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1-20  黒の世界②

交差羽です。『中二病スキルで全てを救う』を20話を投稿させて頂きました、中二病と無双と困難に立ち向かう主人公が大好きな作者です。昨日大量誤爆をしてしまいました。突然目覚めた力も好きです、闇の精霊も好きです、優しい院長も好きです。

一話分が少ないほうがいいのではとアドバイスを頂きまして、今日から1話を分割して1日2話で投稿します、続きを読んでいただければ幸いです。


aterアーテル。」体が漆黒の衣装に包まれ、


liberリベル。」重厚な黒塗りの本が左手に現れる。


桜の丘で葉桜を見たあの日、10歳になったあの日、俺は闇の魔術が行使できるようになった。


魔術名は「tenebrarumテネブラールムの加護。」


それは、aterで漆黒の衣装を身に纏い、liberで魔術書を呼び出すことで使用可能になる。


liberの魔術書の中には数多の闇魔術が書き込まれており、俺はそれに手を翳すことで身体強化や闇を使った物質形成など様々な魔術が発動可能だ。

ただし、闇の精霊を直接呼び出し、力を行使する場合は呪文の詠唱が必要となる。

その分、威力や能力は他の追随を許さないが。


その能力を見て、ルナは


「すごい、すごいよタクト!」

と無邪気に喜んでくれた。


あの日、あのスキル鑑定の儀の日、俺を不幸にした原因とも言える魔術。

正直思うとことが無いでは無い。

しかし、今あるもの、院長やこの孤児院の仲間達、何よりルナのために俺はこの能力と向き合うことを決めた。


この能力は、光の精霊の加護と比較して正直破格の性能を持っていた。


通常光の精霊のスキルは一つの魔術が使えたり、弱いものだと指先に光を灯すぐらいのことしか出来ない。

それを研鑽しながら日々光の精霊に信仰を捧げるのだ。

しかし、本来光の精霊と闇の精霊は同格。もしかしたら、スキルとして分散したせいで一つ一つの光の精霊の加護が弱まってしまっているのかもしれない。


俺は、この能力を使って何が出来るか考えた。

そして一つの結論に達し、院長に相談した。

自分はまだ子供であることを、世の中が厳しいことは身をもって知っている。

なので、大人のサポートを欲したのだ。


「俺、悪い奴らをやっつけて、そいつらから取り返したお金で皆が食べ物や着る物に困らない生活を送らせてやりたい。」

と。

実際10歳の時点でそれだけのことを行う能力はあっただろう。しかし、院長からは許可が下りなかった。


「まずは相談してくれてありがとう。でもね、それは認めることは出来ません。その行為には危険が伴います。きっとその行為は憎しみを買うでしょう。そしてふとしたところから正体がバレればその者達は復讐に来るでしょう。それはきっと悲しい結果に終わります。タクト君はまだ10歳の子供です。子供のうちにしか出来ないこともたくさんあります。まずはその時にしか出来ないことを楽しみなさい。」


院長は優しい目をして言った。そして俺の頭を撫でてくれた。


「あなたは優しい子です。責任感もある子です。ですからきっとそのうちに孤児院の子達や貧困で喘いでいる子達を救いたいと願うでしょう、この国の歪さを正したいと願ってしまうでしょう。実際あなたにはその力がある。その時、私にはきっと止められません。ですから、今のうちにたくさんのものを見て、経験しておきなさい。きっとそれがあなたの道標になってくれるでしょうから。」


そう言って、俺をギュッと抱きしめてくれた。俺はその言葉に従った。院長が愛情を持って自分に向き合ってくれていると分かったから。

まずは20話を読んでいただいた読者の方にお礼申し上げます。ここからは1話分を少なくして投稿します。この頃のタクト君の詠唱はラテン語になります。今の拓斗君とは少し違います。続きを読んでいただければ幸いです。

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