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気がついたら、隣の彼女が好意を抱いていた。  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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13話 彼女(友達)の料理

お久しぶりです。幼馴染さん。作者です。

もっと、出せって?まあ、舞台は用意しよう。

俺は着替え終わると、玄関で靴を履いて外に出る。

汚れが目立ちにくいと聞いた事があるので、黒色だ。

すげぇ、顔と手以外黒い。この格好、すごく恥ずかしくなってきたぞ。と俺は家を出た時から帰りたくなっていた。

しかし、行くと言ってしまったので行く。渋々。


「あ、大地(だいち)。珍しい、ね?外に出てるなんて」


と、偶然会った、幼馴染の朱音(あかり)が後ろから声をかけてくる。


朱音(あかね)…。この格好、どう思う?」


「真っ黒。それも漆黒(しっこく)。でも大地だから似合ってる」


朱音的には褒めたんだろうが、俺には、お前にはみたいな根暗には黒色がお似合いだ。そう言われたようで傷つく。

そんな朱音は、今日は前髪をヘアピンで片方に流すようにして顔を出し、カーディガンが春の色合いで普通におしゃれだった。あの、そう言っている俺の服装と語彙力もついでにどうにかして。いや、これ朱音にコーディネートして貰えば良くね?幼馴染だし、気楽に話せるもんな。

そう思った俺は、


「なぁ?朱音?今度、服買いに行くのついてきて。と、いうより場所から教えてほしい」


「ん…!大丈夫。わたしに、任せてほしい…!」


「お手柔らかに頼んだぞ!」


「わたしが、大地をお洒落さんに、してあげる」


そう言って朱音は誇らしそうに胸を張る。意外とあるな朱音。と失礼な事を考えていた。何がとは言わないけど。


「それで、大地?なんで、外。出てるの?」


朱音に言われて思い出す。


「あ、北条さんの家に行くんだよ。もう行かないとな。待たせてるだろうし」


「そうなの…?それなら、早く行ったほうが、いい。今日はわたし、邪魔しない。後で連絡、するね?」


機嫌が良さそうな朱音は、そう言って早く行くように(うなが)してくる。そんな言葉に俺は疑問に思う。何を邪魔しないのだろうか?と。しかし、こういう時は言わないのが出来る男というものだろう。




朱音と別れた俺は、北条家のインターホンを鳴らす。少しすると


「もう!遅いよ!」


と、エプロン姿の北条さんが迎えてくれる。

これは、やばい。何がというと北条さんがだ。朝来た時の姿にエプロンを着けている。髪の毛は一つにまとめていて、ポニーテールというのだろう。男子の憧れだろう?クラスメイトのエプロン姿。それが今、俺の目の前で実現していた。


「北条さん。その、エプロン姿も似合ってるね。なんというか新妻って感じでとても魅力的、かな?」


俺は顔を赤らめていたと思う。ついでに思っていた事も喋ってしまった。夢を見ているようで、頭が働いていなかったのだ。

その言葉を聞いた北条さんは


「私が新妻…?それなら、…くんは… かな?えへへ…」


顔を真っ赤にした北条さんがボソボソ喋っている。内容はよく聞こえないがなんだか嬉しそうだ。でも、これでは玄関に立ちっぱなしになる。そう思い、そのまま見ていたい気持ちもあったが、声をかけようとしたところ。

なんか焦げ臭いにおいが…。


「ねえ?北条さん?」


「えへへ…神谷くんと…」


なんで俺の名前が?と思うが焦げた臭いが強くなる。それと合わせるように俺も声を強くする。


「北条さん!なんか焦げてるよ!」


「はぇ?ん。あ!パン!!」


そう言って急いで北条さんが中に入る。

しばらくして、ようやく俺がリビングに通されると料理が並べられていた。そこにパンは並んでいなかった。スープとサラダと少し焦げたソーセージ&ハムとご飯。え?ご飯?米。ライス。代打ライスです!パンは尊い犠牲となったのだ。


いただきます。俺と北条さんが座って食べ始めると、悲しそうな北条さんが言う。


「私、パンを作るのが好きなの。よく作るから食べてもらおうって。少し難しいレシピだったから失敗しちゃった…」


そうなのか。どんなレシピかは知らないけど、いつもと違うパンを作ろうとしていた事は分かった。だからオーブンの時間とか間違えてしまったのだろう。

そんな北条さんを元気づけようと


「北条さんのパン!ほら、コッペパンも美味しかったし、絶対美味しいからまた今度食べさせて!ね?」


「うん、また作ってみる。その時は食べてくれる?」


「もちろん!むしろ食べさせて!」


実際、コッペパンは美味かった。もちろん、今日食べている料理もだ。と、ふと疑問に思った事を聞いてみた。


「北条さん。パン作り好きなの?」


「もちろん。と、いうよりパンを作っている時がお母さんのこと思い出すから…」


「もしかして、お母さん…」


「あ、別に亡くなってるとかじゃないよ!?その両親が離婚しちゃって。それでお父さんも仕事ばかりになっちゃったの。でも、大丈夫。パン作りも楽しいし!」


別に一生の別れじゃないから大丈夫。そう言っているのだろうが、それで悲しい感情が消えない。だから、それを誤魔化すようにパン作りをしている。俺にはそう言っているように聞こえた。


「そっか。北条さん!悲しい事とか、困った事、なんでもいいし、いつでも連絡していいからね」


そう言って俺の連絡先を教えた。お返しにと北条さんも教えてくれる。


「うん、ありがと。神谷くんは昔から優しいね」


嬉しそうにする北条さん。どうやら俺は正解を言えたようだ。ん?昔?

ちなみにオーブンでパンって焦げるの?

作者は過去にオーブンで餅を炭にした事はあるけど。

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