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異世界探して右往左往しても見つけたい!  作者: キングスロード田中
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第17話

 俺達パーティーVS超越族の戦闘が続く。


  まずはマホが動きを制し、リゥムがぶちかました必殺技で、超越族の一人のオッサンを見事撃破した。

  マホ&リゥム、win!


 ──・──・──・──・──・──・──


「つぇい!」


  ブルンが、髪を操ってロキヒノを追撃していた。それに対して、ロキヒノはとにかく回避し続けている。白い鎧にもいくつか穴が空いていて、あの髪針攻撃はロキヒノの鎧すら貫通してしまうらしい。


  ただ、攻撃の際にはずっともみ上げを握っている所を見ると、あの攻撃はもみ上げを握っていないとコントロールできないようだ。


  俺が銃で遠距離から援護してもいいけど、ロキヒノだとなんか余計な事をするなって怒られそうなんだよな。


「くそ、これじゃ近付けねえ。かと言って、『バーナー・シュート』は奴らのボディには効かねえし。どうする……」


  ロキヒノが、逃げ回りながらつぶやいていた。


  まあ、ロキヒノは基本接近戦特化の頭していて、離れての攻撃はこの間手に入れたばかりだからな。髪を伸ばした離れた場所からの攻撃には、簡単には対処できないだろう。


「せぇい!」


  ツーカーのハンマーパンチを、俺は上から拳を叩き付けて床に落とし、その隙にいなして離れる。


「どうしたんですか?その拳銃、使わないんですか?」

「まあ、そう焦んないで。最終的に、君がビックリするような一発かましてあげるからさ」

「さっきの女の子がやっていた必殺技ってヤツですか?それは楽しみですけど、さすがにそれをのんびり待ってあげるほどお人好しではないですよ?」

「まあ、避けたり反撃したりするよ。むしろ、俺が必殺技を撃つ前に倒れたりしないでくれよね、ツーカー神」

「言ってくれますね!」


  ツーカーの攻撃を避けながら、俺は左手に持った銃をチラ見する。


  魔力を一ヶ所に集中して、その威力を高める。自分でリゥムに言った事だけど、正直俺は今まで魔力という物を全く実感していなかった。けど、リゥムが魔力を集中させているのを見てから、自分の体の中を何かが巡っている感覚が感じられるようになった。


  今なら、わかる。これが、魔力だ。


  俺は、魔力を銃に集中させていた。


(銃に魔力が集中していくのを、ビンビンに感じるぜ!これなら、イケる!)


  ダブル・ジョーカーの技を見てから、密かに憧れてたんだよな。結局万策尽きしカバもGも、ダブル・ジョーカーがトドメ刺したからな。必殺技をド派手にぶちかますのは、男子の夢の一つだぜ!


「ええい!埒が明かねえ!」


  ロキヒノが叫んで、立ち止まった。そして、剣を両手で構え直す。

  え、どうするつもりだ、ロキヒノ?


「あら?逃げるのは諦めたの?」

「おう!逃げ回るのは性に合わねえ!正面からぶっ潰してやるぜ!」


  ロキヒノが、ブルンに向けて走り出した。さすが脳筋、出した結論は正面突破かよ。


「うおおぉぉー!!」

「死なない程度には痛め付けてあげるから、覚悟しなさい!」


  ブルンの髪針が全て集まり、ロキヒノを正面から迎え撃つ。それに対してロキヒノは本当に進路を変えたり逃げたりせず、迫ってくる髪を剣で全て切り伏せながら走っていく。


「ぐっ!ぬあぁ!」


  いくら弾いていても、ロキヒノの剣は一本。とても全てを弾ききる事はできず、体の各箇所に到達してしまっている。一本の髪針は左肩を貫いて鮮血を飛び散らしていたが、それでもロキヒノの前進速度は落ちない。


  すげぇ……。なんか、敵の攻撃をライフで受けてる感。


「ちょ!?どうして止まらない……!?」


  ロキヒノの衰えないスピードは、ブルンには予想外だったようだ。


「なら、足を……!」

「おせぇよ!おせぇ!」


  ここに来てようやく足を狙おうとしたブルンだが、その時にはもうロキヒノは間合いの中に飛び込んでいた。


「ぬあぁっ!」

「くっ!?」


  ロキヒノは、ブルンの腹に剣を突き立てた。そのままブルンを持ち上げ、ブルンを串刺しにしたままの剣を壁に突き立ててしまう。


  おぅ、昆虫採集ならぬ超越採集。


  しかし、ブルンは笑っていた。


「ふふ、さすがは王子様。でも、無駄よ?私達は、剣で貫かれたくらいでは死なないわ」


  ロキヒノの貫いた場所には、コアは無いようだ。ほとんど、ノーダメージっぽい。


「知ってるよ!」

「!?」


  一言吠えたロキヒノは、いきなりブルンの頭を両手で掴んだ。


「な、何!?ちょ、まさか!?」

「おりゃあぁぁぁっ!!」


  全身のパワーを爆発させるように叫んだロキヒノは、なんとブルンの頭というか首から上を体から引っこ抜いてしまった。


  あやや……。いかに見た目マネキン人形でも、ボギンッという音と共に生首が引き千切られるのは気分のいい光景ではないな。オイルも飛び散っているし。まあ、俺自身は「あやや」という感想だけで済んでるけど、ヒナギとリゥムが見るのはちょっと心配。


  いやいや、あれはマネキン型の敵!おまけにあれはただのオイル!


  首が離れた事で、ブルンの腕がダランと下がった。という事は……。


「く、無駄よ。首を落としても、私達は死なないのよ!」


  首だけになっても、ブルンは元気だった。うん、こんなん相手ならヒナギもリゥムも同情しないわな。


「それも知ってるよ!でも、この状態でしゃべってるって事は、コアは頭の方だって事だろうが!」


  ロキヒノが、ブルンの頭を振り上げた。


  体が活動停止して生首がしゃべっている以上、コアは頭側にあるという事だ。


「え?ちょ、ちょっと待っ…!?」


  ロキヒノの前には、壁に突き立てた剣があった。その剣の刃に向けて、ロキヒノはブルンの頭を振り下ろした。


「ばっで…!」


  さすがのブルンも、頭を思いっきり剣の刃に叩き付けられては、どうしようもなかった。剣に真っ二つにされ、ブルンの頭は左右に床に落ち、そして小さく爆発して散った。


「これで、トドメだ!」


  ロキヒノは剣を壁とブルンの体から抜くと、カードを取り出して入れ替えた。あいつの手持ちカードは二枚だから、『フレア・ブレード』から『バーナー・シュート』に変えたのか。


「チョクメイ発動!『バーナー・シュート』!」


  ロキヒノは、頭の無くなった首に剣を差し込んで、『バーナー・シュート』を発動した。外装が強固な超越族を、内部から焼き付くそうという事だな。

  内側からの炎攻撃には超越族のボディも耐えられず、ブルンの体も爆発した。


「どわぁ!」


  あ、ロキヒノ爆発に巻き込まれてる。


「げほ!がは!うへぇ、最後は締まんねえな」


  爆発自体は大爆発という規模ではなかったので、ロキヒノは無事だった。

  まあ、最後はあれだったが、ロキヒノも勝利だぜ!


「ふん!」

「きゃ!」


  戦いも、もう終盤。残っているのは、メィム&ヒナギと戦っているマーシーと俺と戦っているツーカーの二体。


  そのマーシーの爪が、メィムに振るわれた。メィムは直撃は避けたみたいだけど、紙一重で避けきれなかったのか着ていたブラウスが引き裂かれてしまう。


  いやまあ、メィムの下着が何気に見えてるんだけど、正直そっちは気にならなかった。それよりは、ブルンもそうだったんだがヒナギの『アラウンド・カオス・シールド』の影響下にあるこの空間で上がっているはずの防御を超えて、ダメージを与えてくる超越族の攻撃力に感心する。


  伊達に超越族とか名乗ってないわ。


「メィムちゃん、服が!」

「気にするのは後!」


  ヒナギの心配の声を、メィムが一蹴する。今は眼前の敵に集中するべき時で、それ以外の事に意識を割くべき時ではないからだ。何より、それで倒されたのが相手のオッサンだし。


  まあ、俺はあんまり偉そうに言える立場じゃねえけど。


「切り裂け!」

「させません!」


  マーシーの爪に、剣持ちのヒナギが対抗する。


「ん!」

「ああん!弱い奴は引っ込んでろ!」


  自分で非力だと言っていた通り、ヒナギの剣はすぐに押し込まれてしまう。まあ、どう考えてもあの子は力勝負をするタイプじゃないからなぁ。


「嫌です!」


  それでも、ヒナギは一歩も引こうとしない。剣と爪での鍔迫り合いに押されつつも、マーシーの侵攻を押し止めてはいる。

  ヒナギって弱々しい感じあったけど、やる時はやるタイプなんだな。


「だったら死ねや!」


  マーシーが、ぐわっと口を大きく開いた。鋭い牙が光る大きな口で、そのままヒナギを飲み込んでしまいそうな口だ。


「させるわけないでしょうが!」


  ヒナギの後ろから、メィムがマーシーの口目掛けて左のパンチを叩き込もうとした。しかし、一度腹に穴を開けられているので警戒したか、マーシーはメィムの攻撃をジャンプして避けて後退する。


「逃がすか!」


  メィムとヒナギが、マーシーを追いかける。


「てめえら、ナメるなよ!」


  マーシーは、突然近くの壁を爪で切り刻み始めた。


「!?」

「な、なんですか!?」

「食らえ!『コーラ崩し』!」


  マーシーは、切り刻んだ壁の破片をメィムとヒナギに向かって投げつけてきた。


  え?わざわざ技名があるって事は、それ必殺技なん?てか、「コーラ崩し」ってなんなん?コーラ、コウラ、こうら……。甲羅?


  ただ、超越族の腕力で投げられる壁の破片はその数の多さと相まって、侮れない攻撃手段になっていた。


「うわ、ちょ!?」

「きゃ!あいた!」


  メィムとヒナギは拳と剣で迎撃するが、数が多過ぎて対処しきれていなかった。特に、ヒナギは剣一本では本人の非力さと相まって抗いきれず、ボコボコ破片を受けている。

  うーむ、彼女こそ銃にするべきだったか。


「あう!」


  ヒナギが、床に膝をついた。そうなると、剣を盾のようにして耐えるしかない。


「ヒナギ!」


  メィムが、ヒナギの前に飛び込んで破片を叩き落とした。

  だが、その目の前にマーシーがいた。マーシーは、破片と一緒に飛び出して距離を一気に詰めていたのだ。


「!?」

「殺った!」


  マーシーが右手を貫手にして、メィムの腹に突き立てる。不意を突かれたメィムは、貫手をかわせない。



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