第二話 ~それぞれの出会い《リョーマ編》~
~竜真サイド~
何故か後ろに現れたブラックホール(違うかもしれないけど)に吸い込まれた僕(等)は、少しの浮遊感を感じた後に地面に辿りついた。
……お尻から転んじゃったけど……
ま、まぁ…それは置いといて……
目を開けてみると、豪華で綺麗な鎧を着込んだ所謂騎士と呼ばれてそうな人達や、杖を手に持ちローブを着た、あぁ、魔法使いってこんな格好してんだろな…という人達が、溢れかえっていた。
…………え?なに?撮影かなんか?
隣を見ると、惚けてるような蓮の姿が目に入った。
………蓮が惚けてるって初めて見た……
二人で惚けてると、水色の髪に、褐色の瞳を持った少女が話しかけて来た。
「gshffhske…bsowvvzjtsmusjxwizktxq?」
………うん。全然わかんない。
とりあえず……日本語はわかんのかな?
「え~っと……ここは?」
頼む‼通じてくれ‼
僕の言葉に暫く何かを考えていた彼女は、
「isfjtjkdwbodniajxirbktfifvjrhk」
と近くにいた鎧のオッサンに指示を出し、指示を出されたオッサンはどっかに行ってしまった。
あれ、お~い?返事は~?
暫くオッサンを待ってると、オッサンは綺麗な箱を持って来、彼女に渡す。
彼女はその箱からネックレスとピアスを取り出すと、その二つを僕に渡して来た。
「gziskdtwhotoouhezkgyoigyxygkkyfd」
え~っと……付けろってことかな?
とりあえず、付けてみる。変な顔をされなかったから、おそらくこれで合ってるんだろう。
すると、
「あのう…声、ちゃんと通じてますか?」
うわっ!ビックリした!え、え~っと…しゃべれたのかな?日本語。
「あ、はい。ちゃんと通じてます。と、とりあえず聞きたいことが沢山あるんですが…」
「は、はい。え~っと…今から説明しようと思うのですが…そ、その…この方は?」
あ、やべ、蓮のことすっかり忘れてた。
「あ、あいつは俺の友人で、辻村 蓮。そんで、俺は小野寺 竜真。よろしくね?」(ニコッ
すると途端に真っ赤になって、(急にどうしたんだろう…)
「は、はい。わ、私はレティフェレス・フォン・グラーバといいましゅ…ッ! ///は、はわ…と、とにかく、こちらこそ宜しくお願いしますっ‼」
あ、噛んだw
「ところで、リョーマ様と、え、えぇと…レン様でしたっけ。あ、下の名前で呼んだ方が良いでしょうか?」
「? あ、あぁ。そういう事か。とりあえず、俺等の方では名前が後になるんだ。だから、そのまま呼んで頂戴?俺も名前で呼ばれた方が良いし。」
そう言った途端急に機嫌が良くなった(何故?)レティフェレスさんに説明してもらう。
「そうでしたら、私のことはレティとお呼び下さい。それでは、説明させていただきます。まず、この世界ですが、名前を《メノーラ》と言い、リョーマ様方の住んでおられた世界とは別の世界です。
いままでは平和だったのですが、先日、死の山脈のさらに向こう、魔国で魔王が復活してしまい、我々の力だけではどうしようもなかったので、古い文献に載っていた魔法を使い伝説の勇者様にお力を貸していただきたく召喚しました。誠に勝手な都合で呼び出してしまい、申し訳ありません。」
「いや、大丈夫。でも、本当に俺でいいの?俺、なんの力も無いんだけど?」
「その点は問題ありません。勇者様は必ず強力な力をやどしているそうです。後で『覚醒の泉』という場所にいくので、そこで目覚めると思います。ですが…その…勇者様が二人というのが前代未聞でして…」
「なるほど。大体わかった。それは後で泉に行けばわかると思う。じゃあ、さっき渡してくれたネックレスとピアスは?」
「それは魔法具と言い、身に付けたら誰とでも会話ができるという効果があります。魔法については追い追い説明させていただきます。ところで…その内容をもう一人の方に説明していただいてよろしいでしょうか?」
そうだった。蓮もいたんだった。
大体蓮に説明し終えて、蓮は、
「こんな二度手間せずに、そのレティさんが魔法具を身に付ければよかったんじゃないか?」
の一言だった…
それをレティに伝えると、
「あっ…………………………」
……今気付いたようだ…
魔法具をレティに渡し、レティにもう少し説明してもらう。
曰く、蓮用の魔法具は大至急商人から取り寄せることや、その他諸々……
「そういえば、ちゃんと元の世界には帰れるんだよな?」
「も、目下奮闘中です……」
というやりとりも行われ、帰れるか不安になったりしたけど……
「も、もうそろそろ国王様に会っていただきたいのですが……」
レティのそんな一言で、もうすぐ国王様とご対面だ。
緊張するけど…勇者の使命もあるし、しっかりしないとな!