表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

12話

------ガラッ

教室に入り、自分の席に着くと、田中が既に座っていた。

「おはよ、田中」

「おう。佐山じゃん。あれ?中島は?」

「中島?あいつは、一年生を軟派してるよ」

「はぁ?」

田中は吹き出してしまった。

「あの、野球部の周りの集団で軟派してるの?」

田中は、窓の下を見下ろしながら言う。

この席からは、野球部が練習している場所を真上から見ることができる。

「あぁ、一年生の女子がな、ちぐに惚れちまってな・・・」

「ちぐって、一ノ瀬?惚れるって、一ノ瀬女じゃんかよ」

「いや、本当に。一ノ瀬先輩格好いい!!とか言われてたよ?ご愁傷様だよ・・・ちぐ」

「ははっ。けど、あいつは男子にもモテるからなぁ」

そうなのだ。ちぐは、男子にもちゃんとモテている。

まさか、女子だけにモテるなんて事は無い。

短い黒髪。丸い形をしているが、鋭さを感じさせるような瞳。

細身の体は、引き締まっていて日焼けしている。

外見は、特別可愛いという訳では無いが、女子なのに野球部。しかもレギュラー。

ちぐに助けられた経験がある者も多く、時折見せる優しさと、普段はクールだが時々見せる笑顔が最高・・・なのだそうだ。

ま、俺の前では普通に笑うし、たくさん話すけども。

そんな所が人気の種なんだそうだ。

ちぐの事を好きな男子のたいがいが、告白が出来ずに怖じけずいている。

勇気ある奴らは、告白して・・・振られているらしい。

「ごめんね」

の、一言で断られると

振られた経験有の奴が言っていた気がする。

「田中も好きなのか?ちぐの事」

「いや。俺は違う」

「へぇ?誰だよ。応援してやるからよ」

「そ、そうか?誰にも言うなよ・・・」

「おう!」

「三戸さん・・・」

「みと?誰だそりゃ」

「うおっ!!ひでぇな。応援するとか言ってたくせに」

「惚気なら聞いてやるよ。早く告白しろよ」

「頑張ってみるよ・・・」

田中、意外に単純な奴だ。

「てか、佐山こそ!一ノ瀬と両想いなんじゃ・・・」

「違うよ。仲は良いと思うけどな。」

「そうか?じゃあ、俺と一ノ瀬が付き合ったりしたら・・・?無いけどな」

田中と一ノ瀬が?

絶対無い。第一、田中は三戸さんだっけ?好きな人がいるし。

けど、もし・・・。

「嫌だ」

無意識に出た一言だった。

「ほら。両想いかどうかは別として、佐山は一ノ瀬の事好きなんじゃねぇの?」

「え・・・別に・・・好きとか・・・」

「自分で気付いてないだけだって。お前、鈍感なんだなぁ。顔、真っ赤だぜ?」

鈍感・・・?

田中に言われてしまった・・・。

「う!うるさいやい!!」

「ははは」

笑いながら前に向き直る田中。

そろそろ、担任が来る。

くそ。

俺がちぐを?

何を言うんだか、田中め。

そんな訳な・・・

「はい、出席とるぞー」

○登場人物○

緑川ミドリカワ緋汰ヒタ

AB型

身長・170cm

体重・???

5月27日生まれ

部活・野球部

中学三年生

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ