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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第45話

 戦いは、続く。戦いは、続く。ストップ・ザ・バトル!


  ダークネス軍の蹂躙を止める為、俺達はそれぞれに戦いを繰り広げる。マホ達もダブル・ジョーカー達も強くて、いい具合だ。


  けど、戦っているのは俺達だけじゃない。王都を守る兵士達も、四十七士もみんな自分のやれる事をやって戦っているんだ。ヒーローは、決して一人じゃない。誰もがみなヒーローになれると、常々言われていたじゃないか。


「そのお言葉は、どなたのお言葉なのですか、カナタさん?」


  アクセス・フラ……。


「はい、それ以上はいけません。それ以上言うなら、キスでその唇を塞ぎますよ?」


  ……。


「露骨にお口チャックしないで下さい……」


 ──・──・──・──・──・──・──


  王城の中のとある一室。


  そこは、王城の作戦司令室のような場所で、大きな机に王都の地図を広げて戦況を確認していた。そこにいるのは、ユギカザさんを始め軍関係者と思われる鎧姿の面々、評議会メンバーとその四十七士(と言っても残っているのは勇者一人)。果ては、ミチヨさんやノオトくん、トモヨちゃんの姿まで揃っている。


「南エリアの一団を、ロキヒノ王子が救世主様のサモンドサモンドスレイヴと共に撃破!そのまま、敵軍を追い南下するそうです!」

「中央病院の敵を、救世主様が倒したそうです!その後、四十七士の方が病院の警護に付かれた為、救世主様は西エリアへと移動!」

「北エリアで、救世主様のお仲間とサモンドスレイヴが敵の侵攻を食い止めております!」

「リード小に避難した民を、救世主様のサモンドスレイヴとお仲間が守っております!」


  色々な情報が、ユギカザさんに報告されていた。


  なんとなく、俺関連の報告が多いのは、気のせいか?


「さすがは、カナタだ。仲間も、いい人材が揃っているようだし。仲間の子達も、是非王城にスカウトせねばな」


  ユギカザさんが、満足そうにうなずいていた。


  そういえば、三人の就職の話はまだしてなかったけど、ユギカザさんがその気なら簡単にまとまりそうだな。……まあ、俺は真穂を探しに旅に出なきゃいけないし、それについてくるとか言ってるらしいから、どうなるかはわかんないけど。


「東の22エリアが破られました!現在、隣の13エリアまで後退して防衛ラインを展開中です!」


  駆け込んできた伝令の兵士が、叫ぶように報告した。


  王都は地図上では25のエリアに分かれていて、それぞれに番号が振られていた。まあ、日本で言う○○市の○○町みたいな感じかな。


  東の22エリアと言えば、今俺がいる場所とは正反対の場所だ。救援に向かいたい所だが、こっちはこっちで敵が多くて離れるわけにはいかない状態だ。


「東に戦闘員を回せ!市民の避難はどうなっているか!?」

「コロシアムには、まだ空きがございます!西運動公園に周辺の住民が集まりつつありますが、敵も集結していて襲撃を食い止めている最中でございます!」

「西運動公園なら、カナタが近いのではないか!?誰か、伝令を飛ばせ!まずは、カナタに向かってもらえば……!」


  魔物の集結している公園なら、ちょうど俺が今向かっている所だ。伝令が俺の所に来るより、現場に俺が到着する方が遥かに速い!


「……いや。伝令は、現場に最も近い四十七士がいる部隊に飛ばせ。そちらの部隊に、西運動公園に常駐してもらうのだ。急げ!」

「は!」


  伝令が、急いで出ていく。


  俺も、当然急いで公園へと向かうぜ!てつわーん、ダーッシュ!


「あなた」


  ミチヨさんが、ユギカザさんに声をかけていた。


「ミチヨ?」

「センターステージの開放をお願いできますか?」


  ミチヨさんが、ユギカザさんにお願いをしていた。ていうか、センターステージ?


「それは構わんが、今は戦闘中だぞ?シールド魔法を展開するにしても、敵が襲ってくる可能性はある。危険に晒されるぞ?」

「戦闘中だからこそ、私がみなの為にできる事があるはずです」


  ミチヨさんが、真っ直ぐユギカザさんを見つめる。その瞳に込められた決意の光は、かなり固い。

  それを、ユギカザさんも感じ取ったのだろう。


「わかった。これより、王城センターステージを開放する!準備を!」

「はは!」


  ユギカザが、兵士達に指示した。今から何が行われるのかは聞いていないけど、どうやらミチヨさんの為にステージを開くようだ。


  ステージを開くって、なんだ?センターステージって、どこ?


「すぐに用意する、ミチヨ。頼むぞ。お前の歌声、王都に響かせてくれ」


  歌声?もしかして、本当に歌うステージなの?いやまあ、あの声で歌えば綺麗ないい歌声になりそうだけど、今歌う事に何の意味が?


「ありがとうございます。精一杯、心を込めて歌わせていただきます」

「お母様。わたしも、お供しますよ」


  トモヨちゃんが、横からミチヨさんに話しかけていた。


「あなたは、城内に残りなさい。外は、危険になるわよ?」


  ミチヨさんは、トモヨちゃんの申し出を断っていた。外と言っている所を見ると、そのセンターステージは城外に作られるらしい。


  どこに作るんだ、センターステージ?コロシアムは、既に避難民で一杯だろうし。


「大丈夫です。わたしは、戦いから逃げるわけにはいきませんから。何しろ、わたしはカナタさんの妻ですから!」


  両手をぎゅっと握って、トモヨちゃんが言い切った。


  いや、あのね……?その仕草は物凄くかわいいんだけど、妻と言い切るのはどうなのよ?せめて、せめて婚約者と言って?正直トモヨちゃん、ちょっと色々カットびーんぐしすぎだと思うんだ!先走り過ぎ!


  そんなトモヨちゃんを見て、ミチヨさんは微笑んだ。


「そうね。それなら、お供してもらおうかしら」

「はい。そもそもわたしはトモヨ、ですから」


  え?ダジャレ?


「そういう意味で付けたのではないわよ?」


  さすがにそれは、ミチヨさんも苦笑いしていた。


「王も、王妃の側に行かれるのですかな?」


  オッサンが、ユギカザさんにそんな事を聞いていた。


「ん?ああ、もちろんだ。そこは、前線でもあるからな」

「それでは、我々も応援に向かいましょう!評議会のみなさんも、是非!」


  オッサンは、なぜかユギカザさんやミチヨさん達についていく気らしい。


  けど、提案された評議会のメンバーは、難色を示していた。実際にどこでその歌の披露をするのかわからないけど、話を聞く限り戦場と変わりがない場所になるらしい。護衛の四十七士を戦いに送った以上、彼らの守備力は下がっている。戦場に出るのを嫌がるのは、まあ当然だろうな。


「敵が攻めてくれば……」

「我々には、戦う手段がありませんからな……」


  評議会メンバーって、戦いは普段から四十七士任せなんだろう。本人達は、カードも持っていなければ魔札道具の持ち合わせも無いのか。


「それは、大丈夫ですぞ!何しろ、我が勇者がいる!」


  確かに、その場には一人だけ四十七士が残っていた。それを、幸いと捉えるべきか、それともここで何をしているのかと思うべきなのかは、俺にはよくわからない。


「みな様方は、私が守ってみせます」

「……確かに勇者は強いが、救世主様と比べると……」


  評議会メンバーの一人がつぶやくと、勇者は悔しそうに唇を噛んでいた。


  あの力比べの有り様じゃ、評価が下がるのは仕方ないよな。でも、悪いのは俺じゃないぞ?喧嘩を売ってきたのは、そっちなんだからな?悪いのは負けた自分なんだから、恨むなら負けた自分自身を恨んでくれよな?


「確かに、救世主には敗北しました。しかし、あれは救世主があまりにも強すぎた故!みなさんも見たでしょう?あれは、もはや人間ではありません!」


  ずいぶん好き勝手な事を言ってくれるじゃねえか、オッサンよ。俺がいないと思って安心して言ってるんだろうけど、しっかり見てるからな?

  いずれ見てろよ、オッサン。


「た、確かにそれは……」

「ウチの奴も、救世主には勝てないと言っていましたね……」

「うむ、そうですな。我らも、応援に駆け付けましょうか。どちらにしても、みなには勝ってもらわねばなりませぬしな」

「ですな」


  何だかんだで、結局評議会のメンバーも行く事になったらしい。


  どういうつもりなんだ、あのオッサン?あのオッサンが、わざわざ命の危険があるような所に自分から飛び込もうとするはずがない。そんな場所に評議会メンバーは行かせても、自分は絶対に行かないタイプだろ。


  オッサンの動きを、トモヨちゃんが眉をひそめて見つめていた。


「では、参りましょう」


  オッサンが、勇者を伴って一番に部屋を出ていく。


  ……うむ。ここまで使えるか、V2ホッパー!ありがとう、スケール!




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