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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第24話その2

 俺は、デッキケースからデッキを取り出した。そして、デッキをシャッフルする。


(『おや、シャッフルするのか?』)

(まずはまあ、試しにな)

「カナタって、ずいぶんカードを持ってるわね?何枚持ってるの?」

「ん?ここにあるのは六十枚だけど?」


  俺は、デッキをケースに戻す。


「六十枚!?そんなに持ってるの!?」


  メィムが、すっとんきょうな声を上げて驚いていた。まあ、全員十枚も持ってなかったからな。


「つっても、これは一軍のデッキってだけだからな。特に数えてないけど、リュックに別のカードを詰め込んで来たから実際はもっとあるぜ」


  俺の答えに、マホ以外の全員が驚愕していた。


「え?リュックって、いつも背負ってるかばん?」

「ああ」

「あのかばんの中にもカードが入っていたの、トオノくん?」

「そう。実際何枚あるかは数えてないけど、多分数百枚はあるんじゃないかな?」


 ケースに、詰め込めるだけ詰め込んで来たからな。それでも、持っていたコレクションのほんの一部だけど。


「す、数百枚ですか!?」

『彼方くん、頑張って持ってきたね~』

「持ってけって言ったのお前だろ」

『まね』

「数百枚も持っているなんて……。そんな方は、ブライアズでも見かけませんよ?」


  ちなみに、魔竜領国は名前をブライアズ王国というらしい。なんか、基本王制が多いな、ここの世界。人間領国はギルフォードライ王国だし、マホも聖天族の女王をしていたらしいし。


「人間さんって凄いんだね、ママ!」

「そうね。あの悪い鉱石族やっつけてくれたしね」

「そっかぁ!そうだよね!」


  あれ?マナちゃんのこっちを見る目が、ちょっとというかかなり変わったぞ?さっきまでは何だかんだで警戒する感じは残っていたのに、今はキラキラした目でこっちを見てくる。今になって、人間に助けられたって事を実感した?


  まあ、いいや。


「さて……」


  俺は、デッキからカードを五枚引き出して手札にした。


  これから行うのは、後回しにしてた魔法の限界実験。自分が、魔法をどこまで重ねて使う事ができるかの実験だ。


「んじゃ、始めるか」


  ゲームなら、対戦相手と「ファイトオー!」と声を合わせる所だけど、今は相手がいないから省略だな。


「さて、初手からしっかり来ているじゃないか。さすが、相棒」


  初手の五枚の中に、ダブル・ジョーカーのカードが既に来ていた。


(『相棒だからな』)

「まさに、だな。行くぞ! 時を重ね罪を数え、尚悠久をたゆたう知識の番人よ!風の架け橋を辿りて、我が前にその姿を現せ!サモンドスレイヴサモン!!『ダブル・ジョーカー・ドラゴン』!!!」


  俺は、早速ダブル・ジョーカーを正式召喚した。当然、通常状態のダブル・ジョーカーが魔法陣から姿を現す。


「!?そ、そのドラゴンのお姿は!まさか、ブライアズ王国最強の破壊竜と謳われた伝説の魔竜、『ダブル・ジョーカー・ドラゴン』なのでは!?」


  ダブル・ジョーカーを見て、ラナさんが驚いていた。


  万策尽きしカバもそうだったけど、ドラゴンの間では伝説上の存在として有名なんだな、ダブル・ジョーカーは。


『過去の事だ。そういえば、お主達は魔竜だな?魔法で姿を変えているのか?』

「は、はい。お初に、お目にかかります。『シャイン・ポケッツ・ドラゴン』のラナと申します」

『ふむ。なぜこんな所で人間に?』

「は、はい。私と娘は、鉱石族の悪者に改造されそうな所をカナタさんに助けていただきまして……」


  そういや、ラナさん達の事は話してなかったっけ?


『そうか。どうだ?我がマスターは、優秀であろう?』

「はい!私達の、命の恩人です」

『うむ、うむ』


  なぜか、ダブル・ジョーカーがドヤッている。


「あのな、ダブル・ジョーカー。あれは、全員の功績だからな?あくまでも、みんなで勝ち取った勝利だから」

『しかし、マスターの功績が一番であろう?なあ、クイーン?人間の少女達よ?』

『あったり前でしょ?』

「カナタがいたからこそ、勝てたわね」

「私も、トオノくんに助けてもらいました。トオノくんは、私にとっても命の恩人です」

「はい。トオノさんは、まさに正義の勇者樣です」


  ダブル・ジョーカーの問いに、それぞれが答えを返す。


  なんか、前より持ち上げレベルが上がってる?特にヒナギ、なんだそれは?俺は庶民!一般人!勇者とかじゃねえ!……変な教祖に奉り上げないでくれよな。


  ちなみに、メィムがマホに小声で話しかけていた。


「あの魔竜、しゃべれたのね?」


 ダブル・ジョーカー、万策尽きしカバ相手にしゃべってたろ。


「ほえ~。あれって、絵本で見た伝説の王様って竜だよね?」

「ええ、そうよ」

「絵本の王様を呼び出せるんだ。あの人間さん、すご~い!」


  ああ、マナちゃんのキラキラがさらに増えた。


「ダブル・ジョーカー、絵本になってるんだ。王様?」

『昔の事だ。気にせず、マスターは忘れるといい。それより、先を進めよう』

「ん。それもそうだな」


  俺は、手札に目を戻す。とりあえずは、片っ端から使っていってみるか。


「召し物発動!『ローリングバルカン・キャノン』!」


  まずは、一枚目の召し物カード『ローリングバルカン・キャノン』。


「ダブル・ジョーカー。ローリングバルカン持ってて」

『は?我がか?』

「それ、両手で保持しないといけないから、他のカードが発動できなくなるんだよ。だから、ちょっと任せた」

『いや、しかし。我が装備するとだな……』


  ダブル・ジョーカーは、ぶつぶつ言いながらローリングバルカンに触れた。すると、ローリングバルカンが一瞬で消滅してしまう。


「?あれ?消えた?」

『あの召し物は、鉱石族しか装備できない物だったからな。当然、我には装備できず破壊されたのだ。あれを使えるのは、鉱石族かマスター自身のみという事だな』


  あ、そうだった。装備指定があるから、条件が合わずに破壊されたのか。


「なるほど。まあ、また一つ勉強になったからいいや。続けて行こう。名の下発動!『迫真の発光』!」


  次は、名の下にカード『迫真の発光』。これは、他のカードと違ってカード自体は消えなくて、カードが発光して辺りを照らしている。

  とりあえず、これは胸ポケットに入れておこう。


「召し物発動!『イージスの盾』!」


  次は、召し物カードの『イージスの盾』だ。


  シャッフルが、甘かったかな?前回使ったのが、一緒に出てたぞ。適当なシャッフルをすると、結構並べた時のまま出てくる事も多いんだよな。


「……リゥム。ちょっと持ってて」

「え?あ、うん!」


  俺は、『イージスの盾』をリゥムに投げ渡した。なんか、あの武器はリゥムに渡すのが一番しっくり来る。


「次は……。コップある?空の」

『?あるよ』

「じゃあ、ちょっと持ってて」

『?』

「ナモト発動!『コップ一杯の水を』!」


  俺は、マホの持っているコップに向けて名の下にカードを発動した。これも拾ったカードの、『コップ一杯の水を』。


  魔法を発動すると、コップの中に水が湧き出してきた。その量は、本当にコップ一杯分。カード名に偽り無し!


「本当にコップ一杯の水しか出せないんだな」

『あの、彼方くん?それ以上出たらどうするつもりだったの?多分、わたしが濡れてたと思うんだけど?』

「あ」


  確かに、いきなり噴水みたいに噴き出してたらずぶ濡れになってたな。


『あって……』

「よーし、次行くかー」

『もう、彼方くんってば!』

「あはは、わりぃ。考えてなかった」


  とりあえず、笑って誤魔化しとこう。


『まったくもう……』

「リゥムが使ってたらそうなったでしょうね?」

「多分、ね」

「あ、あの!」


  突然、ラナさんが声を上げた。


「?はい、どうしましたか?」

「あの、カナタさん?あなたは今、どれだけの魔法を同時に発動しましたか!?」

「え?えっと、ダブル・ジョーカー召喚して『イージスの盾』を渡して『迫真の発光』を光らせているんで、三つ同時にでしょうか?」

『あと、『コップ一杯の水を』も発動状態だから今現在は四つだ』


  ダブル・ジョーカーが、補足した。ああ、あれ一応発動状態のままなのか。


「魔法を、四つ同時に……?そ、そんな?嘘ですよね?に、人間はそんなにたくさん魔法を使えるのですか!?」


  ラナさんは、驚愕の表情で叫んでいた。


  まあ、いきなり連続発動を見せられたら驚くか。ダブル・ジョーカーの事で驚かされてからのこれじゃ、混乱するのもしょうがないよな。だったら、先に説明しとけよって話なんだけどさ。


「いいえ。あたしらは、あんなには使えませんよ」

「一人一つですね」

『あ、聖天族も一人一つです』

「そ、それでは……?」


  人間と聖天族が通常通りの説明なので、ラナさんは更に混乱しているようだ。


「トオノさんは、特別なんです。その証拠に、見て下さい。トオノさんは、魔札道具ですら使っていませんから」

「あ!そういえば……」


  ヒナギの説明で、ラナさんの混乱に拍車がかかったらしい。


「カナタさん。あなたは一体……?」

「あー、うん。その、なんでこんなに使えるのかは俺にもよくわからない事でして……。なんか魔法をたくさん使える人間もいるって思ってもらえれば」


  俺は、愛想笑いをして答えた。


  いや、事実だから仕方ないんだけど、魔法の連続発動の事を知られた相手に対して、毎回こうやって説明しなきゃいけないのか。知らん!と一刀両断したい所だけど、それはあんまりよろしくないし。


  やっぱり、またパスケース買ってこよう。


「なんかわかんないけど、カナタ樣スゴーイ!」


  ついに、マナちゃんに「樣」呼びされ始めたよ。幼女に樣呼びされてるとか、ヤバい人間みたいじゃん!


「カナタさまスゴーイ(棒)」


  メィムめ、棒って口で言いやがった。


『さすかな』

「あはは。さすかな~」


  マホとリゥムは、それ半分以上冗談だろ。お前達はただ弄ってるつもりでも、されてる方は傷つく事だってあるんだぞ?


「トオノさん、本当に凄いです……」


  ヒナギはヒナギで、ちょっと視線に崇拝が入っているような気がする。


  やめてくれ!変な宗教のご本尊とか、絶対ろくな存在じゃない!信仰とか、理解から最も遠い行為だからな?


「……はぁ。とりあえず、続けるか」


  続け!



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