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第2章:夢か真かⅡ

「そういえば、ゼロさんはどこの講義室で説明を受けましたか?」


「第一講義室ですが」


「そこにかなり強面の教官、いませんでしたか?」


「グヴェー教官のことですか? いましたけど」


「第一講義室を横切った時すごい大きな怒鳴り声が聞こえたんです」



 ゼロは首を傾げる。



「私がいた時には怒鳴ってはいませんでしたが、有名な鬼教官らしいですよ」


「できるだけ関わりたくないです」



 シェイルは不安そうな顔をしている



「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」


「そうですか?」


 

 急にゼロは足を止た。ちょっとここの店に寄っていいですか、とことわりを入れ、ゼロは機械の様々なパーツが売ってある店に入る。


 パーツはきちんと整理されていて、シェイルには分からない部品がひしめき合っている。店内はとても広く、パーツ別に細かく分別された棚によってまるで迷路のようになっていた。シェイルは迷子にならないように、ズンズン進んでいくゼロにしっかりとついていく。



「ゼロさん。何を買うのですか?」


「ああ、愛犬のパーツを買おうかと」


「ペット飼っているんですか?」


「犬っていってもロボットですげど。両親が生前、市販のペットロボットを改造して戦争で使っていたんです。戦争用といっても、ロボット兵器とまではいかなくて、サポート役のように使っていたみたいです。もちろん今は、武器一つも積んでいないですけど」


「そうなんですか。そうだ、今度つれてきてくれますか?」



 ゼロは笑顔で頷いた。棚から細い線を取り出す。そして腕の端末を見て買うべき物を再度確認すると、すぐ横の棚のケースから球体の物体を手に取った。



「ふう。これでそろった」



 ゼロが購入を済ませると、二人は店を出て再び探索を始めた。



「シェイルさんはなぜ軍に入ろうと思ったのですか。」



 シェイルは首を捻る。



「そうですね。いろいろ理由はあるんですけど、戦争で亡くなる命を一つでもなくそうと思いまして。ゼロさんは?」


「私は里親から勧められたので。里親も軍人でしたから。これくらいですかね。まあ、はっきりとした理由はないってことです」



 日が傾き、大地をビルを空を赤く染める。



「そうだ。この階にとっても人気があるケーキ屋さんがあるんです。あの時もゼロさん、ケーキ食べてましたよね」



 ゼロは慌ててシェイルの誤解を解く。



「食べてましたけど、好きというわけではありません」



 シェイルは少し残念そうな顔をする。



「嫌いっていうことはありませんよ。行きましょう」



 人気というだけあって、ほぼ席は埋まっている。二人は少し待たされ後、カウンター席に案内された。シェイルは長く悩んだ上、チョコレートケーキを選ぶ。ゼロは、すでに当店の一番人気と大々的にすすめてあるケーキを選んでいた。


 そんなゼロを見て、シェイルは昼ご飯のときもオススメを選んでいたし流されやすい人なのか、はたまた面倒くさがりやのどちらかだろう、と感じた。



「おいしい。来て良かった。……ぜロさん。どうかしましたか?」



 なかなか手を進めないゼロをシェイルは不思議に思った。



「いいえ。少し考え事を。いただきます」



 ゼロは、コーヒーに手を伸ばし、一口飲む。コーヒーはミングさんのほうが入れた方がおいしいなと思っていると、シェイルも同じようでコーヒーをすこぢ不満げそうに目にしている。



「シェイルさん」


「はい?」


「明日は空いていますか?」


「ええ。空いてますけど」


「自然保護区に行きませんか?」



シェイルは首を傾げる。



「構いませんが、どうしてですか?」


「シェイルさんも自然が豊かな場所に住んでいたと言ってましたよね。それに話したいことがあるので」



 わかりましたとシェイルは頷く。



「今日は、車できているので家まで送りますよ」



 ゼロは立ち上がりシェイルの手を取る。



「あっ、ちょっとゼロさん!」


 

 ゼロは、シェイルの手を掴んだまま歩いている。しかしゼロは急に足を止めた。



「……シェイルさん」



 ゼロは真剣な眼差しでシェイルを見ている。



「シェイルさん。車庫までの道がわかりません」


「……ヘッ? あっああ。案内します」



 まだシェイルの手は握られている。



「ゼロさん。手を……」



 ゼロはすぐに手を放した。



 「すみません。シェイルさん。とっ、とにかく行きましょう」



 シェイルはけっこう大きかったなあ、と握られていた自分の手を見つめた。


 車庫に着くとゼロは端末で車を呼び出す。機械の動く音がした後、車が大きなアームで持ってこられた。ゼロの車は後部座席があるのだが、とても大人二人が座れるほどのスペースはない。荷物をトランクという名の後部座席に積み二人は車に乗った。車の窓はウォールリンクではなく透明な素材で、できていた。ゼロは運転席に座るとハンドルを握り、アクセルを踏む。シェイルは、ゼロが運転しているので不思議に思った。



「ゼロさんは自分で運転するんですね」


「ええ。疲れているときはさすがに自動運転にまかせますけど。できるだけ自分で運転したいので。ベルタール第四地区であってますよね」


「はい」



 ゼロは普段自分で運転しているとあって自動運転と変わらない乗り心地だ。

 車はベルタール第四地区内に入り、ゼロはシェイルが指差すとおりに進む。



「ここで大丈夫です。ありがとう」


「気にせずに、じゃあ明日ここに朝の8時に来るので」


「8時ですね。わかりました。待ってます」



 シェイルがエレベーターに乗ったのを確認すると車を自宅へと進めた。


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