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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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26話 テスト期間後の放課後

今、休みが日曜日しかない。ついでにその日曜日も仕事とかあるし…。

まあ、この話を投稿するのはやめないけど。

俺と楓は学校を出ると駆け足で走っていた。

その間、俺は家に帰った方が早かったよな?と今、朱音があるであろう場所について考える。

俺の家から学校まで歩いて約15分。隣の家である朱音と楓もおそらく同じくらいだろう。それで俺と朱音は三分の一は歩いていた。あと5分もあれば家に着いただろう。

まあ、朱音は律儀というか真面目というか、約束をするとちゃんと守ってくれるやつなんだよなぁ。と俺は考える。


「ねえ!?どの辺で、朱音、待ってるの!?」


「あともう少し!」


走っている途中。楓が効いてくるので言葉を返す。

そろそろ朱音が待っている場所だった。


「大地。楓。遅い!」


「ふぅ…。悪い」


「はぁはぁ…。ご、ごめんね朱音。待たせ、ちゃって」


楓は息をきらせていた。最近、走り始めていたがテスト期間は勉強会で走れなかったのだろう。勉強会の後は遅くなるし、そんな時間帯に女性が一人で走るのは危ない。

そんな事を俺が考えていると。


「大地。ちゃんと、楓連れてきて、えらい。」


朱音に褒められた。しかも何故か頭なでなでもついてきた。少し背の低い朱音がつま先立ちでなでなでしてくる。恥ずかしいやら、嬉しいやら複雑な気持ちだ。いや、同級生の女の子に道端でなでなでされるのは普通に恥ずかしい感情が勝つ。


「朱音。やめてくれよ…。恥ずかしい」


「むぅ…。残念」


そう言って朱音はやめてくれたのだが。


「ねぇ?私のこと忘れてない?大地くん?朱音?」


「いや、忘れてないぞ?むしろ朱音が楓を連れてこいって言ってくれたんだぞ?」


「わたしは、大地が情けなかったから…」


俺は恥ずかしいから朱音に言われて楓を迎えに行ったことにしたかった。朱音は多分、同じように考えて俺が情けないことにして誤魔化そうとしていた。


「情けないって…。いや、確かにな」


「あはは!でもね?朱音。大地くん。かっこよかったんだ…!」


「楓?その話、詳しく…」


そう言って二人は先ほどの放課後の話で盛り上がっていた。俺はと言うと自分の話をされるのが恥ずかしいので少し離れていた。

早く家に着いてくれ…。5分ほどだった帰路は倍以上長く感じるのだった。



俺は家に着く。

二人とは一度分かれている。ご飯と着替えてくるとの事だった。

制服姿の2人を自分の部屋で見るのも謎の背徳感?そんなものを感じるのに、私服姿の2人を見るのは更にまずい気がする。まあ、なんとかなるだろう。と気楽に捉えていた。

俺はとりあえず、いつもの冷凍食品を解凍して食べようとしていた。料理に比べるとレンチンの解凍時間は圧倒的に短いが、妙に長く感じるものである。早くできないかな…?そんな事を思っているとインターホンが鳴る。

時計を見ると午後2時。2人が来るには早いから宅配か?そう思いながら玄関に向かう。


「こんにちは!大地くん!ご飯作るね!」


「え?楓?早くないか?ご飯作るって…。もしかして作りに来てくれた?」


「大地くんがよかったらだけどね!」


ふむ。冷凍食品。悪いがお前は晩御飯になる。それまで耐えていてくれ。


「それなら嬉しいよ。ご飯どうしようかと迷ってたから…」


「そうなの?まあ、私にまかせなさい!」


そう言って笑顔な楓を家に上げる。その際、楓が持っていたエコバックを預かりキッチンへと持っていく。


「ごめんね。手伝わせちゃって」


「なに、このくらいしないとな。なんなら今日は俺も手伝うし」


前の時は何故か部屋に追い出されたからな。今日くらいは手伝わせてもらおう。


「それならお願いしよっかな?」


意外と楓は素直に言葉を聞き入れてくれた。

俺たちはキッチンへと向かう。その時俺は電子レンジに入っていた冷凍食品を隠すように冷凍庫へ入れる。解凍していた物をまた冷凍するのは良くないと聞いた気がするけど、仕方ない。


「大地くん?なにしてるの?」


俺が急に動きが機敏になり気になったのだろう。楓に見せないようにしたんだから。楓に見つかると気を遣わせそうだったし隠すようにしたのだが、どうしたもんか。


「い、いや、なんでもないよ?さっそくだけど俺はなにすればいい?」


誤魔化すように言ったのだが意外と楓は気にしなかった。


「ん?そうだね…。」


そう言う楓の指示のもと料理を作り始める。


よし。料理があと盛り付けるだけとなった時にインターホンが鳴った。なので玄関に向かう。


「大地。きた…よ?」


「朱音。よく来てくれた。先に俺の部屋で待っててくれ」


「誰か、いるの?」


朱音がリビングの方を見ながら言う。物音が聞こえているから気になったのだろう。


「あぁ。楓が料理を作ってくれてる」


「…そう、なんだ」


少ししょぼんとして朱音がそう言う。楓の料理うまいもんな。食べたかったのか?


「朱音も少し食べるか?」


「いい。わたし、食べてきた。先に部屋で、待ってる」


そう言ってしょんぼりしている朱音は俺の部屋に向かっていった。


俺はキッチンへ戻ると、楓が料理の盛り付けを済ませていた。


「大地くん。誰だった?」


「朱音だよ。先に部屋で待たせてる」


「そうなの?一緒に食べればよかったのに…」


「食べてきたってさ。俺たちも早く食べて、テストの結果を見せ合うんだろ?」


「うん!そうだね!」


そう言って俺たちは食べ始めた。やはり楓の料理はおいしかった。おいしいと言うと楓は嬉しそうに照れるのだった。

食べ終わると先に楓を部屋に向かわせて、俺は皿洗いをしていた。流石に朱音1人待たせるのも悪いし、楓には作ってもらったからな。

皿洗いが終わり俺も自分の部屋に向かう。


「おい…。どうしてこうなった…?」


俺が部屋に入ると2人が見当たらなくて、少し辺りを見渡すとベッドが盛り上がっているのに気づいた。

布団を取るとそこには天使のような可愛らしい寝顔で2人が寝ていたのだ。

いや、本当になんで…?と俺は思うのだった。

大地。今のうちがまだ楽しめる期間だぞ…?

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