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ダンシングソード

ダンシングソード ~踊るプリンと建国記3~

 みなさんはご存知だろうか? モンスターには人間のように“意識”を持つものがいることを。ここに、一匹の大型モンスターがいる。このモンスターもまた、意識を持つ数少ないモンスターの一匹である。そう、大型モンスターで唯一レベル1評価を受けている、異例のモンスター、『プリンプリン』である。

 普通、大型モンスターというだけで、レベル15以上が確定するのだが、このプリンプリンだけは例外である。このプリンプリンというモンスター、体長は優に60メートルを超える。大型モンスターの中でも特に巨大な部類に属する、黄色いスライムの様なモンスターである。人間の言葉をしゃべることは無いが、人間の言語による意識を持つ、珍しいモンスターである。

今日は特別に、そんなプリンプリンの意識を覗いて見ようと思う。


――――――――――――――――――――――――


~プリンプリンのとある1日~

【※これより以下の文章中、()内の文章はプリンプリンの意識となっています。読みにくかったらごめんなさい】






「いやー、オシリプリン王国を建国してから、はや1年。ようやく国らしくなってきたなぁ。人口も増えたし」

「プルプルプリン♪」

(人口30人……村じゃねぇかぁ!! 国なんてまだまだ程遠いぞ)

※この世界では1000人以上の人がいないと国として認められません。



「すいません。この国の王様に用があるのですが」

「はい。王は私ですけど。どなたですか?」

「プルプルプリン♪」

(なんだ? 見知らぬハゲたおっさんがやってきたぞ? 訪問者なんて珍しい……)



「私、モンスターを研究している“マサイ”という者です」

「えぇ~!! あの有名な“マサイ”さんですか!?」

「プルプルプリン♪」

(~マサイの前では、どんなモンスターも丸裸~ という言葉を聞いたことがある。何でこんな有名人がこんな辺鄙な国に?)



「実は、このプリンプリンの研究をしたいのですが、許可をいただけますか?」

「も、もちろん! どうぞ、お好きなだけ研究してください。食べるとすごくおいしいですよ」

「プルプルプリン♪」

(まさか、俺が目的!? いやん!! 私、丸裸にされちゃう~)

※誰もあなたの裸など見たくありません。というか、あなたは常に裸です。



「ありがとうございます。これは謝礼です。お納めください」

「はぁ……。ありがとうございます」

(お! 金が貰えるのか? いくらだ、いくら貰ったんだ? 俺に腕時計買ってくれよ)

※プリンプリンには腕がありません。腕時計は装着できません。



「では、今日は失礼します。また後日、研究しに来ますのでよろしくお願いします」

「わかりました。お気をつけて! ……さてと、いったいいくらくれたのだろう? ん? これは小切手だな……えーっと、一、十、百、千、万……」

「プルプルプリン♪」

(十万、百万、千万、一億、十億、百億、千億、一兆……う、うそだろ!!! どんだけ金持ちなんだよ! ひゃほーい!! これで大金持ちだぜ。オシリス、俺にポルシェ買ってくれよ!)



この日、オシリプリン王国は膨大な資産を手に入れた。


――-続く?




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