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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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45話 忘れてたこと

いやーアニメ見始めたら止まらないよね?

それは楓の家から俺と楓が出てすぐのことだった。


「あれ!?大地じゃ、ん…?」


そう語尾を疑問文に変えながら言うのは里山樹(さとやまいつき)

そういえば今日はうちに遊びに来るとかなんとか言ってたような気がする。しかし、この楓と手を繋いだ状況はまずい。

そう判断した俺は手を離そうとするが、楓の手は力強く握られており…いや、力強すぎだろ!?

そんな当の本人は涼しい顔をして樹に挨拶をする。


「あっ!里山くんだったよね?こんにちは!」


明らかにご機嫌な楓だった。だが、俺の手を見てほしい。落ち着くとか言ってたのが嘘みたいだ…。握りつぶされそう。

楓に挨拶をされた樹は


「え?あ、こんちわ?」


相変わらず戸惑った様子を見せていた樹だった。

その樹の視線がこちらを向くと、え?お前?どういうことだよ!?と言わんばかりの表情をされた。言わんとすることは分かるけども。


「いや、これはな?少し特殊な事情があってな?」


「いやいやいや、特殊も特殊だろ!?これは小春にも報告せねば…」


なんで桜木の名前が出るのか疑問に思わないでもないが、道端でわざわざ話すことでもないだろう。


「とりあえずうちにどうだ?」


「あ、そうする」


そう言って俺と樹、ついでにご機嫌な楓が手を繋いだままついてくる。

なんだろう。この状況…。そう思いながら俺は家に帰るのだった。



「それじゃあ、2人は座っててね!」


楓はそう言うと俺の部屋から出て行く。俺とついでに樹の分の昼ご飯を作ってくれるとのことだった。


「さてと…。どうするか」


「どうするって言っても大地。手伝いは、なぁ?」


そう、俺が手伝いを申し出ると楓から樹の相手をしてて、と言われたのだ。それを見ていた樹がボソッと夫婦みたいだな。そう言ったばかりに楓は顔を真っ赤にしながら逃げるように部屋を出て行ってしまったのだ。そこで俺が行くのも楓に迷惑だろうし、樹を行かせるのもおかしな話だ。


「それじゃ、アレするか」


そう言って俺は樹に目配らせする。すると樹はニヤリと不敵な笑みで頷きながら、


「そうだな」


そう言ってリュックから携帯ゲーム機を取り出す。

そうして俺たちは2人で向かい合いで座ると、無言で始める準備をして、ゲームが始まる前に一言。


「「一狩り行こうぜ!!」」


そうして俺たちはゲームの中で狩りに出た。

樹となんだかんだ言いながらゲームするのは楽しい。

そして、楽しいことをしている時は時間が経つのが早い。


「ご飯できたよっ!?」


そう言って扉を開けてくるのは楓。結構勢いよく開ける。


「あれ?楓?」


なんでいるんだ?と頭で考えてすぐに答えが出た。

そういえば昼ご飯作ってもらってたんだった。

樹も一瞬ポカンとしてから思い出したように頷いていた。


「ほら、2人とも行こうよ?」


動かない俺たちに楓は問いかけるように言うので、


「分かった。ほら、樹も」


「あ、あぁ」


そう言って俺たちは行動に移し、リビングに移動した。



「美味かったな」


「あぁ、美味かったな」


楓のご飯を食べた俺と樹はテーブルについたままそんな話をしていた。食の大きな男子高校生である俺たちに気を遣ったのか大きめの唐揚げでなかなか食べ応えがあった。なんて考えていたら、樹が続ける。


「いいお嫁さんになるよな」


「そうだな」


楓は確かに気遣いもいいし、料理家事も出来る。それはいい

お嫁さんになることだろう。


「それならそろそろ…」


「そろそろ、なにかな?」


樹が言葉を止めると、かわりに声が聞こえた。そちらを見ると楓がキッチンからこちらに来ていた。その楓から見られている樹はやっべ、といった表情だったのだがどうしたのだろうか。

楓がキッチンにいたのは洗い物をしてくれていたからだ。手伝うとは言ったものの楓からはいいからと言われて甘えてしまった。本当にお世話になりっぱなしで感謝している。

そんな楓が今は樹をニコニコとした表情で見ていた。樹はと言うと、ベビに睨まれカエルのように微動だにしなかった。

樹の顔にスッーと汗が流れ落ちる。


「あ、用事!思い出したから大地!北条さん!また今度!」


と言うとほぼ同時に玄関へと走り去っていった。

さすが樹。運動神経がいいな。


「あれ?友達来てんの?大地」


そう言って樹と入れ替わりに姉の七海がリビングにやってくる。

樹は帰って、リビングには俺と楓、姉貴の3人。

これは、荒れる。そう感じた。

姉貴(ラスボス)

(ボス)


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