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9話
「ちぐ・・・・。だ、大丈夫か?」
二年ぶりに触れたちぐは、想像以上に小さくて、消えてしまいそうに頼りなくて。
ちぐの体が、俺にぴったりくっついているから、心臓が高鳴っていて落ち着かないのに、震えているように感じる
ちぐの体が、俺の心を不安で一杯にさせている。
「・・・・うん」
頷いているのが、背中から伝わる。
「もう着くぜ。俺の家の場所、覚えてる?」
「うん。たまに、里美さんとも会ってたから」
「え、俺の家着てたの!?」
「うん」
「何だよ・・・」
ちぇ。姉貴、言ってくれればいいのに。
「何。拗ねないの」
「別に」
「ほらぁ。いいでしょ?今日から遊べるよ?」
「拗ねてない」
「ハハッ!」
声を上げて笑い出した、ちぐ。
「な!!なんだよ!」
「ふっ。大輝、膨れっ面してるのかなぁ、と思って。大輝、小学生の時からそうしてたから」
目が熱くなる。
向かい風が頬をかすめる。
何だか、ひどく清々しい気分だ。
「ほら、着いたぞ」
「はあい」
ちぐが、降りるとさっきまで
ちぐが触れていた場所がひやりとする。
「お邪魔します!」