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第3章:新たな一日の始まりⅥ


「私の話はこれくらいにして講義に移ろうか」



 フェーバは、候補生たちに映像を送る。



「一見宇宙服にも見えるが、これが戦闘服。というよりパワードスーツだな。パワードスーツとは、宇宙服の機能だけでなく、肉体強化や移動能力を向上させる。言わば、着る兵器だ。パワードスーツは人工筋肉よって動くが、内蔵してあるスラスターで高速移動することも出来る。またステルスシステムが標準装備として搭載されている。

装甲は主に2つに分けられ、1つ目は大部分を占める厚い主装甲。2つ目は関節など動きが必要になる部分を守る副装甲だ。種類によって防御力は変わってくるが戦闘機のエネルギー機銃の直撃から1~2発は耐えられる。負傷した際には戦闘を続けながら応急処置が可能で麻酔や止血はお手の物だ。動力源は背中にあるエネルギー発生装置でこれもまた、種類によって変わってくる。また、スラスターからもエネルギーを確保することも出来ぞ。パワードスーツは大きく分けて三種類ある。軽量、中量、重量この三つだ」



 画面に大きさや形が異なる武器と思われる物が映る。



「まずは軽量パワードスーツについて。軽量装備は運動量の多い者向けに副装甲部分を広げ、スラスターを小型にし、数を多くすることでより敏捷な行動が行える。エネルギー発生装置も小型化されているため、高出力の武器は使えない。

ああ、ここで武器について補足しておこう。武器は銃や剣が主なものとなっている。今の武器のほとんどがエネルギーによるものだ。エネルギーの供給方法は、ダイレクト式とシリンダー式の二つだ。ダイレクト式はその名の通り、エネルギーパイプなどを通してエネルギーを直接補給する。この利点はリロードの必要がなく、供給装置が小さくて済むことだ。欠点は、パイプで供給しているため、傷つくとエネルギー漏れが起き、爆発する恐れがある。一方、シリンダー式は予めシリンダー内にエネルギーを充填しておき、それを武器に装填する。利点は、充填する際にエネルギー圧縮が出来ることだ。シリンダースロットが2個以上ある場合は一つ目のシリンダーに二つ目のシリンダーのエネルギーを入れることで装填していても、圧縮出来る。このエネルギー圧縮は、ダイレクト式でも可能だが、事前に圧縮は出来ない。欠点はシリンダーにエネルギーを充填する装置が必要となり、さらにシリンダー自体がスペースを取ってしまう。また装填する作業で時間を必要としてしまうことだな。軽量パワードスーツの基本武装はシリンダー式ハンドガン、シリンダー式ブレード、ダイレクト式ブレードだ。まあ、基本武器は必要最低限の装備だからな、本当はもっと多くの武器を扱う。では、ここまでで質問はないか」



 ディオネが手を挙げた。まさかここで挙げるとは思っていなかったのでユミルは止めれなかった。



「おお! 良いとも。君、名前はなんという」


「はっ。ラグル・ディオネと申します」



 ちょっとディオネ、とユミルが立ち上がったディオネを引っ張る。フェ-バは一人で頷き、とても嬉しそうな顔をしている。



「それで、質問は何だ?」


「はっ。基本武装にブレードが含まれているようですが、白兵戦など起こりうるのでしょうか」


「うん、実にいい質問だ。銃という武器があるならそれでやれるだろうと思っているのだな。確かに第二次共帝戦争までは、剣などの至近距離のみ有効な武器は無かったというより考えられなかった。しかし第二次共帝戦後、両国家で攻撃を弱める対エネルギー装甲が開発されると話しは変わった。そして、対エネルギー装甲の性質の一つに連続でエネルギーを受けると、弱める能力がほぼ無い状態が起こることが判明すると、エネルギーを連続で照射するエネルギーブレードが生み出された。至近距離において小型な武器でも破壊力をもつ武器として使用されるようになったわけだ。これでいいかね?」



 ディオネは頷き、座っていいぞと言われると静かに席に着いた。

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