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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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28話 2人の成績

時間なさすぎて…。まあ、これは趣味なので。

北条楓(ほうじょうかえで)平坂朱音(ひらさかあかね)。2人の話し合いのような、いちゃつきのような、そんな事が終わり、ベットを降りながら乱れた服装を直していた。


「それじゃあ!おごってね!」


「むぅ…。仕方ない」


どうやら朱音が楓に何かをご馳走するようだ。

俺はというと別のことに集中していて普通に話を聞いていなかった。まあ、そういうこともあるだろう。

そんな考え事をしていた俺はしばらく黙っていた。

すると、そんな俺に2人は話してくる。


「大地。その時は、よろしく」


「大地くんなら代わりに奢ってくれそうだね?」


いや、なんのことだ?だが、女の子に奢らせるというのは気が引ける。まあ、高校生で奢るというと飯とかそんなものだろう。そこそこの出費だがなんとかなるだろう。なら、大丈夫か。いや、まて俺。さりげなく2人と行くことなってるけど…?と、俺は考えていた。


「いいぞ。朱音に奢ってもらうのは男として気が引けるからな。でも俺も行っていいのか?」


「え?来てくれるよね?」


「大地。来る、よね?」


2人に少し不安そうに見られる。

え、そんなに俺と行きたいの?いや、そうじゃないな。浮かれてはダメだ。外でご飯を食べるには財布。その財布が俺。ただそれだけなんだ。と、余計な事を考えないようにする。


「行くよ!行く!ただ、場所とかは詳しくないぞ?」


「場所?それなら私の家だけど…?」


そう言う楓。

え?飯を食べに行くとかそういうのじゃないの?まあ、楓の家なら食べに行くことにはなるけどさ。その、ファミレスとかに行くもんだと思っていた。それと朱音の家じゃないのは妹さんや両親がいるからだろうと考える。


「そう。それで、材料費は、わたしが払う」


あぁ、なるほど。外で食べるならそれなりのお金がかかるけど、家で料理を作れば外で食べるより安く済むだろう。もちろん料理できる人がいればだが。

で、その材料費を朱音が払うつもりだったと。

それなら俺が払っても全然問題ない。むしろ食べるだけになると思うから払わせてくれ。


「それなら俺が払うって。多分だけど食べるだけになりそうだし」


「それは…そうだね。朱音?ここは大地くんを頼ろう?」


「ん…分かった。大地、ありがとう」


「気にすんなって」


2人とも素直に聞いてくれて助かった。でも、楓?そもそもの原因はあなたですよ?まあ、作るのは2人だから何も言えないし、料理は美味しいので楽しみだな。俺はそう考えていた。


そんな事を考えていると太陽が傾いて窓からオレンジ色の光が入ってきていることに気づいた俺。


「なあ?そろそろ本来の目的を果たさないか?」


「本来の…?」


「もく…てき…?」


2人とも不思議そうな顔をしていた。

いや、俺もついさっきまで忘れていたけど。俺も含めてここの集まりは目的を忘れがちだわ…。

俺はそう思いながら、テストの用紙を出す。テストの結果をまとめた用紙だ。


「あ!そうだったね!?」


「ん!だった…。」


やはり2人とも忘れていた様子だ。

まあ、それはそれとして2人の結果は気になる。だから自分から出すことにする。そうするとあとは勝手に出してくれるだろう。


「早速だが、俺はこんな感じだ!」


俺はそう言って、勉強会の時から出しっぱなしの丸テーブルに用紙を広げる。


「まあ、大地にしては、がんばった…?」


「わ、わぁ。なんというか、頑張ったね?」


朱音と楓。2人とも歯切れが悪い。

俺的には勉強会のおかげで順位が上がって、ドヤ顔だったのだが今では恥ずかしい。そんな優しい目で見ないで…。


「お、俺にしては頑張ったんだよ!?2人はどうだったんだ!?」


「私はね…」


「ん」


俺は誤魔化すように言うと、2人は小さな鞄から綺麗に折られた用紙を出す。俺は適当に折って学校鞄に入れたのでヨレヨレだった。ここでも頭の良さの出ているのか…!?

そんな考えは置いといて。

2人の結果を見る。

朱音は学年で12位。かなりの上位だ。もともと勉強が出来るのは知っていたがここまで上位に入るとはな。感嘆する。


「おぉ…。朱音、更に順位を上げたな。」


「ん。でも楓に、負けた…」


しょんぼりした朱音が言う。

マジか?それで楓はっと…。2位。え?2位?マジで?普通にすごい。それ以外言葉浮かばないんだけど。


「楓、すごいな」


「あはは。ありがとう」


誤魔化すようにして照れて笑う楓。可愛らしい。

だが、俺はここ思い出す。

『順位が一番低かった人は残りの2人の言う事を聞く。』

日曜日の勉強会の時に何故だかそうなっていた。

それでこの場合、61位の俺がこの中で一番下。うん、これは言わないほうが吉だろう。


「ねえ?それで日曜日のこと覚えてる?」


照れたままの楓が言う。

俺はというと、とぼけたふりをする。


「日曜日…?あぁ、朱音と楓のテスト勝負か?」


「大地。それは、また別」


今度は少し不機嫌になった朱音から指摘される。

逃げ道がなくなっていく。


「ほら?日曜日に決めた、一番順位の低かった人が順位の高かった2人の言う事を聞くって」


楓にハッキリと言われてしまい俺は観念することにした。


「そうだな…。そうだった」


「それでこの場合、大地くんだよね?一番低いの」


「再認識させなくていいぞ…?俺が恥ずかしいから…」


「あはは。それはごめんね?でもそれなら…」


そう言って楓は言うのだが、俺は衝撃的すぎて聞き取れなかった。いや、耳が受け付けてくれなかったのか?ここまで黙っていた朱音も機嫌を直し、少し頬を赤らめていた。

なんと言われたんでしょうかね?

もちろん悪い事ではないです。

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