が一斉に席に着く。
担任の先生が、教室に入って来る。
学級委員長が
「規律!」全員が立つ「礼」「おはようございます。」
と言うと、クラスメイト全員が
『おはようございます。』と、朝の挨拶をする。
委員長「着席!」
『がたがた』とみんな着席する。
なみは、机の上を見ると、机の上の片隅でリオンがちょこんと座っている。
なみは、小声で
「リオン…ちゃん?」
リオン「着いて来ちゃった」
周りを見渡すなみは、クラスメイトが、リオンの姿に気付いてない事が、不思議に思える。
なみ「本当に、見えてないんだ!」
リオン「そうだよ。」
なみ「何か、嘘みたい。」
先生が、なみの方を見た。
先生「そこ、静かにしなさい!!」
なみは、先生に注意を受けた。
なみ「すみませんでした」
なみは、立って一礼する。
リオン「あいつ、嫌いだ!」
なみ「違うの!私が悪いの!今は、授業中だから、先生の話を聞かなきゃダメなの!」
なみ「わかって!リオンちゃん!」
リオン「な…みがそう言うなら、…判ったよ。」
ホームルームが終わる。
なみと、リオンは、人気のない校庭の隅に行く。
なみ「ごめんね、リオンちゃん」
なみ「学校の事、初めてじゃあ、理解出来ないのも、よく判るよ」
リオン「リオンが、付いて来ちゃったからいけないんだよね」
なみ「そう言う意味じゃないんだよ」
なみ「今日は、先生に言って早退するからね」
リオン「何で?なみは、学校嫌いなの?」
なみ「そうじゃないけど、今日は、リオンと一緒にいたいから、早退するのよ」
リオン「ありがと。私のために、ごめんね」
なみは、適当に理由を付けて早退することにした。
帰宅途中、とんでもない事が起こるが、誰もそれを予測する事が出来なかった。
なみ「リオンちゃん、帰ろうか!」
リオン「うん」
学校を出ると、すぐに、『負の因子』を持つ(恋に落ちその恋が破れ、悲しみの中に渦巻く)人々<【彼ら】と言う>が、なみとリオンを襲ってきたのだ。
なみ「あのね…」
リオン「…なみ、私たち、跡を付けられてる!!」
なみ「えっ 何? 何が起こったの?」
リオン「なみ、走って!」
なみは、勢いよく走りだした。
商店街を抜けた所で、【彼ら】に先回りされてしまった。
リオン「こうなったら、やっつけちゃうしかないねっ」
リオンは、攻撃体制に入る。
リオンは、上空に舞うと【彼ら】に向けて、一気に攻撃を仕掛ける。
なみ「リオンちゃん!止めて!」
と叫ぶ、そして、【彼ら】をかばう様に、リオンの攻撃を一身に受ける。
なみ「うっ!!」
リオン「何で!?どうして?かばうの?」
リオンは、泣きそうな顔をしている。
なみ「優…斗、助け…て!」
そこへ、優斗が現れた。
優斗「ごめん。遅くなった。」
優斗は、なみを抱きしめる。
そして、優斗となみの思いが一つになった。
そして、あのデートした日の夜に起こった時と同じ、『青き光』が辺り一面に広がった。
優しい光、【彼ら】は、その光を浴びると、何も無かった様に、町の中に消えて行く。
リオン「なみ!なみ!ごめんね!!」
と、言って、大泣きする。
なみ「リオンちゃん、私たちの思い、判ってね。」
なみは、そう言うと意識を失った。
優斗は、なみを家に連れて帰り、ベッドに寝かせた。
優斗「なみ…もっと早く、気付いていれば、こんな事には…ならなかったのに」
リオン「なみ…なみ…目を覚まして!」
そして、知らせを聞いたゆうが、急いで帰ってきた。
ゆう「お姉ちゃん!お姉ちゃん!何で無理するの!」
ゆうは、泣き始めた。
そして、リオンも、また、泣き始めた。
優斗「なみは、大丈夫だ。」
優斗「今は、疲れて眠っているだけだ。」
優斗「ゆうちゃんも、リオンも、もう、泣かなくていい。」
リオン「ロン(優斗)!それ!本当!」
ゆう「優斗さん、お姉ちゃんをお願いします。」
優斗「ああ…大丈夫だ」
優斗「二人とも、なみの側に付いててあげて…」
そう言い残すと、優斗は、部屋から出て行こうとする。
ゆう「待って、優斗さん、どこに行くの?」
優斗「今は、詳しくは、言えないけど、もう、そんなに時間がない!」
優斗「強い憎しみや悲しみが一つの塊になろうとしている」
優斗「そうなったら、たとえ『青き力』でも及ばない」
優斗「そうなる前に…」
ゆう「優斗さん!今は、ダメ!」
ゆう「優斗さんがいなくなると、お姉ちゃんは、どうなるの?」
ゆう「今は、動かないで!」
リオン「ゆうちゃんの言う通りだよ!」
優斗「ああ…」
ゆう「今は、優斗さん、あなたが、お姉ちゃんの側にいてあげて!」
リオン「悔しいけど…今は、ロン(優斗)が側にいるのがいい!」
優斗「すまない!ゆうちゃんも、リオンも…」
優斗「今日は、なみの側にずっといるよ」
ゆう「行こ!リオンちゃん」
そう、言い残すと、ゆうとリオンは、部屋から出ていった。
優斗は、なみの手を握る。
優斗「なみ、すまない!」
優斗「俺が、もっと、しっかりしていれば、こんな事には、ならなかった!」
そして、優斗は、ずっと、なみの側から離れなかった。
優斗は、いつしか、眠りに付いていた。
次の日の朝早く、なみは、目覚めた。
なみ「優斗、起きて!」
優斗「ううぅーん…」
優斗が目を覚ました。
優斗「なみ、大丈夫か?」
なみ「もう、大丈夫だよ」
優斗「俺が、もっと、しっかりしていれば、こんな事には、ならなかった。」
なみ「ううん、私も、悪いの!」
なみ「私が、優斗から離れたから、いけないの」
なみは、起きようとする。
それを優斗が手助けする。
優斗「今は、無理しちゃダメだ」
優斗「何か欲しい物、ある?」
なみ「お水が、欲しい」
なみ「喉が乾いちゃった」
優斗「判った、持ってくるね」
と、言うと、なみの部屋の扉を開けた。
すると、扉の向こう側に、ゆうと、ゆうの手のひらにリオンがいた。
優斗「ゆうちゃん、リオンも、起きて!」
ゆう「あっ…おはよう、優斗さん。」
リオンは、まだ、寝ている。
ゆう「リオンちゃんは、凄くお姉ちゃんの事を気にしていて…」
ゆう「殆ど寝てないから、そっと、しててあげて!」
優斗「判った。」
優斗「なみが、目覚めた。」
優斗「なみの側に行って欲しい。」
ゆう「優斗さん、ありがとう」
優斗「なみが、水を欲しがっているので、持ってくる」
ゆう「ううん、私が持ってくるのでリオンちゃんをお願い」
優斗は、ゆうから、リオンを受け取る。
ゆう「すぐ、来るから待ってて!」
優斗「判った」
そして、ゆうは、階段を掛け降りる。
再び、優斗は、なみの部屋に戻る。
優斗「なみ、リオンを頼む」
なみは、リオンを受け取る。
優斗「リオンが、なみの事を一番心配している」
なみは、リオンを両手で持ち、
なみ「リオンちゃん、ごめんね」
と言う。
すると、なみとリオンが反応している。
温かい光、青でも無く、白でもない。
リオンが目覚める。
リオン「おはよう、なみ。」
リオン「あれっ?私、私、凄い!凄いよ、なみ!」
なみ「えっ?どうしたの?」
リオン「『力』がどんどん湧いてくる」
リオン「優しい『力』!」
リオン「なみと同じ様な力だよ」
暫くして、リオンは、思い出した様に
リオン「…なみ!私…」
リオン「ごめんなさい。」
と言い、泣き出した。
なみ「もう、いいんだよ、リオンちゃん」
なみ「リオンちゃん、私は、誰もが幸せになって欲しい…」
なみ「それだけなんだ…」
リオン「うん、なみから私は、『力』を貰った」
リオン「なみの気持ちが良く判る」
リオン「有難う、なみ!」
ゆうが水を持って戻ってきた。
なみ「ゆう、有難う。」
ゆう「リオンちゃん、大丈夫?」
リオン「大丈夫だよ!」
リオン「ゆうちゃん、私、なみから『力』貰ったんだよ」
優斗「リオンも凄いな!」
優斗「なみ、病み上がりで悪いが…」
優斗「なみも、リオンも、ゆうちゃんも聞いて欲しい」
優斗「前に、ゆうちゃんとリオンには、話したが、もう、時間がない!」
優斗「恋に破れた人々の強い憎しみや悲しみが、一つの塊になろうとしている」
優斗「塊になると、実体化して世界中、全てか滅亡してしまう」
優斗「そうなる前に、何とかしないと…」
リオン「何とかって…」
リオン「作戦とか…あるの?」
優斗「悪いが…、今は、無い」
なみ「どうするの?」
優斗「どうすればいいのか、色々調べたい」
優斗「みんな、協力して欲しい」
リオン「ロン(優斗)詳しい事を教えて?」
なみ「私に出来る事は、協力するよ」
ゆう「私も手伝う。仲間に入れてね」
優斗「みんな、有難う。」
優斗「みんなを、危険に曝(さら)す事になるんだよ」
リオン「世界が滅びたら終わりでしょ?」
なみ「そんなの、みんな、判ってる!」
優斗「よし!行こう」
優斗、なみ、ゆう、リオンは、一緒に戦う決意をした。
お互いの意識が今、一つになった。
世界が滅びる前に、世界を助ける事が出来るのか。
物語は、中盤です。
次回も「キスからはじめる偽りの恋 ライトノベル」をお楽しみに!