ひかりのはな
しんげつのばんに、はながいちりん、さきました
はなは、まぶしいひかりがあつまって、さきました
ピカピカ、キラキラ、テカテカ、パカパカ…
いろんなひかりがあつまって、みたこともないはなになって、さきました
やみよにかがやくまぶしいはなに、だれもがみいりました
はなをみあげて、だれもがなみだをながしました
やみよをせおって、おおきく、おおきく、さいたはな……
つきのかがやかないよるに、だいちをてらした、おおきなはな……
ひかりのはなは、あっというまにちりはじめました
はじのほうから、ひらひらと……
まんなからへんから、ふわふわと……
ひかりのはなびらは、やみにまじっていきました
きえゆくはなをみて、だれもが、めをはなそうとしませんでした
はなのざんぞうをやみよにうつしたまま、みなが、そこにないものをみつめていました
ざんぞうがきえたとき、ひとびとは、まっくらやみのなかで…なにをおもったのでしょうか?
ひかりのはながかれてしまったので、やみよでひとのかおをてらすものはありませんでした
ひかりがうしなわれてしまったので、やみよでみじろぎもしないひとのひょうじょうを、かくにんすることはできませんでした
あたりはやみにつつまれていました
だれもがひとしく、やみにあいされていました
あさは、やってくるでしょうか…
ひるは、むかえられるでしょうか…
よるは、つきにてらされるでしょうか…
…あんしんして、おやすみなさい
…しんぱいしないで、おねむりなさい
…なにもかんがえずに、めをとじなさい
よるは、いつもどおりにあけるはず……
あさがやってきたら、ひかりのはなのかけらをさがしましょう
ひるをむかえることができたら、ひかりのはなのおはなしをしましょう
よるにふたたびあえたなら、ひかりのはなをおもいだしてめをとじましょう
……あのひ、ひかりのはながさいて、ちりました
また、ひかりのはながさくひは、くるでしょうか?
あなたは、ひかりのはなを…みたいとおもいますか?