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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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43話 おじいさん

作者の現状

モンハン→楽しい

スプラ→楽しい

楽しい→いつの間にかしている

そういうことです。はい

さて。俺は今、楓の家のリビングにいる。

短い距離だが走ってきたので少し息が苦しそうがそうも言っていられない。

なぜなら、俺の前に異様に威圧感が溢れ出ているじいさんがいるからだ。そのおじいさんは昨日、見た年配の男性でその隣には同じく昨日見た年配の女性がいる。

おじいさんは俺を睨むように見てくる。しかも俺の正面。

俺の隣には楓はいるのだが、口を開かない。


「「「「…」」」」


4人分の沈黙が流れる。

俺は居た堪れない空気に小さな声を上げる。


「なぁ、楓?これって…」


どういう状況だと、楓に耳打ちで聞こうとすると


「少年!…近くないか?」


「す、すみません!」


おじいさんからの唐突な大きな声に驚いて俺は反射的に謝ってしまった。


「もう!おじいちゃんったら…!」


「い、いや、つい…」


そう言って楓とおじいさんが話していると、おばあさんが話しかけてくれる。


「あなたが、楓ちゃんの彼氏さんなの?」


「えっ!?」


おばあさんはゆっくりとだがはっきりそう言った。

俺は驚きの声を上げながら楓に目配りをする。

楓が頷いているのでそう言うことにしてくれ、と言うことだろうか…。

唐突すぎないだろうか…?だが、状況を飲み込めない俺はとりあえず合わせることにする。


「えっと、その、そうですね。楓さんとお付き合い、をさせてもらっている神谷大地(かみやだいち)って言います。すみませんが、お2人は…?」


おおよその検討はついているが一応、ご老人と楓の関係性を知りたかった。

しかし、我ながら唐突にしてはいい感じの自己紹介だったのではないだろうか!?あ、その割に服装はちょっとラフな格好すぎたか?

と、1人反省会をしているとおじいさんが口を開く。


「わしは北条義治(ほうじょうよしはる)。楓からすると祖父になる」


そう言って険しい表情のまま言う。このじいさん怖いぞ…。


「わたしは葉子(ようこ)。楓ちゃんの祖母ってことになるわね」


対しておばあさんはニコニコと優しそうな表情で挨拶をしてくれる。若干こちらを見極めようとしようとしている気がするわけだが。まあ、可愛い孫娘の彼氏ともなればそうなるだろう。付け足すなら今だけの、だが。

そんな事を考えていると義治と名乗ったおじいさんが言う。


「それで…少年。大地くんだったな。孫娘とは、そのどのようにして、つ、付き合い始めたのだろうか?」


少し動揺したように言葉を詰まらせながら話す義治じいさん。


「えーと、そのですね…」


実際に付き合っていない事なので俺は言葉を詰まらせていた。

すると、


「もう!おじいちゃん!?」


と、今まで黙っていた楓が大きな声を上げた。

おじいさんは予想していなかったようで驚いた様子だった。もちろん、俺も突然の大きな声で驚いたが。

そんな中、楓は言葉を続ける。


「私たちが付き合いはじめたのはおじいちゃんには関係ない事でしょ!?それと今日はなんだか変だよ!?」


そう言葉を並べている楓。そう言われたおじいさんはオドオドした様子でおばあさんを見ていた。

すると、仕方なさそうにおばあさんが話し始める。


「ごめんねぇ。2人とも。今日はこの人、威厳を見せるとか言ってたんだけどやっぱり合わないわよねぇ。横から見てても変だものねぇ」


おばあさんはそう言ってチラリとおじいさんを見ると、おじいさんは気まずそうに目を逸らしていた。

言い方は悪いかも知れないが、昔の人と思っていたので、じいさんがばあさんに助けを求めている様子には意外だと思ってしまった。


「うくぐ…。まあ、それもそうだな!さて!大地くん!」


そう言って開き直った様子のじいさん。

俺へ名指しの質問のようだが、正直何を聞かれても答えきれる自信がない。が、返事はするしかないだろう。


「はい…」


「そんな嫌そうにしなくてもいいじゃないか!?それで?孫娘とはどこまでいったのだ?もう、キスとかしたのか!?んん?」


じいさんは最初の頃とは打って変わりテンション高くそう言うのだが、俺は飲み込めていなかった。じいさんのテンションの変わりようと質問の内容の両方を理解するのには時間がかかってしまう。


「おじいちゃん!?」


「じいさん!」


楓とおばあさんの両方の叱責の声が飛ぶ。そしてじいさんはなんだかんだ言われていたが、俺はというと、1人あの放課後の事を思い出していた。


「おっ!?大地くん!?やっぱり何かあったのか!?」


多分、俺の顔が緩んでいたのだろう。俺の顔を見たじいさんはそんな事を言う。単純な質問か?それとも2人からの叱責から逃げるためか?しかし、そんな事はさせない。


「いえ、なんでもないですよ。それよりお二人が話があるようですよ?」


そう言ってニコニコしながら俺は楓とおばあさんを見て言う。

それを見たおじいさんは諦めの表情をしていた。

なんというか、最初の厳しそうなイメージは変わり、ユニークなおじいさんだと俺は思う。

そんなおじいさんが2人から色々と言われているのを見て、こうならないようにしたい。

この光景を見ながら俺はそう思うことしか出来なかった。

ベットで横になってると目を開けたら朝なんですわ…

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