1/25
0話
高校一年生の春。
僕は君と一緒に桜を見ることができなかった。
本当なら、君と肩を並べて正門をくぐり
もしかしたら、君と手をつないだりしていたかもしれない。
君は、成績が良かったから、僕みたいに必死に必死に、勉強しなくても合格していたと思う。
僕は、君と一緒の県内で一番の学校に行きたくて、追いつこうと必死で勉強していた。
君は今、何をしているのかな。
辛い思いをしているのだろうか。
僕、佐山 大輝は。
君、一ノ瀬 千雲が。
あの日の約束を忘れないまま、
この青空の向こうで
君らしく笑ってる事を
思っている。