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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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38話 元通り…?

最近暑いですね。頭使うと暑くなりますよね?そういう事です!

はい。言い訳しようとして、すいませんでした。

今の状況を説明する。

学校の進路指導室前の廊下で、俺の目の前には怒った様子の楓。その彼女から俺はバカと唐突に罵倒され状況が読めていない。

うん、本当になんで?やっぱり俺。嫌われてないか…?

そんなことを考えていると、目の前でぷんぷんと怒っている楓が言う。


「大地くんを心配して見に来たら桜木さんはいるし、大地くんも楽しそうに話しているし。…もう!」


そんなことを言って1人で怒っていた。いや、俺に言っているんだろうけど、なぜだか楓は自分に言い聞かせているようにも思えるのだ。

しかし何故、楓がここにいるのだろう。俺はそう思い質問する。


「なんで?どうしてここに楓が…?」


「えっ?大地くんが心配で来たんだよ?朝からなんだか元気なかったよね?」


なんてことないって顔で楓はそう言う。

俺はというと、あれ?そう思って声が出た。


「え?誰の心配だって…?」


俺がそう言うと楓はこちらを見て言う。


「大地くんだよ」


真っ直ぐとこちらを見据えてクスリと笑った表情で楓は言う。

こういう時にあれだが、つい見惚れてしまうような可愛らしい表情だった。

…え?俺ですか?嫌われて…ないよな?心配して見に来てくれるくらいだしな。ホッと一息ついた俺はボソッと口から出てしまった。


「嫌われてなかったのか…」


俺は安堵と共にそんな言葉が出てしまった。

すると、楓にも聞こえたようで。


「嫌われてなかったって。もしかして私に?」


少し驚いた表情で楓は言う。

俺は頷いて、そうだと肯定する。

すると楓は今度は断言するように言う。


「それはないよ!?絶対、はないかもだけど…。それでも今のところは大丈夫だよ!」


断言…?するように楓は言う。

少し心配にならざるを得ないが、絶対はないと言うものなのだ。

でも、そうか。嫌われていないと楓本人からそう言われたのはよかった。


「心配になる返事だけど。…そう言ってもらえてよかったよ」


俺は苦笑しながら心底思った言葉を口にした。


「えへへ、なんだか恥ずかしいね。でも、なんでそう思ったの?」


照れ笑いというやつだろうか?楓はそんな表情で質問をしてくる。

あ、そうだよな。それは気になるよなぁ。…言うしかないか。

俺はそう考えて言うとこにする。


「なんだか、楓に避けられてるような気がしたからさ。ま、それも勘違いだったのか、な?」


いや、避けられていたのは勘違いなのか?俺はそう思って語尾が質問するようになってしまった。

すると、今度は楓が顔を赤くして言う。


「それ、勘違いじゃないよ。その、私、大地くんと会うのが恥ずかしかったから…。」


「俺と?」


俺がそう言うと恥ずかしそうな楓はコクコクと頷く。

俺と会うのが恥ずかしい?なんで?別に俺、有名人でも俳優でもないよ?別に照れる必要もない一般人だよ?それなのに恥ずかしい?あ、もしかして昨日のか?そう考えた俺は言う。


「もしかして、昨日。だ、抱きしめたから…?」


俺がそう言うと、相変わらず恥ずかしそうな楓はコクコクと頷いて肯定する。

事故とはいえ昨日抱きしめられて恥ずかしかったようだ。というかそろそろその表情をやめてほしい。その、見ているこちらまで照れてきてしまうのだが…。…あ、そういえば。

俺は誤魔化すついでに、ふと思い出したことを楓に聞くことにする。


「そういえば小学校の頃。俺と楓って会ったことある?」


俺がそう言うと唐突の話題の変化に目をパチクリさせた様子の楓。

これはいきなりすぎだったな。ちゃんと説明しないと。

俺がそんなことを考えて口を開こうとすると、先に楓が切り出す。


「うん、あるよ。思い出した?」


イタズラする子供のようなニヤニヤした表情で楓は言う。

やっぱり、あの時の女の子は北条楓、彼女だったのか。


「あぁ、小4の頃だったな」


「そうだね?私は忘れたことなかったのに!」


そう嬉しそうに言う楓。


「いや、普通は覚えてないって」


俺は謝ることもせずにそう言う。高校生になった今では小学校のことを覚えている人の方が少数派だと俺はそう思うからだ。


「そうかな?でも、思い出してくれたってことはご褒美あげなくちゃね?」


そう言って照れ臭そうに顔を赤らめる楓。

そんな楓に俺は聞く。


「いや、そんな話したか?」


「えー、したよ?」


「した、か…?」


俺はそう言って思い出そうとする。

なんかしたような…?なんだったか?うーん。そう俺が考え事をしていると、頬に少し柔らかな感覚がした。

驚いてそちらを見ると楓が近くにいた。顔を動かせば当たるんじゃないかってぐらいの距離。そんな近くで見ると、楓の顔はとてつもなく顔が赤くなっていた。熱でも出てるんじゃないかってくらいにだ。

多分、俺も赤くなっていると思う。何をされたか分かっていたからだ。

直接聞くのは恥ずかしい俺は誤魔化すように聞く。


「…なんかした?」


「ううん、なにも!ほら、帰ろう!」


そう言って照れ臭そうな楓はそのまま廊下を駆けて行った。


「だな!」


そう言って俺は先に駆けて行った楓を追いかけた。

この時、俺は楓に顔を見られなくてよかったなって思っていた。ニヤニヤが止まらないとはこの状態をいうのだろう。

この時、こっそりと先生が聞いていたとかいなかったとか。

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