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2-1  プロローグ 初デート

交差羽です。『中二病スキルで全てを救う』を2章1話を投稿させて頂きました、中二病と無双と困難に立ち向かう主人公が大好きな作者です。今回は次回予告みたいな感じでのアップです。後日大幅修正がある場合もございますのでご了承ください。



「・・・・あーん・・・。」




GWから1か月程経った本日。初夏の日差しは爽やかで、チラホラと鳴き始めたセミの声は夏の訪れが近いことを告げている。


そんな、少し暖かなある土曜日。

おしゃれな店先のオープンテラスに俺は居た。


周囲にはカップルだろう多くの男女がおり、各々が会話に花を咲かせている。

時にハート形のストローを両方から咥え、時に男性が女性の肩を抱き、時にほっぺたに付いた生クリームを女性が指で拭い取って舐めている。

一部、漢なカップルもいて、タンクトップで胸筋や上腕二頭筋をぴくぴくさせながらいちゃいちゃしているがそれは気にしない。


そんな中、俺の目の前にはフルーツ盛り盛り、生クリーム増し増しホットケーキ。


そして、それを「あーん」している女性。

そう、全男子高校生の憧れである、あの「あーん」だ!


女性はとても綺麗な容姿をしている。身長は165~170㎝程度だろうか、女性にしてはやや高めである。

凹凸がしっかりしたプロポーションで豊かな胸元はボーイッシュな服の上からでも分かるほどである。

腰はきゅっとくびれ、四肢は細身ながらもしなやかな筋肉がついている。

道を歩けば、思わずその姿には目を引き付けられるだろう。


だが、その女性で最も強く印象に残るのは別の場所だ。

それは、鮮烈な朱色の髪と紅色の瞳。

肩で切りそろえられた朱色の髪は軽くウェーブがかかり、ふとした動作の度に波打つその姿は炎の様に美しい。

また、その瞳はルビーのような深い紅で、二重だがやや切れ長の目は獲物を狙う猫の様に不思議な魅力を湛えている。


そんな色気と孤高さを兼ね備えたような女性が俺の目の前に居る。


俺の目の前で、

ホットケーキの切れ端を乗せたスプーンを片手に、

引き攣った笑顔を浮かべ、

羞恥と怒りの視線を俺に向けながら。



「・・・・あーん・・・・・」



再度女性が告げる。

死刑宣告されたような冷たい悪寒が背筋を走る。

周りが熱々ラブラブな熱帯地方において、ここだけ極寒の地になっている。

伊邪那岐命を前にしてもここまでの恐怖は無かっただろう。


正直、人生初デートがこんなにも恐怖で彩られるとは思ってもみなかった。

まさか、世の男女は皆こんな恐怖に立ち向かっていたのだろうか、それならば尊敬に値する。


リア充爆発しろなんて思っていてごめんなさい。


「・・・・あーーん・・・・。」


俺が口を開かないことに業を煮やしたのか、女性はさらに怒気を強め、身を乗り出しスプーンを押し出してくる。

わずかに胸元の谷間が見えるが今は気にしていられない。


段々とその瞳に羞恥の色が強くなり始め、形のいい唇はプルプル震え、目尻には薄っすらと涙が滲んでくる。


どうしてこうなったんだろう。


俺はなるべく女性の方を見ないようにしながら、震える口を小さく開くのだった。

まずは2章1話を読んでいただいた読者の方にお礼申し上げます。と言うわけで2章の入りでした。これからこの赤髪のお姉さんと拓斗君がタッグを組んで活躍します。赤髪のお姉さんの正体は?美桜ちゃんはヒロイン力を発揮できるのか?今後の展開は?気になる方は読んでいただければ幸いです。

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