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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第42話その2

『任せて!』

『よし。何とか、三時間死守するぞ』

「?それはどういう事だ、ダブル・ジョーカー?」


  ダブル・ジョーカーの言葉に、俺は首を捻る。三時間、何を死守するって?


『ああ。前哨戦の試合時間は、三時間なのだ。三時間首都を守り抜けばこちら側の勝利。そうすれば、送り込まれた神王軍は強制送還される。で、三時間の間に首都を落とされれば、敗北だ』


  ダブル・ジョーカーが、説明してくれた。

  前哨戦には、タイムリミットが設定されているらしい。そりゃ、考えればこちらに勝利条件が無いと試合にはならないよな。試合時間は、三時間。その間、守り抜けばいいという事らしいけど、それってつまり三時間の間は神王軍の増援が延々と送り込まれてくるという事か?


「試合時間があるのかよ!ダークネスの野郎!んな事一言も言わなかったぞ!?」

『あやつが、細かくルールを説明する奴だと思うかね?』

「……思わねえ」


  あいつ、ノリと勢いだけでしゃべってる感じするもんな。


 “「そうだ!みんなー!」”


  突然、また上空にダークネスが現れた。


 “「言うの忘れてたけど、前哨戦の試合時間は三時間ねー。今現在試合進行中の人間族と鉱石族は、頑張って三時間耐えてねー。それじゃあ、チャオ♪」”


  言うだけ言って、ダークネスはすぐに消えてしまった。


「……なんだ、あいつ?ここの会話、聞こえてた?」


  ここで試合時間の話をした直後のタイミングでそんな事言ってくるとか、ここの会話が聞こえていたとしか思えない。


『……そんな事は無い。と思いたいが、ダークネスだからな。聞こえていても、なんら不思議ではないな』

『あいつ、ムチャクチャだからな』


  アクセル・スピーダーが、呆れたように肩をすくめていた。例え何をやろうと、全く不思議ではない存在。それが、ダークネスか。

  迷惑な存在だな、ホントに!


『とにかく、戦うよ!』


  マホが、翼を広げて飛び立った。確かに今は、ダークネスのアホに構っている暇は無い状況なんだよな!


『そうだな。行こう!』

『久し振りに、肩を並べて戦うとするかフィリップ!』

『うむ!』


  二体のドラゴンも、飛び立っていく。敵はかなりの数だが、あの三人なら十分やってくれると、俺は信じているぜ!


「さて……」


  俺は、ポケットから10センチほどの長さの円筒を取り出した。この円筒は、王都に着いた時にスケールが渡してきた物だ。



 //『マスター』


  王都の正門が見える位置に停車したスケールの中で、俺は全員が降車するのを確認した。ので俺も降りようとすると、スケールが声をかけてきた。


「ん?どうした、スケール?」

『マスターにはこれを渡しておく』


  スケールが答えると、ダッシュボードの一部が開いて何かが出てきた。


「?棒?」


  それは、長さ10センチ、直径5センチほどの円筒だった。特に何も書かれていないし穴も空いていない、真ん中に線が入っているだけの何の変鉄もないただの棒だ。


「これは、スケール?」

『簡易型V1システム『V2ホッパー・レーダーハンドレス』。自分が使うV1システムを携帯できるようにした物』

「V1システムって、例の人工衛星か」


  スケールが地図を作ったり周囲の索敵の為に飛ばしたのが、V1ホッパーだったな。それを、持ち歩けるようにしたって事か。


『ん。ダブル・ジョーカーに協力してもらい、その衛星の映像・データをマスターの脳内で直接受信できるようにした』

「おお!そんな事してたのか?」


  いつの間にか、そんな能力アップを受けていたとは。これは、あれか?再改造を受けて、今までより更にパワーアップした遠野彼方バージョン2か!受け取ったアイテムも、それに合わせたのかV2だしな!


(『そこは、新たなスキルを得たと言ってもらおう』)

「はは。改造じゃ、語感が悪いか?」

『スキルアップの方がカッコいい』


  む、言われてみれば。


「確かにそうだな。新たなスキル、ゲットだぜー!」


  ここで某アニメのようにジャンプしたかったけど、さすがに車内じゃな。とりあえず、右手だけ上げておこう。


「で?これどうやって使うの?」

『衛星部分を掲げて「V2ホッパー射出」とキーワードを口で言えば、衛星部分が射出される。衛星は上空500メートルまで到達した後、データを送信するので活用して欲しい。マスターが必要と思う情報を思い浮かべれば、それがフィードバックされて衛星がデータを新たに確認して送信する』


 脳内投影型の、監視衛星か!どんな感じになるんだろう?


「なるほど。地図が欲しいと思えば作ってくれるし、特定の人間を監視したいと思えばそれを追いかけてくれるって感じか」

『そうなる』

(『ちなみに、盗撮に使う物ではないぞ?』)


  ダブル・ジョーカーが、余計なツッコミをしてくる。


「するか!……衛星部分って、どっちだ?」

『短い方』

「お」


  よくみたら、入っている線は円筒の三分の二辺りに入っている。この短い部分が、衛星として飛んでいく部分か。


「あれ?これもしかして上下間違えたら、衛星下に飛んでく?」

『地面に激突』

(『もしくは顔面にGO!だな』)


  うわ、上下の確認はしっかりしないと。


「これは、一度使えば次に使えるのはいつ頃だ?」

『衛星自体は、即補充される』

「え?マジで?どうやって?」


  俺は、思わずV2ホッパーを見つめる。こんな小さな円筒で、どうやって即使用した衛星を補充するんだ?材料は!?構造は!?


『魔力で』

(『どうやっているのかとか、細かい事を考えると夜も眠れなくなるぞ?ここは、魔力だという事で解決しておくといい』)


  何でも解決、万能アイテム魔力!とりあえず、魔力に全ての原因を押し付けておけば、問題は無いな。


  空が青いのも、ポストが赤いのも、俺に恋人がいないのも全部魔力のせい!


「ん、それでいいか!」

『マスターのその物を深く考えない姿勢、いい』

(『軽いノリは、素敵だぞマスター』)


  なんか、バカにされてね?そこは、くよくよ引きずらないって言って!


「まあ、せっかくだから持っておくよ。ありがとうスケール」

『衛星は推進力があるので、もしもの時はミサイルとしても利用可』

「ああ。使わせてもらうよ」//



  あの時渡されたこれを、今こそ使う時!


「V2ホッパー、射出!」


  俺は、V2ホッパーを打ち上げた。パシュッと音がして、衛星が上空に向けて飛んでいく。ちなみに、本当に衛星は即補充された。

  うん、もう考えない。


(王都の状況を確認……)


  目を閉じて考えると、頭の中にいくつものモニター画面のような物が浮かび上がってきた。そのそれぞれに、衛星が捉えた映像が映し出されている。


  魔物が、蓮の花から出てくる映像。避難する、市民。避難を誘導する、兵士達。魔物と兵士達が交戦する映像。城へ入っていくユギカザさんや評議会メンバーも見える。


「こう、いっぺんに送られてくると、それを確認するのも大変だな。とは言え、これを全て把握して敵の侵攻状況を掴まないと。ここは、訓練あるのみ!だな」


  この多くの情報を一瞬で精査して、必要な情報を取捨選択する事こそ、この情報化社会を生き抜く為の秘訣!俺だって、テレビでアニメを流しながらタブレットで音楽を聞いて、スマホでゲームをするという並列思考を繰り広げて来たんだ!俺にだって、この能力を使いこなせるはずだ!

  まあ、肝心のレポートは手付かずとかはあったけどさ。


  とにかく、俺は戦場の様子を確認する。ここは、敵の量が一番多い場所を……。


「ん!?」


  俺の意識に、一つの戦場の映像が引っ掛かった。そこは大きな建物で、変な丸い物体を背中に背負っているドラゴンが襲おうとしていて、兵士達が槍や弓矢で応戦。その後ろでは、杖とかを持った兵士達が建物を守っている。


  あのドラゴン、万策尽きしカバの下っ端ドラゴンだな。


  ドラゴンの方は、どうでもいい。問題は、その建物にハートマークが掲げられている事だ。あのマークは、ロキヒノの入院の時に見た。あれは、病院だ!


「病院を襲ってるのか!させるかよ!」


  俺は、すぐに位置を検索する。方向は西南西、場所はそう遠くはない!


「行くぞ!」


  俺は、その病院へ向けて駆け出した。


「全力全開!」


  今は、力を出し惜しみしている場合じゃない!


  最初から、全力だ!かっ飛べ!アクセラレーション!




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