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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第27話

 ラナさん、マナちゃんにロキヒノも順調に回復し、二人は魔竜領国へと帰っていった。またいつか、会えるといいな。


  ジュッカー・フィフティーンとの戦いの後始末もだいたい終わらせて、本来の道行きに戻れそうだ。ロキヒノを王都に送り届ける。それが、俺達の目的だったからな。


  それはそれとして、俺の知らない所で何かが起こっているらしい。あの王女様、なんだろう……。なんとなく、苦手な空気を感じる。

  とはいえ王女様だし、いつかは絆の力お借りします!とかになるんかな?


  ……無いな。


 ──・──・──・──・──・──・──


「お世話になりました~」


  俺達は、一週間ほど世話になったホテルを引き払った。これから、ギアフリー……じゃなくてリードギルフへと向かう事になる。


「じゃあ、早速馬車の手配を……」

「ああ、ちょっと待った」


  馬車の手配に行こうとしたロキヒノを、俺は呼び止めた。


「?どうした?」

「移動に関しては、ちょっと俺に考えがあるんで馬車の手配はいいや」

「考え?」

「そう、考え」


  そういう事で、俺達は馬車の手配をせずにクルナ町から街道へと出てきた。


「どうすんのよ、カナタ?まさか、王都まで歩いて行くわけではないわよね?」

「もちろんだよ」


  俺は、用意していたカードを胸ポケットから取り出した。


「ちょっくら、ひとっ走り行ってくれるか?ちょっと荷物多いけど」

(『問題無い。OK、マスター』)


  カードから、声が返ってくる。


  そう、それは『ドライ=ブロン』ことスケールだった。スケールはこの世界でも問題無く走れる事がわかったので、せっかくの機会だし活躍してもらわないと。


「サモンドスレイヴサモン!現れろ、『ドライ=ブロン』!」


  俺は口上を省略して、スケールを呼び出した。


「あ、あの時の鉱石族」

「お!これが話に聞いたカナタの鉱石族のサモンドスレイヴか」


  ロキヒノが、スケールを興味深そうに見つめていた。ロキヒノは実験の時にはいなかったから、マホ達から話を聞いただけなんだよな。


「ああ。俺のサモンドスレイヴ、『ドライ=ブロン』だ。こいつは乗用車、車の鉱石族なんだ。馬車にも「車」ってあるだろ?それと同じで、『ドライ=ブロン』は人や物を乗せて運ぶ事ができる能力を持っている」

「へ~」


  俺が解説すると、マホ以外の現地組が驚いた顔をしていた。


『ねえ、スケール。屋根、取っ払っちゃって。わたし翼があるから、屋根があると窮屈なのよ』

『了解した』


  マホの指示に従って、スケールが変形して屋根のないオープンカースタイルのスポーツカーに変わった。屋根が開くとかではなく、屋根自体がそのまま無くなるオープンカーになるとか、便利だなスケール。


「あ、変わった」

「中に、椅子があるね?」

『そうだよ。じゃあ、座っちゃお。わたし達が後ろでいいよね?』

「ああ」

『じゃあ、みんな。座って座って』


  マホはドアを開けて、後部座席に座り込んだ。それを受けて、メィム・リゥム・ヒナギが警戒、キョロキョロ、おどおどしながらスケールに乗り込む。


  いくら細身の女の子でも、四人では後部座席はギチギチだな。


『ごめん、スケール。幅をもうちょっと広げてくれる?』

『ん』


  スケールは、次に車幅を横に広げた。


  車幅も車高も、屋根の有無すら自由自在か。なんて便利な車なんだ、スケール。俺も一台欲しい。……というか、俺のサモンドスレイヴだった。


「ロキヒノは、ここに座れ」


  俺は、ロキヒノを助手席に座らせると、自分は運転席に座った。


「おおー。なかなかいい椅子じゃねえか」


  スケールは、内装も高級車っぽい雰囲気を漂わせていた。

  ……ぽいってのは、何かって?俺は、免許は取ったけどペーパードライバーで車を持ってなかったからな。ぶっちゃけ、高級車の内装かどうかわからないんだよ!


「地図とか出せそうか、スケール?」

『V1システムがあるから問題無い』

「V1システム?」


  ダッシュボードから、モニター画面がせり出してきた。


「おお?なんだ、これ?」

「何?何?何か出てきた?」

「なんか、カッコいい……」

「さすが、トオノさんです」


  この世界にはテレビが無いから、現地組は興味津々な様子だった。


  まあ、安定の持ち上げBOTが一人いるんだけどさ。


『V1ホッパー、射出』


  スケールの宣言と同時に、車体後方から何かが空に向けて打ち上げられた。その時、破裂音が鳴ったので、全員びっくりする。


「な、何!?」

「今の音、何!?」

「ト、トオノさん!?」

「スケール。今飛ばしたのは?」

『監視衛星、V1ホッパー。上空五千メートルまで飛ばし、周囲の索敵及び周辺地域の地図作成を行う小型衛星アイテム』


  今スケールが飛ばしたのは、上空に飛ばす事で索敵・監視を行うアイテム「V1ホッパー」というシステムらしい。つまり、スケール専用の人工衛星って事か。


  モニターに、地図が映し出された。カーナビだな、こりゃ。


「王都のリードギルフってわかるか?」

『目的地はそこに?』

「ああ」

『了解。目的地設定』


  モニターの地図が少し大きくなって、現在地とは別に点滅する場所が現れた。どうやら、そこが目的地の王都リードギルフらしい。


「そこまでどれくらいかかりそうだ?」

『危険性その他の要因を考慮し、二日目の昼には到着可能。途中、一泊して英気を養われたし』

「そこまでのルートは、任せていいんだよな?」

『無論』

「じゃあ、任せた。運転は?」

『自分がやってもいいし、マスターが運転するのも可』


  おお!俺が運転してもいいのか!スケールだと、えげつない時速出せそうだよな。とはいえ、今回は俺一人じゃなくて六人詰め込んでるからな。あんまり、無茶をするのはよくない。ここは、やっぱスケールに任せた方が無難か。


「まあ、運転はスケールに任せるよ。安全第一、な」

『了解。……前方に敵性生物を確認』

「ん?」


  見ると、街道の先に大きな熊っぽい生物が現れた。しかも、鉄でできた自然の生物じゃない熊。バリアリーフの改造生物の残党か。


「あれは、改造されたクマベアーか!」


  ん?こっちの世界では熊は、クマベアーと言うのか。名前、長くなってんじゃん!クマでいいだろ、クマで!


  つか、戦いには出てこなかったのに、あんな見るからに戦闘力高そうな奴いたんか。


「改造生物の生き残りね!倒さないと!」


  メィムが、慌てて降りようとする。けど、メィムはマホとリゥムに挟まれて後部座席の真ん中にいるし、ドアの開け方もわからないみたいでジタバタするだけだ。


『まあまあ、ちょっと落ち着いてメィムちゃん』


  マホが、メィムをなだめている。


「カナタ!こっから降りて……!」


  ロキヒノも、剣に手をかけて飛び出しそうな勢いだった。実際、屋根の無い上から出て行こうとしている。


「ちょっと待て、ロキヒノ。……スケール、やれそうか?」

『問題無し』

「んじゃ、あれ倒してさっさと前に進むとしよう」

『OK、マイマスター!』

「行け!スタート、ユアエンジン!」


  俺の言葉に合わせるように、自動的にエンジンがかかった。自動でギアも入って、なんとシートベルトまで勝手に装着される。

  安全への配慮も万全だな、スケール!


  スケールが、爆音を上げて走り出した。


「うお、動いた!」


  こっちが動いたのに気付いたのか、クマベアーがこっちに向けて四つ足で駆けてきた。わざわざ向かってきて、どうするんだか。


  スケールは、短距離で一気に速度を上げた。この短い距離でメーター100超えてるんだけど、さすがは車の「サモンドスレイヴ」だ。パワーが違う。


「全員、一応シートベルトに掴まっとけ」


  俺は、一応警告する。


  この様子だと、明らかに正面衝突するな。


『『ドライブ・ブレイク』!』

『いっけえ!ひき逃げアタック!』


  スケールとマホが、同時に叫ぶ。


  わかる、わかるんだけどさマホ。まさにその形態だと思うけどさ、今のご時世その言い方はよろしくないからやめろ。


  スケールは、風をまとってクマベアーに正面から突撃した。全て壊すんだ!


  スケールの突進攻撃、『ドライブ・ブレイク』を受けてクマベアーは一撃で爆発四散した。


「おお!すげえ!」

「凄い……。あんな大きなクマベアーを一撃で……」

「ホントに凄い、トオノさん……」


  いや、ホントにどうしたヒナギちゃん?完全に語彙力失ってるよ!?


『敵性生物、撃破』

「お疲れ、スケール。じゃあ、このまま安全第一で王都へ向かおう」

『了解』


  クマベアーを倒し、俺達は前へと進む。



 [ドライ=ブロン]タイプ:風

 職業:真っ赤な誓いのスポーツカー(鉱石族・サモンドスレイヴ)

 装備:V1システム

 マスター:遠野彼方

 必殺技:ドライブ・ブレイク

 ※ある程度の変形が可能(ロボットは不可)

 召喚口上「言い訳不要!真っ直ぐ、最高速度で駆け抜けろ!さあ、地獄の果てまで一っ走り付き合ってもらうぜ!サモンドスレイヴサモン!『ドライ=ブロン』!!」

 カナタ・トオノのサモンドスレイヴ。

 真っ赤な車体のスポーツカータイプのサモンドスレイヴである。人並びに物を乗せて運搬する事ができる。

 あまり多くを語らない無口なタイプのようだが、カナタには忠誠を誓っている様子。

 索敵システムというかカーナビゲーションシステムの「V1システム」を搭載していて、移動・運搬の他索敵・偵察も得意。

 必殺技は、自らを一つの弾丸と化す『ドライブ・ブレイク』。ひき逃げとか言わない。

 本名、スケール・シン。



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