27話 おはよう
日曜日に連投するのが日課になってきたかも…?
話ばかり進んで過去は振り返っていません。
ていうか、話。進んでる?いや、進んでないや。
さて、俺は自分にベットに寝ている2人をどうしようかと悩んでいた。寝ているのはクラスメイトの北条楓と幼馴染の平坂朱音。2人とも可愛らしい顔をしているので寝顔も可愛らしく、私服姿で無防備だった。写真とかで撮って待ち受けにしたいくらい。
これ、写真とか撮ってもバレないんでは…?いや、流石にそんな事はしない。俺の理性が勝ったのだ。
それじゃ2人とも起こすか?でも寝ているところを起こすのは悪いしな。うーん…。とりあえず、見なかった事にするか!
俺はそう思い、手に持っていた布団をかける。
「大地くんっ…!?」
布団をかけた瞬間に小さくそんな声が聞こえた。
楓は寝たふりだったのか。確かに部屋に向かってからそんなに時間は経っていない。寝てたら早すぎると今更ながら思う。それとは別に俺は写真を撮らなくてよかった…と安堵していた。
「楓?寝たふりだったのか?」
「あはは。まぁね?」
布団から顔を出しながら言う楓。しかし、顔を半分を布団で隠して話すので口元は見えない。
でも何故寝たふりをしていたのか?
「なんだって寝たふりをしてたんだ?」
「いやね?私も大地くんの部屋に来たら朱音が見当たらなかったの。そしたら朱音がベットで寝てる事に気づいて、私も〜って思ってね?でもすぐに寝れるわけなく今に至るわけだよ?」
「いや、まずなんで寝ようとしたんだよ…。朱音もなんで寝てるんだか…」
俺はそんな2人に呆れていた。いくらなんでも男の部屋で何してるんだよ…。これ、俺じゃなかったらアレだよ?多分、家族会議とか起こってたよ?これからの人生とか関わるレベルの。そのぐらい2人は魅力的で普通の人では耐えれなかったと俺は思う。
そんな俺の考えをもちろん知るはずもない楓は言う。
「私も朱音が寝てるのは分からないよ?でも、気持ちよさそうに寝てたからつい…」
「つい、でしていい事じゃないぞ?俺だからよかったものを。まったく」
「大地くんだからだよ…」
楓がボソッと何か言ったようだが俺には聞こえなかった。
それよりそろそろもう1人にも起きてもらいましょうか?
「ほら!朱音?起きろ!?」
「朱音〜?起きて〜?」
「ぅん…?」
俺は声だけで、楓は声と揺さぶりながら起こそうとする。
朱音は寝ぼけた目で上半身を起こした。
「起きたか?」
「たぶ…きゃっ!」
多分。楓がそう言おうとした時、朱音がふらりと後ろに倒れ、抱きしめられるようにして巻き込まれる。そして、そのまま抱き枕みたいになる楓。その時に布団は足元だけにかかっていた。そうすると、2人の姿は確認できるわけで。
ほう?ここが楽園か?これはなかなかお目にかかれないぞ!?
美少女2人が少し乱れた私服で抱き合っている。正確には朱音が抱きついているわけだが。
そんな当事者の楓はどうしたもんかと考えているようだったが、どうしようもなさそうだ。寝ている朱音に抱きつかれて拘束されてるし。おそらくだが足も絡められているのだろう。布団の膨らみ的にそう俺は考えた。俺はというとその光景を目に焼き付けようと真剣な眼差しで見ていた。まだいいじゃないか…。俺だって高校生なんだから。
さてと、そろそろ楓に助けろ、と目で訴えられたので俺は動く。
「朱音?ちょっと手に触るぞー?」
「ちょっと大地くん。変なところ触らないでよね!?」
楓がそう言うのも無理はない。朱音の手が楓の胸元あたりにあるのだから。ん?これ事故に見せかけて触れ…。いや俺にはそんな勇気はない。普通に助けよう。
「大丈夫。任せろ」
「なんだか不安だよ!?」
そんな楓を無視して俺は朱音の手に触れる。朱音ー?悪いけど動かすぞー。そう思いながら両手で慎重に朱音を手を上げて楓が逃げれる隙間を開けようとする。すると。
「えへへ…。大地…。」
「わっ…!?朱音!?」
寝ぼけた朱音がそう言うと開いた隙間は閉じ、朱音が楓に密着していた。俺の本日2度目、目に焼き付けタイムだった。
しかし、俺の名前を呼びながらだか楓が抱きつかれるとは。…羨ましいな。
そんな事を考えていると。
「だい、ち…?ぇ?楓?なんで?」
やっと目が覚めた様子の朱音。いや、俺が聞きたいよ。寝ぼけた朱音は楓に抱きついたりしてなかなか甘えん坊だった。だが、寝ていた時のことは覚えてないようで。
「おはよう?朱音?とりあえず離してくれるかな?」
「う、うん。ごめん。楓」
「いいんだよ?でも、大地くんの名前を呼びながら抱きしめられるのはちょっーと複雑な気分だったよ?」
「わたし…。ぇ?そうな、の?大地?」
こちらを見てくる朱音。真実なので俺は頷く。すると顔を真っ赤にする朱音。
「さっきのこと、忘れてっ…!」
「いいけど、どうしよっかな〜?」
そう言って悪戯顔でニヤニヤとしている楓と顔を真っ赤にした朱音がベットな上で話すのを俺は黙って聞いていた。ここは邪魔しないのが紳士というものだろう。決して俺が楽しむためではない。だが、2人とも楽しそうに話しており、見ているだけだがこちらも楽しくなってしまう。そんな雰囲気だった。
疲れたよ。パトラッ○ュ…。