第11話
行方不明のイッヌを探す為、俺達は塔に向かう事になった。
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翌朝、ロキヒノが依頼主の子供に話をした後、改めて俺達は集合する。
今回は、探索メインでまた戻ってくる事になりそうなので、デッキケースに入れられる分のカード60枚を持つだけの、身軽な状態だ。
ロキヒノは、会った時の白い鎧にマント、腰に剣の魔札道具を携えたフル装備形態。
「鎧もマントも、王家に伝わる秘宝だからな」
ちなみに、ロキヒノの手持ちカードは本当に二枚のみ。一体、この二十一年何をやって来たのだろうか?
[ロキヒノ・リードギルフ]タイプ:炎
職業:脳筋王子(人間族)
装備:魔札道具『レッド・ア・マンサウザンド』(剣)
アーマー『ブラック・イズ・ラウンド』
マント『ロイヤル・ドラゴニア』
所持魔法:メシモノ『フレア・ブレード』
チョクメイ『バーナー・シュート』
「なんで白い鎧なのにブラックなんだ?」
「さあ?昔からの名前だから、由来までは知らねえわ」
ロキヒノは、肩をすくめた。いい加減だな、おい。
「マホは、本当にミニスカートにしたんだな?」
集合したマホは、本当に昨日言っていた通りミニスカートになっていた。ドレスじゃなくなったせいか、なんとなく活動的に見える。
『約束だったからね』
まあ、自分の姿とかどうでもよくて、ヒナギに露出をさせたかっただけだろうが。
「マホ専用のカードを何枚か渡しとこうか」
『ん?いいよ、別に。わたしは、彼方くんの『マイ・スイート・ハニー』だけで十分』
「そういう言い方はやめろ」
『あはは、照れなくてもいいのに~。まあ、防御魔法も貰ったから大丈夫だよ』
「別に照れてない。……とにかく、危ないと思ったら自分の身を最優先で守れよ?間違っても、俺を庇おうなんてするな」
『……でも、わたしも「マホ」だからね』
マホは、悲しむような慈しむような、若干微妙な表情をしていた。
だから、俺はまた「マホ」を見送るのは嫌なんだって。
「頼むよ……」
『……うん。覚えとく』
[マホ・ブルーム]タイプ:光
職業:百合の女王(聖天族)
装備:魔札道具『クイーンズ・ウィップ』(鞭)
服には特に効果も銘も無し
所持魔法:メシモノ『マイ・スイート・ハニー』
ナモト『ソロ・シート』
※特殊能力「飛行」所持
『でも、やっぱりヒナギちゃんはミニスカートの方が似合うよね~』
マホは、またデレデレ顔になってヒナギを見つめていた。
「そ、そうでしょうか……」
マホの少々無遠慮な視線に、ヒナギが苦笑しながら言った。
彼女も、昨日話していた通りミニスカートに服を変えていた。まあ、少し魔法使いっぽさは減ったが、いいんじゃないだろうかと思わなくもない。
『いいよ、いいよ~。仕上がってるよ、仕上がってるよ~』
「マ、マホちゃん……」
もう、マホは舐め回すようにヒナギの生足を観察していた。むしろ、視姦レベル?そんなに生足が好きなのか。
つか、お前一緒に風呂入ってたろうに。
[ヒナギ・エンリ]タイプ:地
職業:アホ毛ガードナー(人間族)
装備:魔札道具『リバー・ワンド』(杖)
ミニスカートにチェンジ(防御力±0)
所持魔法:ナモト『ヴェール・シールド』
メシモノ『アラウンド・カオス・シールド』
チョクメイ『スロー・ライフ』
チョクメイ『揺れろ!』
チョクメイ『引っ越キネシス』
※アホ毛は飛びません
「ヒナギの持っている魔法って、攻撃魔法はあるのか?」
持っているカードを見せてもらったが、相手を攻撃するような魔法が見当たらなかった。
「『アラウンド・カオス・シールド』は一定空間内の味方の防御を上げるメシモノですし、『スロー・ライフ』は一定時間対象の動きを遅くするチョクメイ。『揺れろ!』は地面を揺らすチョクメイですが、相手にダメージを与える事はできませんし。トオノさんから貰ったカードは運搬用ですし、わたしは攻撃系は持っていませんね」
ヒナギは、そう言って苦笑した。
この子はやっぱり、敵を攻撃するより味方を守ったり敵の能力をいなしたりする方に特化しているようだ。きっと、性格的にも攻撃よりも防御の方が向いているんだろう。会って間もないけど、そこはわかる。
「まあ、そこはあたしが補ってるからね」
メィムが、会話に入ってきた。
確かに、こいつは性格も攻撃向きだもんな。ドラゴン戦でも、ずっと前線で戦いまくってたし。
[メィム・ウィステリア]タイプ:光
職業:シスコン格闘家(人間族)
装備:魔札道具『レスト・バイザー』(手甲)
短パン装備変わらず(マホが残念がっている)
所持魔法:チョクメイ『サンダー・グレネイド・シュート』
チョクメイ『サンダー・プレヴァレット』
チョクメイ『ブラック・サンダー』
チョクメイ『ダブル・スピード』
ナモト『10万ボルト』
「『10万ボルト』?なんか、一度言ってみたいな。「メィム!『10万ボルト』だ!」って」
「……それはなんなわけ?」
まあ、黄色い電気ネズミの事は知らんわな。
ちなみに、『10万ボルト』は上空から敵に対して雷撃を落とす魔法らしい。それは「かみなり」じゃね?というのは置いといて、対象が一人でかつ動く相手には当てづらいので使用頻度は低いそうだ。威力、は手持ちでは一番高いらしいが。
「でも、お姉ちゃんにももう少し防御の意識を持ってもらいたい所かな」
リゥムが、ため息混じりに言った。あ、これは姉に苦労させられている系だ。
「お姉ちゃんってば、小さい頃からケンカっ早くていっつも怪我作って来ててさぁ。いつも私が処置してたんだよね……」
リゥムが、愚痴る。
なんか、小さいリゥムが小さいメィムに包帯を巻きながら、治療している図が浮かんだ。リゥムは文句を言いながら何だかんだで治療しているのが簡単に想像できて、すげぇ微笑ましいな。
「いつもお世話になってます。感謝してるんだから、リゥムにはあたしの愛をあげるわ。とりあえず、チューでいい?」
メィムが、唇を尖らせてリゥムに迫った。
「要らないよ。なんでチューなの?」
「ん?あたしの初めて♡でもいいけど?」
「なんでなの!要るわけないよ!ほんとにもう、イミワカンナイ」
「愛してるのは本当なのに~」
語尾に(棒)と付けたくなるようなテンションで、メィムがそんな事を言っていた。いや、それで誰が信じるよ?
『姉妹百合キター!』
あ、ここにいたわ。
まあ、それはそれとして二人は仲のいい姉妹だよな。今も、メィムがリゥムに抱き付いて、じゃれあっている。
[リゥム・ウィステリア]タイプ:水
職業:巨乳の双子妹(人間族)
装備:魔札道具『ケイ・ボウ』(棒)
服は基本メィムとお揃い
所持魔法:メシモノ『フィフス・エレメント・ガード』
チョクメイ『フレア・メテオ』
チョクメイ『カマイタチング』
ナモト『しゃわしゃわん』
ナモト『輝きたい!』
※特殊能力「巨乳」(貧乳に対して無意識に精神ダメージを与える)
「『しゃわしゃわん』?」
リゥムの手持ちカードの中に、見慣れないカードがあった。
「ああ、何も無くてもシャワーを使えるナモトだよ」
それは、水の無い場所にも水を発生させてシャワーを使えるようにするナモトらしい。これも、生活系の魔法か。
「野宿でもシャワーを使えるのはありがたいです」
「ねー。リゥムはタイプが一致してるから、調整も思いのままだしね。色んな水芸もできるし、なかなか楽しいわよ?」
「余興にしかならないけどね」
『そ、それって「色々な所」から水を出せたり……?』
マホが、鼻息荒く尋ねていた。
「え?えっと、まあ……」
『そ、それじゃああ……』
「なんかわからんが、とりあえず落ち着けー」
俺は、マホの頭を軽く小突いた。なんとなく、それ以上しゃべらせてはいけないような気がしたからだ。
『にゃ!……あ。ごめん』
とりあえず、マホは正気に戻ったらしい。
「全身から水を出したり口から火を吐いたり、リゥムは大道芸人としても生きていけそうな感じだな」
「そういう生き方は、要らないかな……」
俺の言葉に、リゥムは苦笑いしていた。
「あと、『輝きたい!』ってなんだ?」
カードは、女の子が右手を掲げて何かを叫んでいるイラストだった。この女の子が、「輝きたい!」って叫んでいるのかな?
「暗い所を照らすカードだよ」
そのカードは、暗闇を明るくする魔法効果らしい。ああ、懸賞金稼ぎとしてダンジョンや洞窟にも潜らないといけなくなる事もあるだろうから、必要になってくる魔法か。懐中電灯よりも使いやすいな。
「光タイプのメィムが使うんじゃないんだ?」
「あたしが照らしてたら、咄嗟に攻撃に移れないじゃない」
攻撃する為には、カードを入れ替えなきゃいけないからな。多分タイプ一致で照らす範囲広いんだろうに、それよりは咄嗟の攻撃を優先したんだ。
……ホント戦闘キョウナ。
「みんな意外にカードの手持ちは少ないんだな」
「一度に一つしか使えないから、たくさん持ってても仕方ないでしょ?」
「そりゃそうか」
普通は一度に使える魔法は一つだから、たくさん持っていても意味は無いか。デッキレベルで持ってて役に立つのは、複数使える俺くらいだもんな。つまり、みんな自分達に合ったカードを厳選して携帯しているわけだ。
んー、やっぱなんで俺は魔札道具も必要無いし複数使えるんだ?いや、考えても答え出ないけどさ。
そうだ。今度暇な時にでも、召喚や魔法の重ね掛けがどこまでできるのか試しとかないといけないな。




