表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/75

2-5 見ーつけた

交差羽です。『中二病スキルで全てを救う』を2話を投稿させて頂きました、赤髪とバトルと主人公が大好きな作者です。ポテトも好きです、ジュースも好きです、コーヒーも好きです。

放課後。その頃には頬の赤みは引き、痛みもすっかり取れていた。

痛みが引くとお腹がすいてくるものである。

実際、今日の朝と昼は頬の痛みのせいで中々食事が進まなかったのだ。

俺は教室でバッグに教科書を詰めながら二人に聞く。


「なあ、美桜、ツグミ。今日は皆で駅前イ〇ンのフードコート行かないか?」

「どうしたの急に?」

「いやさ、俺今日、頬の痛みがあったからあんまり昼ご飯食べられなかったじゃん。だから少し何か食べたいなって。」


言ってお腹を押さえる。お腹からタイミングを読んだかのようなグ~~~という音が鳴る。

マイストマックよナイスフォローだ!

美桜は少し考えた後、


「そうだね、私も今日は演劇部休みだし、せっかくだから行こうかな。」


そう返し、ツグミも


「いいよ。拓斗授業中もお腹の音鳴ってたもんね。」


とクスクス笑う。

やったぜ、無性に山盛りポテトが食べたかったんだよね。

それぞれの同意が得られたことで、俺達はバッグを持ち上げ、駅前のイ〇ンに向かったのだった。


***************************************


フードコートは中々の賑わいだった。

ちょうど帰宅時間に被っているからか、多くの学生達が思い思いに会話に花を咲かせている。

そんな中、俺達は何とか席を確保し買ってきたジュースとポテトをつまむ。すると、


「そういえばさ、今度の学期末テスト、どう?」


美桜がストローを口に咥えながら訊ねて来た。

ストローの端がピコピコ上下に揺れて、思わず目で追ってしまう。


「そうだなー、あんま自信ないけど、まあいつも通りって感じかな。」


むしゃむしゃ、ポテト美味しい。

俺がそう答えると、ツグミもコーヒーから口を離し、


「僕もいつも通りかな。」


と返してくる。

ツグミの吐息が漏れる。その様が妙に艶めかしい。


「いやいや、ツグミ君のいつも通りって、学年トップクラスって事じゃん。」

「そうだぞー、ツグミのいつも通りって、俺らとレベルが違うからな。」

「そんなことないよ。まあ、勉強は少しだけ得意なだけだから。」


ツグミは困った顔をして、両手で持った紙コップをクルクル揺らす。

中に入ったコーヒーも合わせて揺れる。

こいつの場合、本当にさらっと学年トップクラスの成績を取ってくるからな。普段俺らといる時は勉強している素振りなんか見せないのに。

多分、頭の中のメモリーカードが俺の数世代上なのだろう。

すると、美桜が咥えていたストローをグラスに戻し名案とばかりに顔を輝かせて言ってくる。


「そしたらさ、皆で勉強会しない?」

「勉強会?」


俺はポテトに手を伸ばしながら怪訝な顔で尋ねる。


「そう、勉強会。私と拓斗は出来るだけ頑張るようにして、どうしても分からない時はツグミ君に聞くってのはどう?」

「でもさ、それじゃツグミにメリットが無いじゃん。」

「そこはほら、普段の部活の時に恩返しをするってことで。」

「むしろいつもツグミに世話になってるじゃん。」


俺は自分がツグミにしてあげられることを考える。

えーと、ジュース買ってくることでしょ、お菓子買ってくること、それと借りていた本を代わりに還しに行くのと、肩を揉むぐらいか。

ん?あれ?これって手伝いって言うより、パシ・・・・。いや、考えるのは止そう。


俺が思考の渦に呑まれていると。


「いいよ、勉強を教えるぐらい。」


ツグミは爽やかに微笑む。

後ろに大仏様が見える。南無南無~。

俺の脳内ではデフォルメされた可愛らしいツグミ大仏様が、

『僕を信じて着いてきてね♪』と仰ってくる。

なんて神々しい。

そのままツグミ大仏様に両手を合わせ、涙を流し五体投地で拝み倒す。

ありがたや~。


「じゃあ、細かい日にち決めようか。」


美桜がそう言ったところで突然、


「ああーーーーーーーーーーーー、やっと見つけたわ。」


よく通る声がフードコートの入り口の方から響き渡ってくるのだった。

まずはこの話を読んでいただいた読者の方にお礼申し上げます。ついに拓斗君が見つかっちゃいました。気になる方は続きを読んで頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ