16.ドンキホーテ
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気が付くと、僕は、何やら森の中を潜っていた。ここは現実なのだろうか。僕は疑問に思った。現実だろうか。夢であったら、いや、この世の全てが夢だったらいいな、などと思いつつ、僕は、ひたすら森を潜った。だが、予想よりも進まない。なぜか遅いのだ。いや、足の負担が大きい。重力が強い。つまりここは夢なのか。それとも僕が阿呆なだけなのか。
現実に対して僕は疑心暗鬼にもなりつつ、重い足腰に息が切れるほど頑張って歩いていった。
ひたすらに森を潜ってみると、そこには苔が生えた汚いともいえる、大木に乗っかって、上を見た。
そこはずっと森が続いていて、僕はうんざりした。つまらない夢か。僕は思った。
人生もつまらないよな。僕の中の自分は囁いている。
森を潜った先には、何があるのだろうか。この夢の中で、これは描写されていないのだろうか。もっと前へ行ってみることにした。
暗い。
光を遮っていた。
そして、もう一つのことに気付いた。僕は頭と首と手足だけだったのだ。
どういうことだろうか。すると、強烈な痛みがした。
「いてっ!!」
何だろう。心臓を針でつつかれている、いや、刺されている。誰かを刺している?
いや、そんなことはない。僕には胴体がないからだ。
いや、誰かが、心臓を抜き取って、刺している?誰だ、誰だ、
「誰だ!」
すると、僕は気づいた。
「いや・・・傷つけていたのは・・・」
「僕だ。」
僕が右手になぜか持っていたナイフに、心臓が突き刺さっていた。
僕は心臓を取ろうとするも、なぜか動かない。くそ、くそ、
「くそ!」
僕は叫んだ。頑張っても取り外せない。
そしていつの日か年月が経ち、
少しかさぶたというか、皮膚ができて変形した。心臓に皮膚ができたのだ。
ただ、いまだに痛みが消えない。いっそ、心臓を潰そうか。いや、逆効果になるだろう。どうすればいいだろうか。
そして気づいたことがある。僕は空腹で、今も飢えているのに、死なないのだ。ようやく気付いた。多分、痛さのためだろう。
痛い。なぜか、今日は格段に痛い。このように、痛さが乱高下する。
夢なのか。なぜ終わらない?現実か?じゃあ自分は、なぜこうも変な格好をしているのだ?
そして、ついには痛さのためか、動かなくなった。これが体内時間で、およそ数十か月のころだった。
だが、そこで、誰かが、ナイフから心臓を、外した。でも、光がかかっていて、わからなかった。僕は、光妖ではないか、ととっさに思った。人にも見えるし、人外にも見える。僕は、そこで目を覚ました。
25話、完結予定。