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1-0 世界の残滓

こんばんわ、交差羽です。1章1話の前に追加のストーリーを入れてみました。

「やあやあ、いらっしゃい。ようこそ法則の世界の残骸へ。君もあの世界を眺めに来たのかな?


 え、僕? 僕はそうだな、『観察者』とでも名乗っておこうかな。

世界を眺める者、彼らを観る者、彼を見守る者。

そんなところ。

だって今の僕はここから満足に動けないからね、だから観ているんだ。

ここには何も無くなっちゃったから・・・・・・。


 それよりも、せっかく君もこの世界に来たなら観てごらん、彼を。

ああ、とてもいいよね。

彼はね、僕のお気に入りなんだ。

ほら、彼の周りに光り輝く糸が見えるだろう?

あれは因果の糸なんだ。

あの因果の一つ一つに彼の、彼らの物語が詰まっている。

それがあの世界の彼を中心に幾つも寄り集まって、まるで恒星のように綺麗だろう?


 それにね、糸を見ると彼らの物語が分かるんだ。

 あの因果で彼は傲慢の果てに大事な人を失い彷徨っているね。

あの因果では怒りに任せて全てを壊している。

あの因果では無感動に過ごし大事なものを取りこぼしている。

ああ、どれも堪らない。本当に堪らない。

特にあの表情、泣きそうなあの顔。すぐ傍に行って抱きしめたくなる!

すごくいいな、はぁ。



 ああ、ごめんごめん。興奮しすぎて君のことを忘れていたよ。



 でもすごいだろう。彼の運命はとても面白くて、そして残酷だ。

本当にいったい誰かがあれを仕組んだんだろうね。


 え、僕? 僕じゃないよ。

ずっと観ていたいと思うのは本当だけれどね。


 ただ、彼の運命、それを悲劇だけで楽しむようなら二流だと僕は思う。

それこそあの暴食と同じようにね。僕は奴とは違うからさ。


 僕が思うに、彼の、彼らの本当のすごさはその先にあるんだよ。

それは何かって?

それはねヒトの可能性を示したことだよ!!


 彼は、彼らはね、諦めなかったんだ。

理不尽にさらされ、不条理に押しつぶされ、失い、蹂躙され、最後はみんな絶望に沈んでいったけれど、それでも彼らは諦めなかった。

その愛しい想いを、正しい怒りを、護るという意思を諦めず、そして次に託した。

それがきっと誰かに繋がると信じて。

それはすごいことだと思わないかい?

そんなあるかどうかも分からないことに本気で縋って、願って、抗って、そして繋げた。

そんなことは神にだって出来ない。

そしてそれはとても尊いことだと僕は思う。


 ヒトの可能性を見せつけられた、そんな気がしたよ。


 だからね、僕は彼が好きなんだ。

どうしようもなく惹かれているんだ。

傍に居たいと思うんだ。

少しぐらい手伝ってやろうと思ったんだ。


 だから僕は彼を観る。あの世界の彼がきっと繋いだものを形にしてくれるって信じているから。

あはは、僕から『信じている』なんて言葉が出るなんて、笑っちゃうよね。

でもね、もし出来れば君にも見て欲しい。彼が紡ぐ物語がどのような結末を迎えるのか。

それは悲劇で終わるかもしれない、喜劇で終わるかも知れない。

けれど、きっと彼は何かを示してくれると思うから。

だから、願わくば、彼が・・・・・・。」

まずはこの話を読んでいただいた読者の方にお礼申し上げます。

気になる方は続きを読んで頂ければ幸いです。あと、もしよければブックマークや評価もお願いします!

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