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2-2 素晴らしい右ストレート

交差羽です。『中二病スキルで全てを救う』を2章3話を投稿させて頂きました、中二病と赤髪とバトルと主人公が大好きな作者です。右ストレートも好きです、赤髪も好きです、赤眼も好きです。

本日から『中二病スキルで全てを救う』2章が正式に再開しました。本日と明日は多めにアップします。後は適宜ですかね。

あと、本日からカクヨムでの連載と、この作品のスピンオフ連載も投稿しました。もしよければご覧ください。


「フハハハハ、我は闇、深き闇。不埒な貴様らに裁きを与える者だ。さあ、ここからは深き闇の時間だ。フハハハハハハハハハハハハハハ。」


俺は高々と告げる。


吹き飛ばされた男はそのまま置いてあった段ボールに頭から突っ込み動かなくなり、女性や周りの男達も突然の展開にポカンとしている。


現場についてから約30秒。

俺はついに不埒な輩を退治すべく動き出したのである。


いや、別にね、さっきの展開に少しドキドキしてたわけでは無いんだよ。

前に同じような展開で女性側が悪かったこともあったから、念のため、そう念のために白黒着くまでしっかり観察していたんですよ。

決して疚しい気持ちがあったわけでは無いんです。


そう心の中で言い訳をして、周りを見渡す。

周囲の男達は既に硬直から溶け、次々に怒声を張り上げている。

その手にナイフや拳銃を持って。


ん?拳銃?この日本で?


そう疑問に思ったが、すぐに臨戦態勢をとる。


その瞬間、ナイフを持った二人の男が時間差をつけて俺に向かって突進してくる。

それは一般人なら脅威だろうが、


「遅い。」


俺は女性を抱きかかえたまま一人目のナイフを難なく躱し、すれ違いざまに男の腹部に膝蹴りを叩き込む。

そのまま、一人目がやられ狼狽している二人目に回し蹴りをかまし吹き飛ばす。

正直、亡者の群れや伊邪那岐命を相手に戦った俺にとって、この程度の攻撃は遊びにもならない。


「もう終わりか。」


残りの男達に視線を向ける。


「ふっざけんじゃねえ!!」

「うおーー!!!」


残り二人が叫び、銃口をこちらに向け狙いも甘く打ってくる。

なるほどコルトパイソン357マグナムか。なかなかいいチョイスだ。

この街には新宿駅の伝言板に書かれた依頼で来たのかな。

だが、その銃弾すら今の俺には遅い。


俺は飛んで来た弾を視認しながら避ける。

その際マスクが何かに引っかかった感じがしたが、調子に乗っていた俺は気にしない。


男達は焦った様子で次々銃弾を発射するがすぐに弾倉が尽きたのか、カチャカチャと銃を鳴らし、震えながらこちらを見てくる。


俺は高速でそいつらに肉薄し、回し蹴り一閃。

二人まとめて薙ぎ払う。

そして、周囲が静かになったのを確認してから女性を下す。


「無事か。フッ、不埒な輩どもには闇の裁きを下した。安心するがいい。」


そう言い、マントをバッと広げた後、中二病ポーズで睥睨するように女性を見る。


数瞬、女性は男達の様子を見て茫然とした表情をした後、プルプルと震え出した。


そうだよね、怖かったよね。大丈夫、悪い奴らは俺が全て退治した。

安心して俺に抱き着いてくるがいい。

今日はばっちり人助けしたし、これはモテポイント1点でいいのではないだろうか。

もしかして吊り橋効果も行けるだろうか。


そんなことを考えていると、女性がこちらを向く。

そして、その綺麗な赤い瞳に激情を宿し、プルプル震える右手を握り、


「ふっざけんじゃーーないわよーーーーーーーーーーー!」


ヒュゥッ!!


空気を裂くような顔面パンチをかましてきた。


素晴らしい右ストレート!!!捻りのつけ方が芸術的だ。


動き自体は見えていたが、予想外の展開に全く反応できず、俺はもろにそのパンチを受けて吹き飛ばされる。


「い、いたひ。」


左手で頬を押さえ、上半身を起こしながら思わず情けない声を上げる。

口から「父さんにも殴られたことが無いのに!」と出そうになるが押しとどめる。


俺が訳も分からず目を白黒させていると、


「私が、、私が、、どれだけの、、苦労の末に、、こいつらを、、おびき寄せたと、、思ってるのよーーー!!!」


女性は右拳をプルプルさせながら思い切りこちらを睨みつける。

その顔に、雲から出た満月の光が当たる。

その女性は美しかった。

肩で切りそろえられたウェーブがかかった朱色の髪は、月に照らされ輝いており、今はその怒気によりゆらゆらと揺らめいているようにも見える。

また、その深紅の瞳は強い意志の力を宿し、ルビーの様に月の光を反射している。

その女性は炎の様だった。

その鮮やかさに思わず見惚れる。


「なのに、なのに、なのに、これじゃあ一からやり直しじゃない!!!!!」


だが、そんな感慨も吹き飛ばすように、女性はその細くも筋肉が付いた足で地団太を踏む。

そして、


「あんたには責任を取ってもらいますからね!!!!」


女性は倒れた俺の襟首をつかみ上げると、怒気のこもった声でそう宣言するのだった。

まずはこの話を読んでいただいた読者の方にお礼申し上げます。新しいキャラが出てきましたね。この女性が今後どういう活躍をしていくのかお楽しみです。気になる方は続きを読んでいただければ幸いです。

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