第11話その2
[カナタ・トオノ]タイプ:闇(自己申告)
職業:召喚士(人間族)
装備:デッキケース(60枚デッキ入り)
魔札道具『パスケース』(ブラフ用)
所持魔法:サモンドスレイヴ『ダブル・ジョーカー・ドラゴン』
チョクメイ『エクストリーム・ジョーカー・フルバースト』
チョクメイ『ダブル・ジョーカー・サイクロン』
メシモノ『ローリングバルカン・キャノン』
メシモノ『プレート・シールド』
チョクメイ『そよ風ドライヤー』
ナモト『コップ一杯の水を』 他計60枚
※特殊能力「異世界のカード知識」所持(この世界ではほぼ役に立たない)
特殊能力「召喚・魔法の重ね掛け」所持(理由不明)
ダブル・ジョーカー・ドラゴンにより身体能力等の強化あり
そんな感じで準備を整えて、俺達は町を出発した。塔の場所は教えてもらっているし地図も書いて貰ったので、出向くのは俺達六人だけだ。
この世界に来てまだ三日目なんだが、既にパーティー六人って多くね?まあ、最初からダブル・ジョーカーとマホがいたし、初っぱなに出会ったのが三人だったからな。なかなか幸先いいんじゃないか、この冒険。
(『ところでマスター』)
今まで静かだったダブル・ジョーカーが、急に話しかけてきた。
(?ダブル・ジョーカー?)
(『聞く所によると、今回の相手は鉱石族のようだな?』)
(実際はどうかはわからないけど、話を聞く限りはそれっぽいな)
(『……ハァ。最初に言っておく。今回、我は召喚されてもそれに応じないつもりだ。悪いが、他のカードの力を使って切り抜けてくれ』)
(は?)
突然、ダブル・ジョーカーがボイコット宣言をしてきた。いや、ストライキ?
(ど、どうしたんだいきなり?お前は、今や俺のデッキのエースだぞ?お前が出てこれないとなると、デッキのパワーダウン必至なんだけど?)
(『済まぬ……』)
(……とりあえず、理由を教えてくれよ。相棒に、隠し事は無しだぜ?)
俺が尋ねると、しばらくダブル・ジョーカーが沈黙した。
(『……ハァ。我は、正直鉱石族が苦手でな』)
ややあって、ダブル・ジョーカーが渋々といった感じで答えた。
え?ダブル・ジョーカーに苦手種族だって?
(鉱石族が苦手?そんな設定、ダブル・ジョーカーにあったっけ?)
(『魔フォーの設定ではなく、我個人の苦手意識だ。……我の生前、鉱石族を相手にした時の事だ』)
あ、ダブル・ジョーカーの昔語りが始まった。なんか、ダブル・ジョーカーの生前の話を聞くのは新鮮だな。
(『前言ったが、鉱石族は核を潰さない限り動き続けるであろう?』)
(らしいな。俺はまあ、まだ見た事無いけど)
(『それで、少々デカイ鉱石族と戦ってな。それが、ブッ叩いてもブッ叩いても核を潰せなくて、それはそれは酷い戦いになったのだよ。結局、最後の1パーツになってようやく破壊できるという大失態で……。それ以来、奴等は苦手なのだ』)
(ダブル・ジョーカーにも、そんな過去が……)
(『そういう事で今回は我は召喚に応じず奥に引っ込んでいるので、頑張ってくれ』)
その言葉と同時に、ダブル・ジョーカーの気配が俺の中から消えた。ダブル・ジョーカーの方からロックを掛けた、みたいな感じか。
ダブル・ジョーカーがいないのは不安だが、苦手な相手に突撃させるのも嫌だな。まあ、ロキヒノ達もいるし今回は大丈夫だろう。
[ダブル・ジョーカー・ドラゴン]タイプ:闇
職業:オタク知識の番人(魔竜族・サモンドスレイヴ)
装備:万能の知識
マスター:遠野彼方
桜咲真穂(現在リンク途絶中)
必殺技:チャージ・ブレイク・サイクロン
※特殊能力「飛行」所持
召喚口上「時を重ね罪を数え、尚悠久をたゆたう知識の番人よ!風の架け橋を辿りて、我が前にその姿を現せ!サモンドスレイヴサモン!!『ダブル・ジョーカー・ドラゴン』!!!」
(ダブル・ジョーカーが使えない以上、デッキの順番を入れ替えとくか。引いても使えないから、ダブル・ジョーカー関連はデッキの下に……)
俺は、歩きながらデッキを取り出してデッキの上に並んでいたダブル・ジョーカー関連のカードを、デッキの一番下に移動させた。
シャッフルは、しない。
(うーん、積み込みは肯定する気は無いんだが、今はゲーム大会じゃないしな……)
なぜか、毎回初手の手札にデッキのキーカード三枚がやって来るプレイヤーが、魔フォーのアニメにいたなぁ。まあ、運命力が凄いって事だったけど。
そんな事をしている間に、森の中に建つ塔が見えてきた。
塔、というから俺は、典型的な円筒形のダンジョン型の物を想像していた。そう、なんたらクエストやらなんたーらの塔みたいな感じ。しかし、そこの塔はそういうのとは少し違っていた。
「……こりゃ、マンションだな」
俺は、思わずつぶやいた。
その塔の外観は、日本でよく見るマンションだったのだ。
「んと……。十階建てか」
そのマンション、というか塔は十階建てだった。外から見るとベランダも設置されていて、窓もある。壁自体はかなり古そうだが、誰か人が住んでいても不思議じゃない、どう見てもただのマンションだ。
「ここだな」
ロキヒノが、地図を懐に仕舞って、代わりに剣を抜いた。
マンション塔は、森の中にある事もあって静かで鬱蒼としていた。外には、特に生物や動く物体は見当たらない。
「入り口はあそこかな?」
一階正面のガラス扉が、入り口のようだった。さすがに、自動ドアじゃないか。
そうなると多分、エレベーターも無いんだろうな。十階分、階段を上がらなきゃならないのかな?メンド。
「中は暗いわね」
ガラス扉の奥は、真っ暗になっていた。まあ電気通ってないし、人が住んでいないなら明るくする必要無いから当たり前だわな。
「んじゃ。チョクメイ発動!『フレア・ブレード』!」
ロキヒノは、炎の剣を発動させた。暗い中での、松明代わりか。
「私も。ナモト発動。『輝きたい!』」
リゥムは、魔札道具の警棒を取り出すとナモト『輝きたい!』を発動させた。カードを挿入しなかった所を見ると、暗闇を予想して最初からセットしておいたようだ。
リゥムの警棒の持ち手より上の部分が、光り出した。
これは、警棒というよりは工事現場なんかでよく見る誘導灯だな。この世界でそんな使い方してるのかは知らないけど。
「行くぜ?」
ロキヒノが、ガラス扉を静かに開いた。玄関に、鍵は掛かっていなかった。
不用心だぜ、管理人?
「さて……」
俺達は、マンション塔の中へと足を踏み入れた。
{おまけ}
[ツキタネ・シーカバー・ドラゴン]タイプ:風
職業:人拐いドラゴン(魔竜族)
装備:魔札道具『マジックメイル』
屈強な肉体
所持魔法:チョクメイ『フレア・メテオ』(死亡後リゥムに移動)
※人間領国の外れ、魔竜領国との国境近辺で周辺の町や村を襲っていた魔竜族。
カナタ・トオノ、メィム・ウィステリア、リゥム・ウィステリア、ヒナギ・エンリ、マホ・ブルーム、ダブル・ジョーカー・ドラゴンと交戦。ダブル・ジョーカー・ドラゴンによって倒される。
ダブル・ジョーカー・ドラゴンには及ばない、中級ドラゴン。
懸賞金:10万ギルガメ
[カッター・ツムリ・ドラゴン]タイプ:風
職業:人拐いドラゴン(魔竜族)
装備:無し
所持魔法:無し
※ツキタネ・シーカバー・ドラゴンの手下のドラゴン達。下級ドラゴンの為、人間との会話はできない。一体がカナタ・トオノを拐おうとしてメィム・ウィステリアにボコボコにされる。残りは、ダブル・ジョーカー・ドラゴンに一撃で全滅させられた。
人間には気付けない超音波で、仲間に連絡する事が可能。
懸賞金は設定されず。
[山賊ジュラック]タイプ:闇
職業:悪役モブ(人間族)
装備:ゲス顔
あらゆる事を笑い飛ばして終わらせる深い思考
魔王族が一緒にいたにも関わらず気付かなかった観察眼
所持魔法:発動する暇無し
※山賊のリーダー。王都を追われ、その部下共々山賊に成り下がった男。意外に部下は多く、討伐に来たロキヒノ・リードギルフの一団をロキヒノ以外全滅させた。が、助っ人に来たカナタ・トオノに潰された挙げ句、ロキヒノに首をはねられた。
ジィキ以外の部下は、全て人間族。
[ジィキ・ブリッツ]タイプ:闇
職業:山賊(魔王族)
装備:魔札道具『黒光り杖』(杖)
黒コート
髪も黒で上から下まで黒一色
所持魔法:チョクメイ『ブラック・サンダー』(死亡後メィムに移動)
チョクメイ『カマイタチング』(死亡後リゥムに移動)
チョクメイ『バーナー・シュート』(死亡後ロキヒノに移動)
ナモト『ソロ・シート』(死亡後マホに移動)
ナモト『コップ一杯の水を』(死亡後カナタへ移動)
ナモト『ネクロマンサー・フォウ・アダルト』(死亡後破壊)
※山賊と行動を共にしていた魔王族。他は全員人間族だったので、仲間意識は無かった模様。ロキヒノ・リードギルフを助けに来たカナタ・トオノと交戦。死体を人形として操る魔法でカナタとロキヒノを襲うが、ダブル・ジョーカー・ドラゴンにカードを吹き飛ばされ魔札道具を破壊された上で、頭を握り潰されて倒された。
通称Gもしくはゴキ。




