Episode#02# 滅びゆく運命の世界
平和だった世界が壊れ始めたのは、突如として現れたある組織の存在だった。
― 我々は、人間と魔物が共存する事を拒絶する者!
神より賜りし【ご神託】を、貴様らに伝えに来た!
突如現れた組織の男達は、こう伝えた。
― この世界は人間により支配されるべきである。
魔物との共存などあってはならない事であり、魔物は使役されるべき存在である!
これよりこの世界の支配を開始する!
これはご神託である!
組織は力を振るい、各国に戦争を仕掛けた。
― ご神託に逆らう者は神の敵と同異議であり、この世の異分子である!
逆らう者は全て捕らえ、全て処刑せよ!
その命を神に捧げさせるのだ!!
青々と茂る木々は枯れ果て、透き通る水は紅く染まり川となって流れた。
魔物達の住処は次々と奪われ、多くの種は強制的に使役され、歯向かう種は多くが殺された。
異を唱える人間達も又、敵として処刑された。
精霊や妖精達の国が、満月輝く魔獣達の国が、古代遺跡の様な海底の国が、滅ぼうとしている。
美しかった世界は荒れ果て、自然は朽ち果てる。
このままでは…生きとし生ける者達は、生きる自由を奪われてしまう。
全ての大陸までもが支配されれば、この世界は消滅の一途を辿る。