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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第41話その2

 いや、言われなくてももう始まってるよ!


「ダブル・ジョーカー!奴らを迎撃だ!」

『承知!』


  俺は、ダブル・ジョーカーに向かって叫ぶ。


  まさか、告知と同時に開始するとか、とんだゴミ運営だぜ!


  ダブル・ジョーカーが、飛び上がった『アークライト・デーモン』と『ビー・バエル』を迎撃に向かう。なんとか、観客やユギカザさん達に到達する前に、殲滅してくれ!


「いぎゃあぁぁ!」


  最初に『アークライト・デーモン』の矛に貫かれたコシギーンとカマキリは、そのままの状態で燃やされていた。どうやら、あの矛は貫いた物をそのまま燃やす事ができるらしい。あれも、魔札道具なのか魔札道具で出した武器なのか?


「た、助けて下され……、議ちょ……」


  コシギーンは、近くにいたオッサンに助けを求める。が、その助けを求めた手もすぐに落ちる。あの状態では、もはやどうしようもない。


「アダルー!アダル!早く助けに来んか!!」

「!ハークロ様!ストッパー!」

『おう!』


  勇者とアクセル・スピーダーが、オッサンの救出に向かった。


「!?ちょ、あれ見てカナタ!」


  メィムが、空を指差していた。見ると、さっきと同じ蓮の花が何個も、王都のあちこちに向かって落ちていくのが見える。


「ダークネスの軍隊、こいつらだけじゃないのか!?」


  蓮の花が落下している音が、そこら中から聞こえてくる。という事は、ここにいる怪物連中が王都中に放たれたという事だ。


「まずい!」

 “「各員、すぐさま街へ出動!市民を守り、避難を誘導せよ!評議会の面々は、王城へ避難を!カナタ!コロシアムを避難民の受け入れ先にしたい!そこにいる魔物を処理してくれ、頼む!」”


  ユギカザさんが、矢継ぎ早に指示を出す。それを聞いて混乱していた観客の兵士達は冷静さを取り戻し、部隊でまとまってすぐに街へと出撃する。


  評議会メンバーは、四十七士に守られてコロシアムから王城へと移動を開始する。いや、お前らも戦えや!


「了解です!ダブル・ジョーカー!マホ!飛んでる奴を地面に引きずり下ろしてくれ!」


  さすがに俺も空は飛べないので、空の敵は飛べる奴に任せるしかない。何とか、マホとダブル・ジョーカーに倒さなくてもいいから地上に引きずり下ろしてもらわないと。


『うん!任せて!』

「気を付けて下さい、マホちゃん!」

『ありがと、ヒナギちゃん!』


  マホは、抱いていたヒナギを下ろして飛び上がった。


『彼方くんの愛!『マイ・スイート・ハニー』発動!』


  鞭を取り出して、マホは強化魔法を発動する。

  その枕詞は、いらん!


「召し物発動!『イージスの盾』!『バンシューティング・ギャレン』!」


  俺は、デッキからカードを五枚引くと、中にあった『イージスの盾』と『バンシューティング・ギャレン』を発動した。


「リゥム!ヒナギ!」

「うん!」

「はい!」


  発動した武器は、それそれリゥムとヒナギに渡す。もう、完全に俺の中ではその武器は二人の専用武器だな。


「二人は、ユギカザさん達を守って王城へ!あと、トモヨちゃんも頼む!」

「!カナタさん!」


  トモヨちゃんが、不安そうな表情を向ける。その様子は、本当に小さな子供。そこに、いつもの得体の知れない底知れなさは感じない。


「……大丈夫。トモヨちゃんは、みんなは俺が守るから。王城で待ってて」


  俺は、トモヨちゃんの頭を撫でると微笑みかけた。

  こんないい子を守る為なら、命だって懸けられるよな!なんたって、俺はトモヨちゃんの婚約者だし!


「カナタさん……」

「行こう、トモヨちゃん!」

「ここは、一旦避難を!」

「……カナタさん!わたし、待ってますから!帰って来たら、あなたに全てを捧げます!」


  そう言い残して、トモヨちゃんは二人に連れられて避難した。


「……メィム。お前は、悪いが一緒に戦ってくれるか?」


  残っていたメィムに、俺は声をかける。メィムは、魔札道具にカードを組み込んでいる所だった。


「あったり前でしょ?あたし達、仲間なんだから。それに、リゥムを先に逃がしたのはポイント高いわよ」


  そう言って、メィムはウィンクをしてくる。

  まあ、リゥムとヒナギは王城に避難させとけば、多分大丈夫だろう。


「まあ、トモヨちゃんにも避難してもらわなきゃならなかったしな。で、ついでなんでお前これを受け取っとけ」

「ん?」

「召し物発動、『ドリル・ソニック・ブーツ』!」


  俺は、召し物カードをメィムを対象に発動した。


  発動したカードは、召し物カードの『ドリル・ソニック・ブーツ』。魔フォーのカード効果としては、整備したサモンドスレイヴが相手サモンドスレイヴをファイトで破壊すると次の相手ターンに回復する発動コストを削る効果を持っている。


  で、発動してメィムに装着されたのは、膝上まである長いブーツ、確かニーハイとかいうブーツだった。しかも、膝の部分には小さなドリルが付いていて、踵には地面に接地されるであろう小さなタイヤが今は上に上がっている状態で装備されている。


「何、これ?ドリルの付いたブーツ?こっちのタイヤは、何?」

「俺も初めて使うカードだけど、ドリルは多分蹴りつける時に回ってダメージを増すんだろう。踵のローラーは、移動する時に使うと普通より速く動ける。んじゃないかなー?と思うんだけど?」


  正直、カードイラストだけで選んだので魔法効果は試していない。あくまで、俺の予想する効果だ。


「あんたね……。仮定だらけじゃない」


  メィムは、呆れ返っていた。


「まったく。わかったわよ。あたしが、試せばいいんでしょ?」

「おう、頼むわ」

「しょうがないわね~。……ま、あたしにも魔法貸してくれて、ありがと」


  メィムが、ボソッと言った。そういえば、マンション塔の時は貸せる魔法が無くて貸さず仕舞いだったっけ。


「……ああ」

「カナタ!メィム!まずは、ここの連中蹴散らすぞ!」


  ロキヒノが、炎の剣を振りかざしながら言ってきた。ロキヒノは戦闘要員なので、王城への避難は後回しで。


「おう!召し物発動!『アゴ・ストーム・セイバー』!」

「行くわよ!」


  俺とメィムも、ダブル・ジョーカーとマホが叩き落としてきた魔物を倒す為に飛び出す。


  オッサンを襲おうとした『アークライト・デーモン』を、間一髪飛び込んできたアクセル・スピーダーが押し止めた。その間に、勇者がオッサンを保護する。


「大丈夫ですか、ハークロ様!」

「遅いわ、バカ者が!」

「も、申し訳ありません……」


  助けに来た勇者を、なぜか叱責するオッサン。なんか、あれは勇者に同情するな。


「ワシらも、城へ避難するぞ!」

「は、はい!ストッパー!ここは任せた!」

『ああ!任せろ!』


  勇者は、『アークライト・デーモン』をアクセル・スピーダーに任せて、オッサンを城へと連れていく。

  まあ、オッサンにいられても邪魔なだけだし、いいか。


『雑魚デーモンが!お前達ごときが、この俺に勝てると思うな!』


  アクセル・スピーダーは、『アークライト・デーモン』が突き出してきた矛を素手で受け止めると、その先端を握り潰してしまった。そして、怯んだ『アークライト・デーモン』を抱え上げると、地面に叩き付ける。


『消えろ!『マキシマム・アクセル・グランドツアー』!!』


  素早く腰のアクセルレバーを引き抜いたアクセル・スピーダーは、その先端を押し付けて必殺技を発動した。超至近距離で風の玉が弾け、『アークライト・デーモン』を粉々に吹き飛ばしてしまう。


  さすが、ダブル・ジョーカーの四天王!やっぱり、あいつも強いぜ!


『クイーンよ!我が技を、お主の鞭で打ち放て!『チャージ・ブレイク・サイクロン』!』

『任せなさい!クイーンズ・ウィップ!』


  ダブル・ジョーカーが、必殺技を放つ。だが、魔物達はその光の玉を避けて攻撃を仕掛けようとする。

  その光の玉をマホが攻撃する事によって、光の玉は爆発。エネルギーが四方に拡散し、そのエネルギーが周りの魔物を爆撃する。ある者は羽に、ある者は腕に拡散攻撃を受けて、落下してくる。


  やるな、マホとダブル・ジョーカーのコンボ攻撃!


「ダブル・ジョーカーって、どうしてマホをクイーンって呼んでるのかしら?」


  あ、メィムがそこに気付いたみたいだ。まあ、今はそんな事を気にしている場合じゃないから、早々に忘れてもらおう!


「行くぞ、メィム!ロキヒノ!一匹残らず、殲滅する!」

「う、うん!」

「おう!」


  落下してきた魔物を、俺達が三人でボコる。落ちてきた連中は、既にダブル・ジョーカーの攻撃でダメージを負っているからな。俺達の敵じゃない!


「わは!何これ!すごーい!」


  メィムは、ブーツのローラーで高速移動して『アークライト・デーモン』に接近すると、膝蹴りを食らわせて回転するドリルで肉を穿ち、トドメに発動した魔法の『サンダー・プレヴァレット』で蜂の巣にする。

  ますます強くなりやがった、メィムの奴。


  更にアクセル・スピーダーも参戦してきたので、俺達は程なくして魔物を全滅させる事に成功した。


『ふん!』


  ダブル・ジョーカーは魔物の死体を蓮の花の周りに放り込むと、蓮の花ごと『チャージ・ブレイク・サイクロン』で吹き飛ばしてしまった。


「よし、これでいいだろ。……おーい、お前達!ここの魔物は倒した!すぐに、避難民の受け入れ準備をしてくれー!」


  ロキヒノが、残って様子を伺っていた兵士達に指示を出す。彼らは、このコロシアムに防御魔法を展開してここを避難所にする為に、俺達が魔物を倒すのを隠れて待っていたのである。


「は!」


  兵士達が、慌てて準備をする。


「そういや、どうしてコロシアムが王城の隣にあるのかと思ったら、いざという時に避難所にする為だったんだな」

「ん?ああ。城は、リードギルフでは一番有名で目立つからな。城を目指せば、避難所に辿り着けるってわけさ」


  ロキヒノが、俺の言葉にうなずく。とりあえず、疑問が一つ解消できてよかった。


『そんな事より、街へ出ないと!』

「!そうだな!出よう!」


  コロシアムは残る兵士達に任せて、俺達は外へと向かった。




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