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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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37話 なんだかんだで

最近、いよいよ本格的な暑さになって来ました。体調にはお気をつけて。

作者は明日も頑張ります。仕事を…。

俺は桜木から正論を叩きつけられていた。

でも、思考を読めてるような感じだったじゃん?あ、やっぱりダメ?そっすよね。

俺の不服な思考は桜木の睨みで黙らされていた。

そして、そんな俺は下っ端臭のする喋り方になっていた。


「すいやせん。姉御。それでなんやしたっけ?」


「まず、その変な喋り方。恥ずかしいからやめよっか?」


「ゴホッゴホッ!!ンンッ!それでなんだっけ?」


俺は大袈裟に咳き込んだフリで誤魔化して話し方を戻し、桜木に聞く。


「いや、喋り方が戻るだけ!?話の続きは!?」


そう言って桜木は続きを促す。

えーと。なんだっけか。あ、アレだったな。


「朝の話だったな。樹に話したことの」


「そうそう!それ!本当に北条さんに嫌われたって思ったの?」


「だってそう考えるしかないだろ?」


「普通なら確かにそう…かも?」


そうだろ?と俺が言う前に桜木は続ける。


「でも、今だから言うけど神谷くんは思い込みがすごいよ?」


「はい?」


唐突の話題の変化に俺はついていかなかった。

そんな俺を置いて何を勘違いしたのか桜木は続ける。


「ごめん。そう言うと馬鹿にしているみたいだよね。えーとね、神谷くんは少し思い込みが激しいんだよ。知ってる?」


「いや、なにも変わってないぞ!」


「いいの!言葉が浮かばなかったから!それで本人は自覚あるの!?」


「えーいや、いきなりそう言われても…」


俺は桜木の勢いに負けて考える。

思い込みが激しい?そういったらアレだよな?実際はそうじゃないのにそうだと思うやつ。完全に偏見だけどストーカーの人とかそういう人が多い気がする。

そこまで考えた俺は一拍置いてある考えにたどり着く。

…え?俺、桜木にそう思われてんの?ということは、俺はストーカーになるのか?ストーカーしている本人に自覚ないって言うし。今まで気づかなかっただけで実はってパターン?

そう考えた俺は不安で桜木に聞く。結構深刻そうな声が出た。


「俺って実はストーカーだったのか…?」


「はあ!?またなに馬鹿なこと言ってんの!?」


「だってさ…」


そう言って俺はさっき考えたことを言った。

するとそれを聞いた桜木は、こいつ馬鹿なんじゃねぇか?という目で見てきて言う。


「そういうところ!思い込みが激しいって!分かる!?」


「あー!確かにそうだな!」


納得。俺は手のひらを叩いて目から鱗。棚からぼたもち。豚に真珠。と何個か知っている諺を思い出した。どうでもいい諺もあったが気にしない。

そんな俺を無視して桜木は続ける。


「それと!中学校の頃。俺ってモテないよなって、言ってたじゃん?」


「あー確かに言った気がする」


確かに中学校の頃に桜木にそんなことを聞いた気がする。気軽に話せる桜木だからポロリと言葉が出たのだが、今思うと恥ずかしい。


「でもね、意外と、本当に意外とほんのちょっぴり人気はあったよ?」


「おぉ…。まじか」


俺は驚きの声を上げる。

今までそういった色恋沙汰が無かったので知らなかった。というか、桜木?そこまで否定的にならなくてもいいんじゃないかな?その本当に意外とほんのちょっぴりの人に失礼じゃないかな?あと俺にも失礼だぞ!?

あ、それと。と思い付いた俺は言う。


「それと、それって男じゃないよ、な?」


桜木は人気とだけ言っていた。女子と言っていない。つまりは男の可能性もあるわけなのだ。だがら俺は聞いた。もちろん俺にそっちの趣味はない。ぬか喜びしたくないから一応の確認だ。

すると桜木は考えながら言う。


「…男子にも人気はあったと思うよ?」


え?それって…。俺は身の危険を感じた。

そして桜木は言葉を続ける。


「でも頼れる先輩としてだよね」


俺の身の危険はすぐに鳴りを潜めた。よかった。俺の平穏は守られたようだ。


「ふぅ…。そうか」


「なんの安堵なの。でもこんな男を好きになる人も大変だねぇ〜?」


「え!?」


「いいんだよ。もう中学校じゃないんだし」


俺はそう言う。さっきの話を中学校で聞けたらどれだけよかったのか。だが、少なくとも彼女ができる希望は見えた…のか?と少し安堵する。

…ん?なんか驚いた声がしたような?俺はそう思って後ろを振り返る。

すると綺麗な黒い絹のような糸状なものが近くの廊下の柱に吸い込まれるように動いて隠れる。


「「…」」


2人分の沈黙が流れる。

1人は俺。もう1人は柱で隠れている人物のものだ。黒い絹のような美しい髪の持ち主。俺はその人物を知っていた。


「楓…」


俺がそう言うと、柱の影から鞄で顔を隠している楓が姿を現す。

鞄で隠している顔はなんだか赤く、見ているこっちまで赤くなってしまう。

それに釣られたわけではないと思うが、朝の時は会うのは気まずいと憂鬱な感情だったが、今はそのような感情はなく普段通りに話せそうな気がする。桜木と話したのもいい気分転換になったのかもしれない。

そう思った俺は桜木を探すが、楓とは反対の廊下の奥にピンク髪の後ろ姿が見えた。いったい、いつの間に行ったんだ?


「大地くん…」


桜木の方を見ていた俺だが、名前を呼ばれて楓を見るとこちらに向かってゆっくり歩いてきていた。

一歩、また一歩と。そして楓は俺の前まで来ると一言。


「バカッ!!」


唐突な罵倒の言葉に俺は、


「え…?」


そう言ってポカーンとしてしまった。

え?

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