29話 彼女たちのお願い?
急展開じゃん?
作者も驚きの急展開です。
今、俺の目の前に1人の男が倒れていた。
その男が言う。
「だ、大地…。あとは頼んだぞ…」
苦しそうに言う。だが外傷はどこにも見当たらない。それはそうだろう。
なぜなら、今はサバイバルゲーム。通称サバゲーのフィールドにいるのだから。エアソフトガンという道具を使って撃ち合いをするやつ。もちろんそんなものを使うので怪我をすることもあるのだが、基本ちゃんとした格好をしていれば大丈夫なはずだ。弾が当たったらヒットと言ってフィールドから出てセーフゾーン、待機室に行かないといけない。その時は自己申告制なので紳士淑女のゲームだと言われているらしい。聞いた話だけど。
今はそんなサバイバルゲームに参加していた。
*
テストの答案用紙が帰ってきた日。
俺、神谷大地、北条楓、平坂朱音は順位を見せ合っていた。
そしてこの3人の中で俺は一番順位が下だった。
テストの結果が一番低かった人がなんでもいう事を聞く。
その結果で俺は2人から言われたのが、このサバゲーに連れてって欲しい、だったのだ。
2人とも赤い顔だったので何を言われるかとハラハラしていた俺だったが、そう聞いた時はポカーンとしてしまった。意外も意外。本当に聴き間違えかと思った。
なんでだろうと思い、2人に聞いてみると、掃除の時にクローゼットでサバゲー道具を見てから気になっていたのだとか。
そこから俺は親父にお願いした。意外とあっさりオーケーをもらえて、こうして休みの日にサバゲーのフィールドに来ていた。
ちなみにメンバーは俺と楓、朱音、樹と桜木。
楓と朱音は自分でしたいと言い出したので分かるだろう。樹は俺が呼んだ。すると樹が小春も呼ぶかと言って桜木も急遽参戦することになったのだ。
そうして親父を抜いて5人のメンバーが集まっていた。
ここまでの車やら装備持っていない人に装備とか色々親父が見繕ってくれたのだが、金額は知りたくない。
*
時は戻る。
「い、いつきぃぃー!! …おい、いつまでも倒れてないではやく出ろって。迷惑だろ?」
「ったく、つめてーな。あ、ヒットでーす!ヒット通りまーす!」
俺の親友の里山樹はそう言いながら歩いていく。すると心配そうな声で楓。
「里山くん、大丈夫なの?」
「あぁ、大丈夫。演技だしなアレ」
俺が素気なく言うと、同意するように呆れた楓の声が返ってきた。だが、分かるぞ樹。俺も楓達がいなかったら、あんな演技するもん。
「いくらなんでも大袈裟すぎるね…」
「ん。」
シンプルながらに同意する朱音の声もする。
「いつもそうだからね」
やれやれと言うように桜木の声。
「桜木?意外と樹と来てたりする?」
「うん。たまにね?いっくんが行こうって行ってくれた時は行くぐらい」
「へー意外だな」
「まあ、いっくんと付き合ってから色々変わったからねぇ〜」
「まずはその髪とかな?目立つだろ?」
桜木小春。中学の頃は黒く長い髪だったその髪は今では肩あたりまでの長さで名前の桜と同じようなピンク色になっていた。
「ピンク可愛いじゃーん!なに?もしかして似合わないとか!?」
「いや、似合ってはいるけどさ…」
「え?そう?ありがとね」
満更でもなさそうに照れる桜木。
「大地…?」
「大地くん…?」
俺は楓と朱音の2人に銃口を向けられて殺意を感じていた。
「ち、チームメンバーを打つことをフレンドリーファイヤって言うんだ。誤射した人にはちゃんと謝ること。だから撃たないで…」
俺がそう言って縮こまる事でお許しをもらえたようだ。
「ん。これから気をつける」
朱音さん。何に気をつければよろしいのでしょうか!?
「大地くんはそういうところあるから…」
楓さん。そういうところってどういうところなんですかね!?
「昔から若干あったよ?」
桜木さん!?まさかのあなたも参戦ですか!?あと何が若干あったんですかね!?
俺の心の中のツッコミはもちろん聞こえるはずもなく、楓と朱音、桜木はそのまま女子トークへとなった。
お嬢さん方。ここは戦場だぜ?と謎キャラになった俺は気を持ち直して動こうとすると、胸元にパスっと言う音と共に感触。弾が当たったのだ。
「あ、ヒットでーす!ヒット出まーす!」
俺が大声でそう言ってフィールドから出ていく。横目で3人をみると、3人はハッと気づいたように動いていた。
まあ、3人を動かせたからよしとするか。
俺はそう思いながら樹の待つ、セーフゾーンへと向かった。
実は夏休みごろにこんな感じで書こうと思ってたんですけど、姉まで出てきたら収集がつかなくなってしまうと言いますか、正直言いますと、早く描きたかったです…。