4話 2人での帰り道
誤字脱字、また意味がわからなくなっていたら、教えてほしいなって| |д・)
「私です…」
その北条さんの言葉が頭の中をよぎりながら、昼休みに突入した。もう、関わることないと思ったのにまさか同じクラス委員になるとは。多分、クラスメイトもまたあいつか…と、俺のことが頭にあるだろう。俺も人気じゃん!?いや、そんな事はない。
と、そこに
「おいおい!よかったじゃねーの!」
「担任に言葉巧みに扱われるんだぞ…。雑用ばっかじゃねえか…」
樹がウキウキしながらこっちにくる。
それに俺はこれからの役割に頭を悩ませた。
「でもよ。あの北条さんと一緒のクラス委員だぜ?あんかあるって期待しないのかよ!?」
「なんかあるってか、もう一波乱あったからな… しかも北条さんの間違いだったみたいだし…」
樹の言葉に俺は期待のないことを言った。
けど、正直、北条さんと一緒になれたのは嬉しい。
けど、こいつの前でそう言ったら、からかわれるのが目に見えてるので、言葉にも表情にも出さない。
「まあ、それでもよぉ?」
そう言いつつ、樹が北条さんの方を見る。
北条さんは周りと弁当を広げて楽しそうに話している。
まあ、樹が言わんとすることは分かる。
「言いたいことは分かるが、どう考えても高嶺の花ってやつだって。それに俺も今は俺の時間を大事にしたいし」
それ、どうせゲームだろ!?と言う樹の声を聞き流しながら考える。
こんな役得とか滅多にないし、ラッキーと思いつつ学校生活を送ることにする。
そう考える平凡?な男子高校生高校生、神谷大地であった。
昼休み終わり間際、
「それじゃあ、午後からは私がするね!」
少し恥ずかしそうに、確認してくる北条さんが近くにいた。
確かに午前中は俺がクラスの挨拶をしていたけど。そのまま続けてもよかったが、すると言われてしまえば、簡単に従うのが神谷大地であった。
「じゃあ、お願いするよ」
「うん!」
そう短めのクラス委員の会話だったが、俺は北条さんと話せて嬉しかった。もちろん、男子高校生としてだ。北条さんも心なしか嬉しそうだ。午後は北条さんがクラスの挨拶をしてくれた。
*
放課後、少しクラス委員のことで話がしたいと、担任の山田先生に止められた。
もちろん、もう1人のクラス委員も呼ばれるわけで…
山田先生の言うには、クラス委員は、授業の始まりと終わりの挨拶、欠席者の連絡、他委員会の欠席者の代わりをする、と言ったまあよくあるやつだなと思った。中学の時もそんなもんだったぞ…。
もちろん、2人で俺の指示に従ってもらうこともあるがなと、付け加えるように担任の山田はそう言った。
揶揄うように言って楽しそうだな?と顔や声には出さないながら、俺の心では火山が噴火していた。いや、噴火は言い過ぎか。噴火間際の地震ぐらいにしとこう。
相方の北条さんはというと、少し嬉しそうな顔しながら話を聞いていた。
そんなにクラス委員が嬉しいのだろうか…?
話が終わる頃には辺りが少し暗くなっていた。
山田先生の話上手もあるのか、そんなに時間が経っていないように思ったが…
「悪い。だいぶ遅くなったな。今日は早く帰ってくれ。あ、神谷は北条さんを送ってやれ。それが男の仕事だ!」
と、ようやく解放された。
*
気まずい…
非常に気まずい…
昨日の今日でこんなことになるなんて…
俺、そんなに悪いことしたかな…?なんて日頃のことを考えてると、
「ごめんね。送ってもらっちゃって…」
「いや、これも頼まれごとだからね。気にしないで。」
北条さんは本当に申し訳なさそうに言ってきた。
俺は答えたが、非常に気まずい。
「でも、神谷くん。私のこと…」
と、とても言いにくそうに顔をしかめながら、言葉を続けて止める。
ん?俺がなんて?なんかしたっけ?
あー、なんか分かったような気がする。
「正直に言うよ?俺は北条さんのことは嫌いじゃないよ?ただ、ちょっと気まずかったからさ」
俺は気まずさから、今日は少し北条さんを避けるようにして動いていた。だから北条さんは嫌われたと思ったのかも知れない。だから誤解を解くように言うと、
「え?ほんとに?」
さっきまでの顔が嘘みたいに消え、期待したように黒い瞳に光が戻る。
「ほんとほんと。それにこんなにかわいい女の子と帰らせてもらって俺がお礼言いたいくらいだ!」
元気付けるように、そして冗談めかしてそう言った。
そうすると、北条さんは俯いて、
「うん。ありがとね…」
消えるような声で、北条さんはそう言った。
よしよし、なんかいい感じじゃない?