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3話 未知

異様な空気の中、木の影からそれは現れた。


明らかに人ではないその何かは敵意を剥き出しにしてこちらを見ている。

大きくはない。子どもほどの大きさながら鋭い目に、ツノのような物が生えている。


「なんだよこいつ…」


何かはわからない。

驚きと不安に足が動かなかった。


驚くアサヒを置き去りにするかのようにファーガスとミアは何かに対して素早く行動を起こす。

「ミア」

ファーガスの声にミアが反応する。

「はい!」


何かが動く前にミアの手から水が溢れ出てきた。

溢れ出た水は刃のように鋭く尖り何かに向かって放たれた。


一瞬の出来事だった。

ミアの手から放たれた水の刃は何かを貫いた。

アサヒは倒れゆく何かをただ見つめることしかできなかった。


「流石だねミア」

笑顔でミアを讃えるファーガスだが、ミアにしてみればなんでもない状況。

「これぐらい当然です」

表情一つ変えないで答えるミア。

そんなミアに苦笑いのファーガス。

あれぐらいの敵ならあんなに大きな攻撃いつもならしないのに‥アサヒの前だからか?


「さあ、いこうか」


何事もなく先に進もうとするミアとファーガス。

アサヒにとっては漫画やゲームの世界でしか見たことのない光景が起きていた。


「なんなんだよここはーーー!!!」


叫ぶアサヒに何を驚いているのかわからないミア。

「モンスターを倒すことに何を驚くことがあるの?」

「そうかそうかモンスターかなるほどね。ってなるわけないだろ!」

当たり前のことでしょと言わんばかりの返事に、思わずノリツッコミしてしまった。


ここはやっぱり夢なんだな。夢なんだよ。

状況の整理がつかない自分の頬をつねる。

「痛い…」


夢ではない。

今の出来事は紛れもなく現実に起きたことなんだ…


モンスターが現れ、ミアの手から魔法のように出てきた水を使って倒したのは現実なんだ。

現実とは思えないことが現実として起きている。


「わけわかんねーよ…」


その言葉に力はなかった。

俯くアサヒにファーガスが笑顔で肩を叩いた。

「さあ、進もうか」

何も理解できず足取りは重いが、歩き始めた。

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