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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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幕間 休日の勉強会2

また、明日から投稿がまちまちになるかもしれませんが、やめません。それは約束します。

朝、俺は寝ぼけた目を擦りながら玄関に出る。

インターホンがなったからだ。今日もお袋も親父もいないから仕方ない。


「おはよう!…眠そうだね?楽しみで寝れなかった?」


「いや、勉強会が楽しみとかどんなガリ勉だよ。ただ、昨日夜更かししてなぁ…。」


と、言いつつ俺の目は閉じようとしていた。

まじで眠い。明日が土曜日だからって夜更かしし過ぎた。


「そうなんだ?…とりあえず上がっていい?」


「あ、ごめん。遠慮なく上がってくれ」


「ううん。お邪魔します」


そう言って楓は玄関を通る。

頭が回っていない俺は気づかなかったのだが、今日は春にも関わらずとても気温が高かった。だからか半袖短パンの部屋着のような薄着で髪はポニーテールにしている楓。だが暑いものは暑い。そりゃ早く上がりたいよな。


とりあえず俺は楓と部屋に行く。


「悪い。マジで眠たいから少し寝てていいか?朱音が来たら起こしていいから」


「そんなに眠たいんだ?うん、分かったよ。おやすみ」


「あぁ、おやすみ」


俺はいつものようにベットの上で寝る。その時に枕を顔のの上半分に乗せるのが俺の癖だ。サンドイッチみたいになるのだが、枕の重みが意外と癖になる。

そうして俺は意識を手放した。



どのくらい時間がたったのかは分からない。


「大地。起きて」


朱音の声で目を覚ます。体を起こしながら見渡す。

あれ?朱音がいる。…なんでだ?いや、そうだ、勉強するためだ。でも、俺は玄関に出ていないはず。なら楓か?

だが、楓の姿は見えない。


「朱音?楓は?」


「一度、帰るって」


時間を確認すると寝てから30分くらいしか経っていなかった。いや仮眠で30分は長いな。


「もうか?忘れ物でもあったのか?」


「ん。分からない。でも、楓。顔、真っ赤だった。」


「なんで?」


「分からない。けど、負けた気が、する」


「なんでだよ…」


俺は2度目の疑問を口にするのだが、答えは返ってこなかった。

しばらくするとインターホンが鳴り、いつも通りの楓が戻ってきた。


「楓?忘れ物か?」


「ううん…あ、うん、そうなの!」


少し慌てたような楓。まあ、ただの忘れ物だったようだ。


「?そうか。朱音も待ってるし早く行くぞ?」


「うん!」


そう言って俺たちは部屋に向かう。

と、いうか朱音を上げたのは楓のはずだから知っているはず。まあ、そんなことはどうでもいいか。そう考えた俺だった。


部屋に帰ると今度は朱音が顔を真っ赤にして円形テーブルに座っていた。


「朱音?なんだが顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」


「大丈夫。その、今日、暑いから…。」


確かに暑いがそんなに真っ赤になるほどだろうか?

本人が大丈夫だと言ってるので大丈夫だとは思うが。


「なら、いいけど無理そうだったら言うんだぞ?」


「わたしも、そんなに、子供じゃない」


「でも、ほんとに朱音。顔真っ赤っかだよ?」


「ん。楓。人のこと、言えない。さっき真っ赤だった」


「そ、そんなことないよ!」


そんな事を言いながら2人とも顔を真っ赤にしていく。俺はいつものことながら1人、話を聞いていた。寝ててもいいかな?

勉強会が始まるまでまだかかりそうだったので俺はこっそり寝ることにした。例の枕のサンドイッチで寝ようとしたのだが、顔に乗せる方の枕から少し楓の匂いがした気がする。考えすぎな気がするので気にしない。俺は2人の話し声をBGMとして寝ることにした。意外と寝れるものだった。


俺が起きると2人は静かにペンを走らせていた。2人の表情を見ると一生懸命に問題を解いている。こちらにも気づいていないようなのでもう一度寝ようと目を…


「大地くん?起きたよね?」


「大地。起きた?」


ほぼ同時に2人に声をかけられた。

嘘だろ。ばれてらー。


「あぁ起きたよ…。悪いな。寝てて」


「それはいいんだけど、今は静かにしてて」


そう真剣な表情の楓が言う。今までで見たことないような真剣な表情だ。それは朱音も同じなのだが。

2人は真剣な表情のまま問題を解いている。

さて、どうしたもんか。とすることもなく俺は考える。

するとまもなく、ピピピッ!とアラーム音が鳴る。楓のスマホからだ。


「朱音。時間だね」


「ん。」


2人で時間を決めて問題を解いていたようだ。それにしては真剣な表情だった。


「答え合わせはちょうどいいから大地くんにしてもらおうかな。いいよね?朱音」


「ん。もちろん」


「それじゃあ大地くん。この答え合わせをお願い?」


そう言いながら楓はノートとおそらく答えがのっているテキストを渡してくる。朱音も同様だ。


「分かった。いいけど…」


なんで?とは口に出さない。経験上ここで口に出しても答えはないからだ。それに自分でもできる答え合わせを俺に任せるというには意味がある。そんな事を考えたからだ。

黙々と俺は2人の解答を採点していく。


「終わったぞ。ほら」


そう言って俺は2人にノートを返す。

そんな2人はノートを見せ合っている。


「私の勝ちだねっ…!?」


「むぅ…。」


2人とも同じ問題でいい勝負だったのだが、今回は楓の方に軍配が上がったのだ。採点した俺には点数はもちろん分かっていたが、勝負していたのは知らなかった。だからあんなに必死に解いていたのか。


「なぁ?何か勝負してたのか?」


「そうだね。ねえ、朱音?」


嬉しそうな楓が言うと悔しそうな朱音が、


「そう、だけど…。」


歯切れ悪そうに答えていた。

なんの勝負かは結局は分からないが、今は昼ごろになっている。


「とりあえず、ご飯食べようか?」


「そうだね!」


「ん…」


そう言う事で俺たちは近所の定食屋へとご飯を食べに行こうとしたのだが、楓に止められた。


「この格好じゃ…。ね?」


恥ずかしそうに言う楓。

確かに部屋着のような薄手の半袖短パンの女の子を外に連れて行くのはまずい気がする。

そういう訳で急遽、出前でピザを頼んだ。楓が。

俺、人付き合いも苦手だけど電話するのも苦手なんだよね。電話越しで狼狽(うろた)えた俺を見かねて楓が代わって注文をしてくれた。そんな楓が女神に見える。あくまで例えなのだが、実際そう言ってもいいくらいの容姿なので余計ややこしい、とは俺の考え。

あと、2話分ほど続きます。

とりあえず今日はここまでで

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