2話
俺は、小学生の頃、ドちびだった。
小学六年生にして、身長
130cm。
水泳は幼稚園から続けていたため、筋肉質で
体重だけは並にあった。
いやぁ。あの頃は、よく女子共にいじられたものだったな。
あの頃は身長を伸ばしたくて毎日2リットルの牛乳を欠かさず飲んでたしなぁ。
中学一年生になってから急激に身長が伸びて、今じゃこの身長。
別に、俺自身はこの身長で満足している。
が、この身長がコンプレックスの理由・・・。
散々俺を、ちびだの、ネズミだの、小坊主だの言っていじってきた女子が
いきなり。
「実は・・・佐山くんの事が好きです!付き合ってくれませんか?」
・・・・はい?
ていうか、君は・・・。
そう。身長が175cmに達して、クラスで少し目立ち始めた頃、今までからかわれていた女子から告白されたのだった。
「え・・・と?」
思わず声に出してしまった俺。
いや!どういうことなのかこれは!
告白されたのなんか初めで、しかも相手がえぇ!?
「ご・・・・ごめん」
あの時、俺は断った。
告白されたのは嬉しかったけど、ちょっと見た目が変わると、こうなるものなのか。と、思ってしまったからだ。
実際、からかわれていた事も当時の俺は、かなり気にしていたし。
それから、二年生になるまで何回か告白されたが、全部断っていた。
関係無い女子も、なんとなくトラウマで
付き合うなんて、考えられなかった。
それ以来、この身長と、女子コンプレックスになってしまった。
「だから俺、別にどうでもいいんだよな」
「は?佐山、何か言った?」
「いや。なんでもねぇよ」
「そ。じゃあ、俺先行ってるぜ!」
中島が小走りでクラス表に向かって走る。
本当は、それだけが理由じゃなかったりするんだけどな・・・・っ