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童話

砂漠と流れ星

作者: 碧衣 奈美

チュアは星を集めます。

黄色く光っている、お星様の形をした星を集めます。

星は太陽砂でできた砂漠にたくさんあります。

みんな、空を通り過ぎた流れ星です。


流れ星は空を駆け抜けると、みんな、太陽砂の砂漠に着いて、

そこで太陽砂になります。

星砂にはなりません。

なぜなら、星達は

「次は太陽になって光っていたい」

と願うからです。


流れ星はよく、人間にお願いをされます。

でも一回言われただけでは、流れ星には聞こえません。

三回言われて、やっと流れ星はわかります。

流れ星がそのお願いをかなえてあげると、

宇宙のうぅんと遠くで小さな太陽になれます。

だけど、三回も言える人間は滅多にいません。

だから、流れ星は太陽砂にしかなれません。

流れ星は何とかして三回聞こうとゆっくり流れますが、

どうも人間には速すぎるようです。

だから、ほとんどの流れ星は太陽砂にしかなれません。


チュアは星を集めます。

太陽砂の砂漠につきささった星を、トラックに運んで荷台にのせます。

チュアには、太陽砂の砂漠を作る役目があるのです。


チュアはひとかかえもある大きな流れ星達をせっせとトラックへ運び、

太陽砂工場へ持って行きます。

工場の機械にその流れ星達を入れて、太陽砂を作るのです。

放っておいても、流れ星は勝手に太陽砂になります。

でもそうすると、長い長い、とぉっても長い時間がかかってしまうのです。

すると、太陽砂の砂漠は次から次へと流れ着く流れ星達で、

すぐにいっぱいになってしまいます。

そうなると、太陽砂の砂漠はあっという間に

“流れ星の海”

に変わってしまいます。

砂漠が海になっては困ります。

チュアは泳げないからです。

そうならないために、チュアは星を集めます。


工場で太陽砂になった流れ星を、また太陽砂の砂漠へ持って行きます。

チュアは新しくできた太陽砂を、砂漠にまきます。

それから、三日月形の銀色に光るホウキで太陽砂をならします。

チュアは休みなくその作業を繰り返すのです。


チュアはいつからこの仕事をしているか、知りません。

いつまでするかも知りません。

チュアはいつでも「きらきら星」の歌をうたいながら仕事をします。

太陽砂の砂漠に、お客様は来ません。

来るのは流れ星だけです。

でもチュアはさみしくありません。

たいくつもしません。


今日もチュアは星を集めます。

30年以上前…ハ○スシチューのCMで、たむらしげるさんのイラストが

アニメーション化されたものが流れていました。

それを元にしたお話(と言っていいのか)。

You Tube「ハウス シチュー CM たむらしげる★星降る夜」で見られます。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても不思議な世界観にひきこまれました。 チュアはいつから太陽砂の砂漠にいて、 このお仕事をしているのか。 今日も「きらきら星」を歌いながら 星を集めているのかなあ…素敵なお話でした。
[一言] 星を集める仕事! 夢がありますね〜。
2021/12/25 19:40 退会済み
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