妖精リオンちゃん登場
愉快な妖精ちゃんが登場します。
ただ、優斗は、どうも妖精ちゃんが苦手な様です。
次の日の朝、
「ガタガタ、コトコト」
なみは、妙な物音で目が覚める。
なみ「ゴキブリ!?」
殺虫剤を持って来るとなみの机付近の音のする方向へ「シュッ」と吹きかける。
どこからか声が聞こえる。少女の声がした。
「ゴホン!ゴホン!」
「何するのよー!」
なみ「えっ、何、何なの?」
すると、「ブーン」と音がして少女の妖精が現れた。
なみ「妖精さん?」
妖精は、「あれっ、驚かないの?」
なみ「うん。だってここにも元、妖精さんがいるから」
寝ている優斗の方を指差す。
妖精「ふーん、なるほどねぇ」
妖精「私は、リオンだよ。妖精のリオンちゃんだよ」
なみ「私は、なみ、よろしくね」
リオン「きのうね。青いきれいな光がいっぱい出てたでしょ」
リオン「それでね、光の後を追ってて気が付いたら、ここに来ちゃった」
なみ「リオンちゃん。かわいい!」
リオン「なみちゃんだってかわいいよー」
リオンは、なみの胸に着けたネックレスを見つけると、
リオン「なみちゃん、ネックレス見せて!」
リオン「うーん、こんなんじゃいや!」
なみ「いやってどういう事」
リオン「こんなんじゃ、一回で壊れちゃう」
リオン「リオンが何度でも使えて、壊れないように直してあげる」
リオン「なみちゃん、ネックレス持ってて!」
なみは、両手でネックレスを持つ。
なみ「これでいい?」
リオン「いいよ。じゃ始めるよ」
リオンは、飛びながらくるくる回る。
そして、「えい!それっ!」
きらきらした、光がネックレスに次から次へと降りかかる。
リオン「もっと、もっと…えい!それっ!」
ネックレスの輝きがどんどん増していく。
リオンが軽く一回転して、
リオン「はい、終わり。リオンちゃんの保障付きだよ。絶対壊れないんだからー」
光は、ネックレスに吸収された。
ネックレスは、前にも増して輝きが出ていた。
なみ「リオンちゃんありがとう」
なみ「リオンちゃんお友達になりましょ」
リオン「そーれっ…それって、私から言いたかった」
なみとリオンは、とても楽しい出会いだった。
そして、
優斗が目を覚ました。
優斗「朝からうるさいなー」
なみ「優斗、おはよう」
優斗「なみ、おは…よ…う」
優斗「お前は、リオン?」
リオン「お前って…言うな!」
リオンは、優斗に突進した。
優斗「痛っ。なにするんだ!」
リオン「リオンは、リオンちゃんだもーん。お前じゃないもーん」
優斗は、ため息をつく。
優斗「何でおま…リオンがここにいるんだ?」
リオン「リオンって、呼び捨てにするなー!」
リオン「ここにいるからいるんだよー!」
優斗は、また、ため息をつく。
なみ「優斗、リオンちゃんをいじめちゃダメだよ」
なみ「ネックレスも何度も使えて、壊れないようにしてくれたんだから」
優斗「……ああ……」
リオン「なみは、私を呼ぶとき、リオンでいいよ」
なみ「じゃ私も、なみでいいよ」
なみ「私たち、お友達だもんね」
リオン「うん」
リオンは、楽しそうに空をくるくる回る。
優斗は心の中でつぶやく。
「やっかいなのが来たなー」……つづく
リオンとなみのコンビが、これから遭遇する困難と、どう戦って行くのか。
優斗となみは、この先上手くやっていけるのか?
次回をおたのしみに!!