23.光を見つけよ青年よ~最終話~
ついに完結。ありがとう、ありがとう。
暗闇に閉じた山頂に、一筋の光を見た。光妖であった。絶望した人間に、最後に現れたのは、光だった。
その人間は世界に絶望していた。戦争に駆り出されて、死と狂気に満ちていて、死んだ魚の目をして、彼らは進んでいった、あの日の光景を、忘れることはない。
そして、その人間はうつ病になった。全てを失った。失う悲しみは、絶えず、彼の心を突き動かした。一人で、独白をするようになった。(エピソードの、「独白」は、一人で語っていたのである。)
だが、一人は、一人の老人と会ったのだ。
それは、殺人鬼で、凶悪であった。老人は、ひたすらに、世界を恨む、凶悪な虚無主義に陥っていたが、最後に老人はいった。
「生きろ!」
これが、彼にずっと残る、言葉だったのだ。
「私を生きる。」
これこそが、僕が言いたかった言葉。言いたいけど、言えなかった言葉。本当に、本当に、言いたかった言葉。
これが最後。
もう駄目なんじゃない、ただの停滞だ。今はゆっくりしていい。
光妖が来るその日まで。
「光が眩しい。」
死に損なった、朝日が。
ただひたすらに、眩しかった。
ありがとうございました。次の作品は、もう少し考えます!ありがとうございました!