46話 姉貴との対面
この間、幽霊調査のマルチプレイを始めてしたけど楽しかったです。作者です。
まだ生きています。
「あれ?友達来てるの?大地」
そう言って姉貴が言いながら入ってくる。
樹の開けて行った扉から顔をひょこっと覗かせてそのまま部屋に入ってきた。
恐らく寝起きの格好なのだろう。少しだらしのない格好だ。
その姉貴は部屋に入るなり目を丸くしていた。
ちなみに楓も驚いたように目を丸くしていた。
「その子は…?」
そう言って先に声を上げたのは姉貴。少し眠たそうだが俺に向けてはっきりと言う。
「同じクラスの北条さん。今日は昼ご飯を作ってもらったんだよ」
俺の簡単な紹介にあわせて楓は小さく一礼する。
「こんにちは。大地くんのクラスメイトの北条楓です」
そう笑顔で挨拶をする楓。少し畏まっているような気もしなくはないが、友達の家族にはこんな感じだろうと思う。
すると姉貴の口が小さく動いたような気がする。
そのまま姉貴は何かを考えたように下を向いて黙ってしまった。
「あ、あの…?」
楓がそう声をかけると、はっ!と思い出したかのように姉貴。
「あっ!北条さんだね?よろしくね!私は七海。大学2年生だよ!」
姉貴が大学2年生のところを強調していたのは気のせいではないのだろう。しかし、見た目は中学生くらいだ。
「だ、大学生…」
楓は小さくそう呟いた。隣にいた俺にギリギリ聞こえるくらいで姉貴には聞こえていない、と思う。
「小さいけどそうなんだよ」
俺は楓にだけ聞こえるように言ったつもりだった。
「大地?聞こえてるよ?」
が、まあ聞こえていたようだ。
姉貴から鋭い視線が飛んでくる。そう言っても見た目は幼いので怖さはない。怖いのはその小さな手足が出てくる時だ。
今は楓がいるのでさすがに手出しはしてこないだろう。
「あはは…。ところでお姉さんはどこの大学に通われてるんですか?」
楓が苦笑いしながら質問する。
「あー、それはね…」
そこからは姉貴と楓の2人で盛り上がっていた。こうなった時に俺は会話に入る方法を知らない…。
そんな俺は入る余地もなく携帯をいじっていた。
この絵師さんいいな。フォローしとこう。
このゲーム、面白そうだな。今度やろう。
そうして、夢中で携帯をいじって時間を潰しているといきなり声をかけられた。
「それ、なんのゲーム?」
不思議そうに携帯を覗き込んでいる楓が近くにいた。
「うぉっ!?びっくりした…」
俺は驚いて反射的に仰け反っていた。あやうく椅子から落ちるかと思った。
その反応を見ていた楓は目を丸くしていた。
「驚いたのはこっちだよ…」
呆れたようにそう言うけど、恐らく俺は悪くはないと思うんだよ?楓。
「それで?なんのゲームなの?」
「それはな…」
俺が今、携帯で見ていたのは樹とやっていた幽霊を調べるやつだ。音無しの動画で見ていたのだが、それを楓が見たと言うわけだ。
一通りの説明を受けてどうやら楓は興味を持ってくれたようだ。
「その、もう少しみせてもらっても、いい?」
少し恥ずかしそうにそういう楓。
「いいよ、ほら」
俺がそう言うことで俺と楓の2人で携帯を覗き込む形となる。
へえ、そう言ったら反応あるんだ。
なるほどね、そういうところにも証拠は残す、と。
俺は学問の勉強は嫌いだが、こういうゲームの勉強は好きだ。多分、他にもこんな人はいると思うんだ。樹とか。
そんな感じで動画を見ているとエンドカードが流れる。
「これって私でもできる?」
少し赤くなった顔で楓はそう聞いてくる。
「ゲーム自体は理解していけばできるかな。あとはパソコンがあればって感じかな」
「パソコン…。あ、それなら、ちょっとまってて」
思い出したようにそう言って楓は家から出て行った。
何か思い当たる節でもあるのだろう。
俺は大人しく待つことにした。
これから楓が樹と大地のゲームに参加し始める(予定)
あ、そういえばアニメ見てて、リコリコ面白かったです。